知財、何でもカンでも

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攻撃は最大の防御

2010-07-21 18:04:04 | 特許実務

お客様からの相談で多いのは、他社特許対応。他社所有の特許あるいは他社特許出願がこのまま特許になったとしたら、当社製品は侵害することになるかどうか、侵害だとすると回避策はあるか、また、他社所有の特許あるいは他社特許出願は無効又は拒絶になるかどうか、といったところです。今日もそのような相談が2件ありました。簡単な技術であればあるほど、こちらにとっては脅威です。侵害回避策も難しくなります。
長い検討の末に、どちらからとなく言うセリフとして、「結局、出したモン勝ちですね」。
まさにその通りです。後手の対応は、他社特許公報を読み込み、また中間書類とその引例を読み込んで、特許の外延をおぼろげに掴み、その上で自社製品と対比し、それと並行して、なんとかつぶせる資料はないかと、特許調査、文献調査を行い、場合によっては外国文献にまで手を広げることが求められる。相当な労力です。
逆の見方をすれば、出願するということは、周囲にこのような労力を強いることになるわけで、競争相手を消極的で受け身の状態に押し込んでしまうことになります。攻撃(出願)は最大の防御なり、とはこのことですね。


早期審査

2010-07-14 09:37:26 | 特許実務

当事務所では比較的多くの早期審査案件があります。その場合、決まって面接の希望も出しています。ところが、特許庁側から面接の打診もなく拒絶理由通知が発行されてしまった案件が続きました。その旨、面接担当の方に苦情を言ったことがあります。
最近では、審査官から、こういう趣旨で拒絶理由通知を発行するので、そのような対応をすれば、特に面接するには及ばないとか、本件はこれで特許査定する、といった電話があります。審査官も面接の要望に一つ一つ応えていくのは大変なんだろうと思います。電話等で事足りるのなら、それで済ませた方がお互いに合理的です。そのためか、最近、審査官からの電話が多くあります。こちらも電話の際に、いろいろ質問などすることで、審査官の考え方等を把握することができるため、以降の実務にも役立ちます。
だからということだけではない(早期審査するような案件はそもそも特許になる発明が多い)でしょうが、当事務所の早期審査案件は特許率が非常に高いです。


特許図面

2010-07-07 08:36:11 | 特許実務

当事務所は機械系の案件が多いので、ほとんどの明細書に図面が添付されます。
この図面の作成にはJW-CADを使っています。このソフト、とても優れ物で、大変重宝しています。以前勤めていた事務所は、図面専門のスタッフがいましたので、自分では、下図としてラフに図面を書くだけでしたが、当事務所では、明細書を書く人が図面もすべてCADで書いています。現実には、当事務所に図面専門のスタッフを雇えるだけの余裕がないのですが…。
当事務所のスタッフは、所長の私以外は、企業勤務時代からCADソフトを扱っていましたので、何の抵抗もなくJW-CADを操作しています。私の企業勤務時代は図面は手書きでしたので、知らない機能も多く、若いスタッフに教えてもらいながら図面を書いています。
機械屋は図面に凝りたがる傾向にありますので、専門の人に任せる場合に比べて、明細書1件の効率は良くないだろうと思います。でも、明細書作成者が図面を書いた方が、明細書の意図に沿った図面に仕上がると思います。別の言い方をすれば、発明を発明らしく表現できると思います。目は口ほどに物を言う、と言います。思いのこもった図面は、文章以上に表現力があります。特許査定率のupにつなげられれば、と思います。