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韓国、三倍賠償の施行に向けて

2019-02-20 17:51:46 | 日記
韓国代理人が来所され、三倍賠償の話になりました。
 
米国に比べて損害賠償額が極めて少ない現状から、法改正されたとのこと。
今年7月からの施行ですが、最近、非侵害鑑定、無効鑑定が増えてきているよう。
 
「故意」でないことを立証するための予防策とのことですが、今後、ますます増えるだろうと話していました。
 
日本でも同様の議論がありますが、我が国では、故意による知財侵害が蔓延している事実はないと認識されており、懲罰賠償はわが国の民法の填補賠償の考え方にもなじまないことから、現在、わが国は懲罰賠償を導入すべき状況にない、との意見が主流です。

進歩性(課題の相違)

2019-02-07 18:05:32 | 特許実務

来月、ドイツ代理人が来所され、課題解決アプローチについてレクチャーの用意がある、と伝えてきたことから、今更ですが、日本の審査基準における課題の位置付けを復習していました。

課題の共通性の欄に、「審査官は、請求項に係る発明とは別の課題を有する引用発明に基づき、主引 用発明から出発して請求項に係る発明とは別の思考過程による論理付けを試みることもできる。試行錯誤の結果の発見に基づく発明等、請求項に係る発明 の課題が把握できない場合も同様である。」と記載されていますが、
以前は、「別の課題を有する引用発明に基づいた場合であっても、・・・論理づけられたときは、課題の相違にかかわらず、請求項に係る発明の進歩性を否定することができる。」と規定されていました。

「容易想到性の有無を客観的に判断するためには、当該発明の特徴点を的確に把握すること、すなわち、当該発明が目的とする課題を的確に把握することが必要不可欠である。」との判決(平成20年(行ケ)100096号)を契機としているとのこと。

さらに、その判決では、「当該発明が容易想到であると判断するためには、先行技術の内容の検討に当たっても、当該発明の特徴点に到達できる試みをしたであろうという推測が成り立つのみでは十分でなく、当該発明の特徴点に到達するためにしたはずであるという示唆等が存在することが必要であるというべきであるのは当然である。」と判示しています。

以上、備忘録として。