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Bendisの紡ぎ出す台詞が素晴らしい、Uncanny X-MEN


Uncanny X-MEN(”UX”) 33号、34号。筋書きをBrian Michael Bendis、画をChris Ankaがそれぞれ担当。添付画像は、34号のもの。

粗筋を手短に紹介。33号から、UX 32号で、意に反してMAGIKに呼び出されたKitty Pryde。行き着いた先はMonster Island。MAGIKの目的は新しいミュータントの救出。続いて34号。国際的諜報機関SHIELDの諜報部員DAZZLERは、CYCLOPSが率いていたX-MENの子供たちの犯罪者としての記録の消去と引き換えに悪のミュータントMystiqueの捕縛を約束する。

今回も、気に入ったシーンや台詞等を紹介。

話としては、盛り上がりの少ない所謂Fill-in(長い話と次の話の幕間の出来事)。その中で最後の2ページの台詞はぐっと来た。新しいミュータントBoがSTORMに対して言った言葉とそれに対するSTORMの返答。”You so beautiful.” “You’re already my new favorite student.” 単にありがとうではなくて、女性らしいウィットの効いた応えが素晴らしい。

次にKittyとMAGIKの会話。昔は年が近いこともあって大の親友だった二人。いろいろな事件の後二人の間には妙なわだかまりがある。昔の日々(days)を懐かしむMAGIKに、言ったKittyの言葉。”Let’s make new days.” Friendshipではなくdaysってのが良いな。

Monster Islandに住んでいる怪物たちが、Sendakの描いた「かいじゅうたちのいるところ」へのHomageであるのは明らか。すべての怪物たちが妙に可愛げがある。ここって日本にある怪物島のことかな。http://www.comicvine.com/によれば同じものらしい。

続いて、UX 34号の気に入ったところ。Ankaの画はだんだん良くなってきている。添付した表紙はEmmaが中心なのが笑える。Hills長官の台詞の中に1回だけ出てくるだけで、物語の中では一シーンにも出てきてないからね。きっとAnkaが一度描きたかったからなんだろうな。

概してBendisの紡ぎ出した台詞はどれも機知に富んでいて好き。その中でも何点か取り上げると、テレパシー能力を持つとミュータントを使いDAZZLERがMystiqueをCYCLOPSだと思い込ませているシーン。会話が長くなりMystiqueが疑い始めている。決め手はMystiqueとCYCLOPSの間に関係があったことを示唆した時に、それを知らないDAZZLERが否定しなかったところが面白いかな。その後にあっさり”Nice”とDAZZLERが負けを認める台詞も良し。

若いミュータント達が今後の進路を決めようとしている最終シーンは、思わせ振りだな。どうやら新しいX-MEN(名前はともかく)を作ろうしているみたいだ。続きは、次号(何故か600号。これがX-MEN担当脚本家としては Bendisの最後の作品。)なんだけどね。ミュータントの一人GOLDEN BALLがFANTASTIC FOURと名乗っても良いかと聞いているのも好き。

一方、Bendisの台詞の真意がわかりかねるシーン。DAZZLERとCYCLOPSを比較し、SHIELDのHills長官が彼女の感想を述べるシーン。前述の通りDAZZLERは幼いミュータントの犯罪記録と引き換えにMystiqueを捕縛した。それも彼女はMystiqueに監禁され、彼女の血液?を商売の道具に使われた。もっと酷い仕打ちをしても良かったはず。それをしなかった故に、Hillsはミュータントの子供たちを見守ることができるのはDAZZLERでCYCLOPSにはそれができないと断言している。この言及にはそもそもおいらは納得できない。DAZZLERが善行を示したのは1回だけだし、CYCLOPSは彼なりのやり方で、子供たちを見守っていたしね。BendisはCYCLOPSの行動をどのように読者に受け取って欲しかったのかな。
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