山口県光市の母子殺害事件
で、殺人などの罪に問われ、最高裁が1、2審の無期懲役の判決を破棄した元会社員の男性被告(26)=事件当時(18)=に対する差し戻し控訴審の第3回公判が27日午前、広島高裁(楢崎康英裁判長)で始まった。
少年の犯罪に死刑の宣告をするかどうか、が注目された。むざむざと愛する妻とかわいい子供を理不尽にも殺された本村さんにとって、死刑でなくてはならないことである。
この裁判での被告人質問を読んで、どうなっているのと思った。
ポケットに手を入れたらひもがあった。それで赤ちゃんの首を絞めたらしいが、被告人は覚えがないという。死んだ赤ちゃんを天袋にいれたことは、押入れに入れればドラエモンが何とかしてくれると思ったという。
弥生さんについては、死んだにもかかわらずなぜ、乱暴をしたのかという質問には、山田風太郎の「魔界転生」に復活に儀式があって、死体に精液を注入すると、生き返るとかいてあったらしい。(ーー゛)だから、乱暴したという。
本村宅を出るときもってでたものは、というの問いに、粘着テープと、ペンチとスプレーだったと答えた。が、粘着テープと思ってたのは弥生さんの財布だった。明らかに窃盗である。
被告人は弥生さんと夕夏ちゃんを殺害したのは、成り行きと主張し、殺意はないとしている。
検察官が、再度上申書の内容を質問すると 法廷で話したことが真実と答えた。具体的に答えるよう促すと、覚えていないという。
裁判官は、弥生さんを生き返らせようと乱暴した後、生き返ったかどうか、脈を見たのかと質問すると、いいえと答える。
魔界転生は単行本か文庫本か?と聞くと、覚えてないという。自分で買って読んだのかと聞くと、また覚えていないという。
これで、何が分かるというのだろうか?
殺した弥生さんをお母さんと思って、抱きついたら、抵抗されたこと。抵抗されたので拒否されたと思って、悲しくなって殺したというのは、やはり、自己中心的な自分勝手な犯行である。どう言い訳しても、殺人罪である。たとえ、少年であっても、殺人罪なのである。
裁判というのはこうした、質問と答えのやり取りの積み重ねもあるのだろう。もちろんその前に、検察側、弁護人側の主張も証拠物件の提出や、証人の尋問もある。
時間・・・かかりますね・・・。富山で起った警察によるでっち上げらしい冤罪などはあってはならないものだが、こちらの場合、はっきり殺人事件であることがわかっている。
であれば、その時の被告人の精神状態がどうのとか、動機がどうのとか、大切なことだが、裁判に時間がかかれば、作り話を作ってでっちあげて罪を軽くすることも考えられる。
この裁判・・・長すぎである。
裁判員制度はいかなるものかいまだにイメージができないが。
アメリカの映画であるような陪審員制度でもって想像するに、もしわたしが陪審員であれば、少年といえども、性的欲求を満たすために家に押し入り、奥さんと赤ちゃんを殺したことは、はっきりしている。
精神鑑定など、判決の後のことであってもいいのではないだろうか。これほどはっきりした事件であるなら、少年であっても、死刑の宣告はあってもかまわないと判断する。シロート故の短絡的な結論であるが、話ははっきりしているのだ。
===犯人による言い逃れとは~マンガデスノートから感じたこと===
講談社 少年ジャンプ連載の「デスノート」の最終章で、ニアは、夜神月をキラと判定した。そのわけをとうとうと説明する。証拠もつきつけ、これ以上逃げる道がないほど夜神月を追い詰めた。
「言い逃れられるのなら 言い逃れて見せてください」と、ニアのことば。
夜神月・・・全国模試常にトップ。けた外れて優秀な頭脳と冷静な精神を持った青年は、その瞬間、狂ったように笑った。
そしていった。「そうだ、僕がキラだ。ならば どうする。ここで殺すか?そうだ
僕はキラだ、そして・・・・新世界の神だ」「今の世界ではキラが法でありキラが正義だ」
キラが現れて、戦争がなくなり犯罪が減ったことを上げた。そして世界はキラの存在を認めていることを主張した。デスノートを手にしたときから、世界を変えることに着手したことを功績として訴えた。誰も出来ないことだ、夜神月にしかできないことだと、自分の神格性を主張するその演説は、まさに、独裁者キラであり、神であることを錯覚させるくだりでもある。
ニアは、みじろぎもせずそれを聞いている。
「お前が今目の前にしているのは、キラだが、新世界の神だ」と叫んだ。
ニアはそれに答えた。
「いいえ あなたは ただの 人殺しです。そしてこのノートは史上最悪の殺人兵器です。あなたがまともな人間だったら、一度は興味本位でこのノートを使ってしまったとしても、ノートによって起きたことに驚き、恐れ、してしまったことを悔やみ二度とノートは使わないはず。極端な話、私利私欲のために使い何人か殺してしまう人間の方がまだ私は理解できますし、まともだとさえ思います。あなたは死神やノートの力に負け神になろうなどと勘違いをしているクレイジーな大量殺人犯 ただそれだけの 何ものでもありません・・・。」(「」内ジャンプコミックス「デスノート」第12巻から引用)
ニアの冷静な一撃である。デスノートで世界が良くなろうとも、殺人は殺人だと言い切る現実味のある判断力に、一度はライトの理想的な世界の神の話を そうかなぁ~~~と傾きかけていても、正義とは何かの原点に引き戻される。
裁判はこのような解りやすい正義であって欲しい。
また裁判員制度は、それをめざしているのかもしれないが、国民にとって、責任の重い制度でもある。