◆「国際連帯税」東京シンポジウム開催の意義
『国際連帯税』東京シンポジウム2008」は、22日に専門家会合、23日にシンポジウムの2日間にわたって開催されました。今回のシンポジウムの意義は、日本においてもようやく本格的に国際連帯税に関する議論がはじまったことです。
議論は、NGO・市民・会社員、研究者、労働組合、学生など市民セクターの人たち、これに日本政府(外務省、財務省、環境省)や超党派の国際連帯税創設を求める議員連盟の国会議員のみなさんの参加で行われました。政府関係者からかなり率直な意見、そして前向きな意見が出されたことも印象的でした。
◆2日間の全体像
個々のスピーカーの発言を報告する前に、2日間の全体像を報告します。
1)22日「専門家会合」
専門家会合は、午前10時30分から午後5時まで、青山学院大学で開かれ、財務省からの3人を含む政府関係者、NGO・研究者、労働組合、そしてマスメディアなど総勢40人ほどの参加がありました。プログラムは次の通りでした。
<第1セッション:国際連帯税をとりまく現状について>
*司会:金子文夫(横浜市立大学国際総合科学部教授)
*日本政府からの報告と討論
・外務省:連帯税に関するリーディング・グループ加盟とギニア総会報告
…植野篤志(国際協力局多国間協力課長)
・財務省:通貨取引開発税(CTDL)の課題
…永長正士(審議官(国際局・主税局・大臣官房担当))
・環境省:国連気候変動枠組み条約AWGでの資金メカニズム議論と地球環境税
…上田健二(地球環境局総務課課長補佐)
*討論
<第2セッション:各連帯税・資金メカニズムに関する提言>
*司会:小林尚朗 明治大学商学部准教授
・通貨取引税・ベルギー法案を中心に
…田中徹二 オルタモンド事務局長/三木義一 立命館大学法科大学院教授
・国際航空券税…金子 宏(東京大学名誉教授)
・炭素税/環境税に関する国内・国際動向
…足立治郎(「環境・持続社会」研究センター事務局長)
・その他(違法な資本フロー問題、国際フロン税など)
*討論
<第3セッション:総括とまとめ>
*司会:上村雄彦 千葉大学地球福祉研究センター准教授
…ガバナンス紹介(航空券税→UNITAID、国際炭素税→…機構等)
2)23日「シンポジウム」
シンポジウムは、午前10時30分から午後4時40分まで、東京税理士会館大会議室で開かれ、150人の参加がありました。プログラムは次の通りでした。
*総合司会:末吉里花 フリーアナウンサー
*開会挨拶:三木義一 立命館大学法科大学院教授
<セッション1 基調講演とディスカッション>
*基調講演:寺島実郎 (財)日本総合研究所会長(株)三井物産戦略研究所所長
講演テーマ:「金融資本主義の崩壊と国際連帯税」
*討論
<セッション2 専門家会合報告とパネル・ディスカッション「国際連帯税はなぜ必要か?」>
*国際連帯税創設を求める議員連盟からの挨拶
林 芳正 国際連帯税創設を求める議員連盟幹事長・参議院議員
*パネル・ディスカッション
・モデレーター:上村雄彦 千葉大学地球福祉研究センター准教授
・パネリスト:
金子文夫 横浜市立大学国際総合科学部教授
…国際連帯税と金融危機
稲場雅紀 アフリカ日本協議会・国際保健分野プログラム・ディレクター
…国際保健と革新的資金メカニズム
植田和弘 京都大学経済学部・大学院経済学研究科教授、地球環境学堂
…地球環境税と国際連帯
犬塚直史 国際連帯税創設を求める議員連盟事務局長・参議院議員
…国際連帯税創設を求める議員連盟の理念
・政府コメント
外務省:大江 博 地球規模課題審議官
環境省:木村祐二 地球環境局総務課長
*討論
<セッション3 国際連帯税の実現に向けたアピール>
*国際連帯税推進市民委員会(仮称)設立に向けてのアピール
閉会のあいさつ:田中徹二 オルタモンド事務局長
【以下、続く】