バンコクを訪れた回数は、この20年余りで60回を超えているが、恥ずかしながら好きなゴルフにかまけて、これまで市内観光というものをしたことがありませんでした。そもそも、早朝に出発して夕方帰ってくるゴルフと市内観光は相容れないもので、ゴルフと並び立つのはマッサージと食道楽くらいかと思います。
しかしながら、私のゴルフ仲間も齢を重ね、5日間連続ゴルフを提案したところ、「3日目は休養日にして市内観光をしてみたい。できれば有名な寺院に行きたい。」との注文を仰せつかりました。ちょこっと調べてみると、バンコクには三大寺院というのがあり、まずは王室の守護寺院ワット プラ ケオ(ワットはタイ語で寺院の意)でエメラルド仏が有名。ワット アルンはチャオプラヤ川の岸に建つ美しい寺で、三島由紀夫の小説「暁の寺」の舞台になりました。長さ46mの横になっている涅槃仏が売りのワット ポーは、タイマッサージの総本山でもあるとのこと。さらに、これら御三家の観光人気を追い抜こうとしている新進気鋭があり、それがワット パクナームです。
炎天下の中、年寄りがあちこち歩き回るのは、ゴルフよりもしんどいのではないかと、グーグルマップを眺めながら検討した結果、天井画とガラスの仏舎利奉安塔がとても幻想的と言われるワット パクナームを選定。チャオプラヤ川を渡った西側にあってホテルからは遠いのですが、延長されたMRT(地下鉄)の新駅、バーンパイ駅から15分くらいで歩けるようなので、移動は問題なさそうです。
地下鉄と言いながら、高架上にあるバーンパイ駅のホームに降り立つと、大きな金色の仏さまが視界に入ってきます。後から知りましたが、実はワット パクナームは大仏でも有名で、その高さは69m、世界一なんだそうです。天井画のある仏塔に上がり、バンコク市内を一望できるテラスに出ても、まだ肩のあたりを見上げるほどでした。
年寄りには使いこなせない「映え」という言葉で形容される天井画と仏舎利奉安塔は、噂に違わず荘厳かつ幻想的でした。言葉では語りつくせないので、こればかりは実物を見ていただくしかないのですが、単身で異空間に放り込まれた感覚になりました。心底来て良かったと思い、己の食わず嫌いを反省しました。
ワット パクナームでは拝観料の徴収がありません。お布施の箱がありますので、「気持ち」を納めて下さい。また、拝観にはマナーやドレスコードがあり、特に服装には注意して下さい。仏塔に入る際には靴を脱ぎます。
すぐ近くには、コミカルでユーモラスな動物や仏様の像があるワット クンチャンというお寺もありますので、こちらにも足を伸ばすと良いでしょう。
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