自分史のブログ

初めての自分史の書き方

自分史のブログ 山の辺書房のAmazon電子書籍無料&書き方連載7回目

2019-09-10 09:52:31 | 自分史の書き方

 9月10日 山の辺書房自分史編集室 自分史ブログ

アマゾン電子書籍無料キャンペーン九月度第二弾!
弊社発行Amazon電子書籍 話題の手記「平成の大洪水」9月8日~12日まで無料ダウンロード出来ます。NHKローカルでも二度放映された話題本。異常気象の昨今、万人必読の書です。

改訂版 平成の大洪水: 未曾有の水害で生まれ故郷を無くした被災者の赤裸々な手記
杉岡 昇
山の辺書房自分史編集室


 昨今、日本列島否世界中で異常気象が発生各所で甚大な被害となっている。自然の脅威――我々はどのような心構えで対処すべきか……。

この著者は、考えても居なかった未曾有の大洪水で我が家水没、転居を余儀なくされた。

【内容】

 多くの災害被災者にぜひお読みいただきたい一冊です。
 紀伊半島南部は過去に伊勢湾台風など数々の台風に襲われ、その度に川の氾濫で家屋浸水・水没し大切なものを失った。教訓はあったのだが、この半世紀間殆ど災禍に遭うことがなかった。それで油断していた。
 そんな折、平成12号台風が猛烈な勢いで襲ってきた。筆者は過去の経験から、多少の浸水はあるだろうが大したことはないだろうと高を括っていた。避難勧告を無視し、妻と共に二階に籠城した。市の職員の息子にそのことを伝え、風雨の収まるのを待っていた。
 ところが、意に反し大変な事態となった。かつて経験したことのない大洪水となったのだ。九死に一生を得て救出されたが、家屋は完全水没し。転居する羽目に。
 筆者曰く「この手記を書こうと思ったのは、日ごろの防災に対する心構え・侮ることのない万全の準備がいかに大切かを自身の体験から後世に残すべき」と言う。
 避難とは…
 被災者の心理とは…
 被災後の人生とは…
 生き続ける意義とは…
 などに焦点を当て実録手記として吐露した強烈な自分史です。
 本書発行後各地で話題を呼び、それに呼応してNHKローカルで現地ロケが行われ二度にわたり放映された。

 このブログを書いている今も台風が接近しつつある。迎え撃つ準備は出来ているだろうか? 最早、一昔前の備蓄にとどまらず「自分の命は自分で守る」心構えのステージにはいっている。

 本書は、緊急脱出・避難の日々・災害後の人心・噂・故郷を捨て〝終の棲家〟を求めて転居など、事細かく心の内を吐露している。被災者や、そうでない人々への真実のメッセージです。

山の辺書房自分史編集室 編集長 よしいふみと

――――――――――――――――――――――――――

自分史の書き方 連載第7回め

※大正14年7月12日新潮社発行「夜の光」志賀直哉著抜粋

「好人物の夫婦」より
 【深い秋の静かな晩だった。沼の上を雁が啼いて通る。細君は食臺の上の洋燈を端の方に惹き寄せて其下で針仕事をして居る。良人は其傍に長々と仰向けに寝ころんでぼんやりと天井を眺めて居た。二人は永い間黙って居た。
「もう何時?」と細君が下を向いたまゝ云った。時計は細君の頭の上の柱に懸かってゐる。
「十二時十五分前だ」
「お寝みに致しませうか」細君は矢張り下を向いた儘云った。
「もう少しして」と良人が答へた。
 二人は又少時黙った。
 細君は良人が餘りに静かなので漸く顔を挙げた。而して縫った絲をこきながら
「一體何して居らっしゃるの? そんな大きな目をして……」と云った。
「考へて居るんだ」
「お考へ事なの?」
 又二人は黙った。細君は仕事が或る切りまで来ると、絲を断り、針を針差しに差して仕事を片付け始めた。
「オイ俺は旅行するょ」
「何いって居らっしゃるの? 考へ事だなんて今迄そんな事を考へて居らしたの」
「左うさ」
「幾日位行って居らっしゃるの?」  
「半月と一ト月の間だ」
「そんなに永く?」
「うん。上方から九州、それから朝鮮の金剛山あたり迄行くかも知れない」
「そんなに永いのいや」
「いやだって仕方がない」
「旅行おしんなってもいゝんだけど、……いやな事をおしんなっちゃあいやよ」
「そりゃあ請合はない」
「そんならいや。旅行だけならいゝんですけど、自家で淋しい気をしながらお待ちして居るのに貴方が何所かで今頃そんな……」かう云ひかけて細君は急に「もう、いやいや」と烈しく其言葉をはふり出して了った。
「馬鹿」良人は意地悪な眼つきをして細君を見た。細君も少しうらめしそうな眼つきでそれを見返した。……】
 
