職場の玄関で毎朝会う掃除のおっちゃんがいる。おっちゃんはパートで昼前になると帰ってしまうので、会えるのは朝だけだ。しかもすれ違いざまのわずかな時間。
最初はおっちゃんの方から声をかけて来た。「おはよう!」『おはようございます』、出会ってしばらくの間は、ただ挨拶をするだけの会話。そのうち話をするようになった。話と言っても、日曜の競馬の結果やその日の天気など他愛のないものだ。
いつの日からか、どちらが先に「おはよう」を言うか競い合うようになった。先に言えた方が「今日はおれが先に言った!」みたいな感じでニヤッとする。先に言うのは圧倒的におっちゃんの方で、私はだいぶ負け越している。
ある日からおっちゃんの姿を見なくなった。風邪でもひいたんだろうと思っていたが、1週間経っても出勤して来ない。辞めてしまったのかと気になって、おっちゃんの代わりに出勤している人に尋ねてみた。
「亡くなりはったよ」
ガンだったそうだ。全く知らなかった。
“どちらが先に「おはよう」を言うか!?”の勝負は、おっちゃんの圧倒的な勝ち越しで決着してしまった。
もっと勝負したかったのに、おっちゃん勝ち逃げはずるいで・・・。
最初はおっちゃんの方から声をかけて来た。「おはよう!」『おはようございます』、出会ってしばらくの間は、ただ挨拶をするだけの会話。そのうち話をするようになった。話と言っても、日曜の競馬の結果やその日の天気など他愛のないものだ。
いつの日からか、どちらが先に「おはよう」を言うか競い合うようになった。先に言えた方が「今日はおれが先に言った!」みたいな感じでニヤッとする。先に言うのは圧倒的におっちゃんの方で、私はだいぶ負け越している。
ある日からおっちゃんの姿を見なくなった。風邪でもひいたんだろうと思っていたが、1週間経っても出勤して来ない。辞めてしまったのかと気になって、おっちゃんの代わりに出勤している人に尋ねてみた。
「亡くなりはったよ」
ガンだったそうだ。全く知らなかった。
“どちらが先に「おはよう」を言うか!?”の勝負は、おっちゃんの圧倒的な勝ち越しで決着してしまった。
もっと勝負したかったのに、おっちゃん勝ち逃げはずるいで・・・。