アメコミとラーメン

魅力的な悪人Mandarinと日本人ミュータントSUNFIRE、1974年のIRON MAN 68号から70号



添付画像のJim Starlinの描いたIRON MAN (“IM”) 68号の表紙が凄く魅力的で欲しいなと思っていた。そんな時に、御用達がなんでも10%引きセールを開催したので、迷わず購入。話も興味があったので、IM 68号から70号までを早速レビュー。

筋書をMike Friedrich、画をGeorge Tuska、インクをMike Espasto がそれぞれ担当。

まずは粗筋。ベトナム戦争後期。ベトナムで行方不明のアメリカ人を捜索するためベトナムに潜入。言うことを聞かないIMを気に入らないベトコンの少佐が日本のミュータントSUNFIREを唆しIMを襲わせる。一方宿敵MandarinはSUNFIREの力を利用するため彼を誘拐した。

気に入ったシーン、台詞等を紹介。このコミックブックが発行されたのは1974年。アメリカは戦争から撤退している。しかし戦争自体は1975年のサイゴン陥落まで続いた。(ウィキペディア調)IM一行はベトコンの少佐の協力を得ないと現地での行方不明者の捜索を続けられないらしい。だから、彼は結構少佐に気を使っている。行方不明のアメリカ人の捜査はSUNFIREの誘拐と共に放ったらかしなっちゃうのが面白いな。Roxieなる女性を危険な戦地に残してよいのか?

SUNFIREの思惑はベトコンに恩を売って、日本がベトナム復興に参加すること。お行儀は悪いがその目的は結構戦略的で褒められる。まーベトコンの少佐に使われ、誘拐の主導者Mandarinの目的にも良いように利用され阿保キャラなのは残念。

CAPTAIN AMERICA (“CA”)のSUNFIRE評。”CA said SUNFIRE is ultra nationalistic about his native Japan.” この評を聞いていたIMは何故攻撃されるのかわからない。上記の意図をIMは知らないから。

続いて69号から。この号ではIMとMandarinの直接対決が満載。子供の頃にこのコミックブックを買っていたら68号より楽しめたな。その中でもMandarinの力の源の10個の指輪のそれぞれの力が解説されている記述が好き。こういうのワクワクするな。それらの指輪の力が次々と使われてIMはこの号ではタジタジ。

捕らわれの身のSUNFIREの前でいかに自分がIMより優れているかを独り言ちているMandarinに対するSUNFIREの台詞。”Do you hope to impress me with words?”彼の心の考えを言葉にしなければいけないという漫画の宿命を逆手に取ってのこの台詞良いね。

70号ではさらに話が横道にそれ、Mandarinのもう一人の的Yellow ClawとMandarinの戦いも始まっちゃう。Yellow Clawの使う大砲みたいなものはもしJack Kirbyが描いていたらそれは凄いものになっていたに違いない。機械関係はTuskaの得意技ではないね。Kirbyはこの当時DCで描いてたはず。

Mandarinってのは当時の欧米人の考えるステレオタイプな中国人。必然的に空手も得意。その空手の一撃でIMの中にいる心臓に疾患を持っているTonyが気を失っちゃうほど。10個の異なる力の指輪を持っている上に空手の達人。こういう魅力的な敵がMarvel Cinematic Universeではどうも安っぽく使われて不満。

最後はSUNFIREがIMに助けられたことで恩に感じちゃって終わる。戦争は終わって30年経過してた当時のアメリカ人や日本人の相手に対するもやもやとした心情が記述されていて興味深い。

今回このブログでは書かなかったが伏線が複数用意されていてこの時期に買っていたら、買い続けるな。
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