 ★これが、文章の神様といわれる所以である。
 解説してみましょう。 

――まず、情景描写――
●場景描写、時間、その他、改めて説明は無いが夫婦の会話のなかに全てのものをそっと含ませ、読んでもらうための諸条件を満たしている。

 さて、話を元に戻そう。物語の構成系列がしっかり出来ていれば、第一シーン、第二シーンと目を遷すとき「あぁ そうか……、成程…」と無意識のうちに自分流のイメージを膨らませているのである。


 そして、「次はどうなるんだろう?」と頁をめくり行を追う。ここまで行けばもうしめたもの。物語の森に呼び込み成功ということになる。著者は、紙芝居よろしく、「文章描画法」の手法でシーン展開をやればよい。ただし、ここに重要なポイントがある。これを外すと効果半減だ。それは、自伝であるがために真実を吐き出さねばならないという点だ。


「俺は、こんな凄い体験をした。けどょー、世間体もあるしなぁ、真っ正直には書けるもんか」という人が多い。
 せっかく本にするんだから立派にしたい。ちょっとぐらい恰好良いようにデフォルメ(改変)してもいいだろう。という気持ちになってしまいがちだ。これが、自伝をつくる上での最大の関所なのだ。

 弁慶じゃないが、勧進帳を読み違えるとせっかくの素晴らしい計画も水の泡になりかねない。

●フィクションを専門とするプロの作家なら、ここのところはうまく創作し、読者や観客の心をつかむだろう。しかし、素人はそうはいかない。いくら恰好よくみせようとしてもボロがでる。中身に真実がないからだ。目立つのは自慢話。

●これまでの経験では、およそ七割がこの傾向ありだ。これでは読み手はウンザリして、遂には本を投げ出してしまう。十分心得なければならない。
 わたしは、所属する日本自費出版ネットワークが行う「自費出版文化賞」の小説部門選考委員を務めたことがある。三十編余審査したが、やはりこの傾向がみられた。

 そんななか、ただ一編、素晴らしい作品があった。或有名な劇団リーダーとの青春時代の出会いを綴ったもので、詩的で素直で、文章に気取ったところもなく、作者の心の奥から湧き出る感情をそのまま文字に託した如く感じられた。

 ちなみにこの作者はご高齢のご婦人だった。にもかかわらず、若人のような瑞々しさをも感じた。それで、審査通過ということにした。結果は残念ながら賞には届かなかったが、見事最終選考まで残った。
…………………………
●このように、自伝を執筆する場合、気負い、エエ恰好、素人がよくやってしまう難しい漢字を使った難解な文章表現は百パーセント避けるべきだ。

 度々自著を持ち出して申し訳ないが「ど根性 昭和繁盛記」は、小学校高学年で充分理解できるよう漢字制限し、児童文学として書き上げた。これが成功を見ることになった。

つづく

★これから自分史書いてみたいが……という方は下記ホームページで詳しく解説しておりますので、お読み頂ければ幸甚です。

山の辺書房自分史編集室ホームページ→GO

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などです。ちなみにモノクロですが私はKindle Paperwhite 防水機能搭載 Wi-Fi 8GB 電子書籍リーダーを使用してます。
★次回は8回です。どうぞよろしくお願いいたします。
よしい ふみと
 


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