こうして一子との関係も
修復して2007年5月のこと
になった。
「ほんなんけ??うん!!」
希の携帯に一子から電話があった。
村へ帰るという。
よかった、おばちゃんたち
よろこぶよと希は嬉しくいった。
一子村へ帰るってと
藍子と徹に言うと
みんなよろこんだ。
あの対決イベントから
半年、一子はやっと村へ
かえることになった。
藍子はいよいよ横浜への引っ越し
の準備となった。
部屋探しも始まった。
家族三人で横浜で暮らすことに
なるはずの希でこざいましたが・・
大吾がいう。
「よし、休憩に入るぞ。
紺谷、箱にしまっておけ」
とケーキを箱にしまうようにいう。
「はい!!」
「それからおまえ
フランスへ行って来い」
「はい!!」
「フランス???」
浅井が聞く。
希は怪訝な顔で
大吾に振り向いた。
大吾は希にフランスへ行って修業を
してこいというのだった。
理由は、センスがない!!
子供の粘土細工か!!
と、希はケーキの
デザインのセンスを疑われて
いるのだった。
希は舞い上がった。
フランス
・・♪
フランス・・・ああ、フランス~~~
「勉強してこいやと
お店も
紹介してくれるんや」と・・・
藍子も喜んだ。
「夢みたいや~~
フランスで修業なんて。
みてまこれ!1
レセ モア レセイエ!!!
フランス語でもう一度チャンスを
下さい。
うち絶対失敗するやろ?
だから大事な言葉だけはしっかり
覚えておかないと。
ちょっと待ってください
必ずやります
もう一度チャンスを下さい!!」
「もうすでにそんなことも考えて
いるのか」と藍子は呆れる。
が、「圭太君は?」と聞かれて
希は
ハッとして電話を
したが・・・
圭太は出ない・・・・・。
「なにかな?」と不安になる希だった。
そのころはるさんの店に
一子が現れた。
「ただいま
ただいまもどりました・・・」
と一子が店の外で
練習をしていると
マキが一子を呼び込んだ。
浩一は喜んだが
はるさんは、「無理に帰って
こなくていもいい」という。
「親をだまして、みんなに心配をかけ
させて何年も帰ってこなかった
くせに。」
浩一は「いいではないかと
ゆっくり休め」という。
一子は母を見ると
はるさんはにらんでいた。
「ごめんなさい
おかあさん、お父さん
マキちゃんも心配かけて
ほんとうにごめんなさい
うち・・
ずっと不公平やと思っていた
東京で生まれた人は
なんでもちかくにあって
うちだって
東京へ行けば
キラキラできると
思っていた。
ここでキラキラできないと
どこへいってもできないね。」
浩一は「一子はキラキラしている
よ」という。
「あんたの目にきらきら見えるのは
あたりまえ。父親だから。」とはるさん。
「それでいいのけ?
あきらめたのけ?
何がキラキラなのか
さっぱりわからないけど。
だったらキラキラできるまで
東京でねばるまし。
いつかきっと
キラキラが見えてくるから」と
はるさんは励ました。
一子は泣いた。
「もう一度行く、東京へ。」
「ご飯食べるけ?
ごちそうはないよ。
田舎だからね。」
「食べる。」
「はぁ・・
おかえり・・」
はるさんはそういって涙を
ふいて二階へ上がった。
「ただ今!!」
一子は言った。
浩一にも
「ただいま」と
いった。
あの時会場で流れた
DVDをみて
一子はみのりと洋一郎と一徹の
家で話をした。
「もう一度、東京へ行くから。」
みのりは「さみしいけど
しかたないね。」
という。
洋一郎は「好きだと言ったのに
その答えは?」と聞く。
「あんたと私は
幼馴染だよ。
くっつくなど
ありえないわ!!」
「そういえば姉ちゃん、フランスへ
いくって。」と一徹。
一子は「フランスへ」といって
「どこまで先に行くつもりなのか」と
DVDの画面の希に文句を言った。
横浜では圭太とやっと携帯が
つながったことに希は
喜んだ。
つかれているみたいだった。
何かあったのかと聞く。
相談があるのだけどというが
そこへ圭太に別件の電話が入った。
「またあとで」といって
圭太は電話を切った。
希のフランス行きは
みんなの注目となった。
が、
まだ圭太に話をしていないことが
問題だった。
天中殺ではその話しにもちきり
だった。
大吾は張り切って
フランスへ
電話をしているらしい。
「弥太郎さんも電話に出ない」と藍子は
いう。
が、テレビをつけた藍子は
びっくりした。
あの詐欺師の安西が
逮捕されたという
ニュースだった。
希も驚いた。
昔能登に来て
さんざん、悪いことをした人だ
ったからだ・・・。
皆がそのことで注目
するなか
徹は青ざめていた。
****************
希に難題がふりかかって
きます。
パティシエの道をまっしぐら
に進めるのでしょうか。
圭太のこともなにかあります。
しかし
徹もなにかあるようです。
一子は元気になりました。
ふるさとは
遠くにありて思うもの・・
といいますが
ふるさとをもっていると
いいものですよ。
わたしも持っています。
オーエル時代
盆と正月には
帰りました。
かえっても誰もいないのだ
けどね。
家の管理に帰っていました。
ほこりくさい
かびくさい
家を空けて
掃除をして
食べ物がないので
水はあるし
電気もあるけど
カセットコンロをつかって
珈琲を入れて
パンを食べて。
なんだか味気ない
なと思っていたけど
今思えば
楽しい思い出です・・・。
ご近所の人にあったり
なつかしい街中を歩いたり。
すごく
癒されました。
そして、元気になって
また、帰って行くのです。
故郷なんてと思って
いましたが・・・
あれはあれで、幸せだった
んだなと思います。