
SPIDER-MANの機関誌Amazing SPIDER-MANの読みたい話は大体手に入れたので、それ以外のSpectacular SPIDER-MAN (“Spec”)を買ってみることにした。1997年に出版された247号~249号をまとめてレビュー。
筋書を J.M. Dematteisと一部Mark Bernardo、画をLuke Ross、インクをDan Green、Al Milgromが担当。
粗筋をサラッと紹介。Jack O’lanternに急襲された新聞王J. Jonah Jameson (“JJJ”)。入院中のJJJの命をJackはしつように狙う。彼の魔の手からSPIDER-MANはJJJの命を守ることができるのか。
いつものように気に入ったシーンや台詞等を紹介。
Jackの名前とその姿を複数の人物が使ってきた。今回は何代目かのJack。猫の相棒がいて、こいつもなかなかの曲者。SPIDER-MANの危機を事前に察知する力が通用しないのか、Jackの幻術のなせる業なのか。面白い。SPIDER-MAN との戦闘では巧みな幻術(おそらくSPIDER-MANのもう一人の敵Mysterio仕込みの特殊効果)により、SPIDER-MANが翻弄される247号はなかなか面白い。
JJJの実の息子Johnが催眠術によって実の父親を殺そうとするところをSPIDER-MANが防いたでところで247号は終わる。次号が気になる上手い終わらせ方。
この時期。PeterとMary Janeは結婚していた。そしてMJは大学で心理学を学んでいた。大学の友人は嘗てのPeterの恋人Gwenの従妹Jil。結構面白い設定だったんだな。こんな広がりを期待できる設定をMarvelは捨ててしまった。勿体ない。
Spec 248号。Johnは警察に尋問される。その時の警察官の台詞。”If we want vague answers , we would have brought Bill Clinton in for questioning.” この作品が発売されたのは1997年の7月。あの有名なMonica LewinskiとClinton大統領のスキャンダルは1998年であることから、そのことではないらしい。いずれにせよこれを書いたBernardoは共和党支持者だな。
途中、猿の化け物に襲われたSPIDER-MAN。その時の彼の台詞。”Looks like a job well for Charlton Heston.” この当時でさえ何を言っているのかピンと来ていない人もいると思うが、Hestonは1970年代の映画「猿の惑星」の主演男優。正直このシーンは未来の布石で全体の話からすると全然関係ない。
Spec 249号では何度目かの夫婦の危機。MJはPeterがSPIDER-MANであることを知っている。彼の責任の重さを重々招致している。それでいて、彼女が不安定な精神状態にあることからの台詞。”What about your responsibility to me?” Peterは何とかなだめるのだが、直後にJohn Jamesonの異常な行動を二人は目撃して、PeterがSPIDER-MANとJohnを追うことを認める。いつものヒーローあるあるだね。
直前に雨の中で傘をささずに二人が踊るシーンがある。MJが女優でもあるからというのもあるが、映画「雨に唄えば」の名シーンを二人が演じている。前号に続いて映画の名作へのHomageだな。
とSpec 3冊の気に入ったシーンを書いてきたが、続きが非常に気になる。伏線がありまくり。Peterの友達のFlashは交通事故を起こすは、Norman OsbornはJJJを脅して新聞社を買い取ったり、JohnはまだJack O’lanternの催眠術の悪影響から回復していない。幸いなことにSpec 250号は買ってある。一度読んだはずなのだが、忘れてしまった。読み返すか。