東京猫暮らし

東京在住の40代自由業男と2匹の猫とののどかな日常

夢見る猫

2007-10-08 14:27:46 | 
今年の夏はなんとも暑かった。そのせいか、どうにもこうにも寝つけなく、寝不足の日も多かった。根っからの夜型人間の私は、深夜の仕事も珍しくなく、夜が明けてきた頃、ベッドに入ることも多い。既にその時、ベッドの上で、のびのび寝ているのが、うちの二匹の猫である。
 一匹は、ベッドサイドのライトの下に横向きで、すやすやと。もう一匹は、足元の中央付近に丸くなって。しかし、今年の夏はよほど暑いのか、二匹共、体を大きく伸ばして、目一杯ベッドを占領するので、私の寝る場所がない。そこで、熟睡している彼らを、それぞれ足元か下のフローリングに移動させ、寝場所を確保する。
ある日、仕事を終え寝室に入った時、声がした。それはしゃべる様な、泣くような声だった。見ると、小さく暗い寝室の明かりの下で寝ていた雌猫の方が、両手で顔を隠して、ちょっと震えて寝言を言っていた。夢でも見ているのか。なんとも愛らしい。人間の女性でも、こんな愛らしい寝顔、寝言は見せないし、言わないだろう。まあ、かつてはそんな場面も少しはあったが。遠い昔だ。
 自分自身、あまり夢をみなくなった、と思う。そのかわり、今の毎日が夢の中のような気さえする。どこか、現実感のない40代このごろである。