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大善人へ身魂磨き

釣鐘伝説


福岡で大変気に入りました織幡神社に釣鐘伝説があったことから、釣鐘伝説について面白い伝承がありましたのでご紹介します。



鳥取にある浄土宗の本願寺にまつわるとされる不思議な鐘の話です。

天正年間(1573-1592年)の頃、和田五郎右衛門範元という浪人が、塩俵を馬に乗せて伏野の浜を歩いていた時のこと。

突然海中から女が姿を現した。女は小さな鐘を小脇に抱えており、これを本願寺に届けて欲しいと頼んだ。

範元が断ると、女は重ねて「私はこの下の龍宮に住む者だが、本願寺の阿弥陀仏が海の中におられた時に魚や貝にまで慈悲を施していただいた。そのお礼として鐘を差し上げたいのだ」と言う。

それを聞いた範元は深く感ずるところがあって、本願寺へ鐘を届けると約束した。そして寺へ持参したところ、小さな鐘は見る間に大きくなって巨大な梵鐘に変わったのである。

このような不思議から、この鐘は“龍宮の釣鐘”と呼ばれ寺宝となった。そして海からやって来た証拠として、鐘には鮑がくっついているという。

釣鐘は平安時代前期に造られた希少なものであるとされ、国の重要文化財に指定されている。



また昔から鐘にはひびが入っていて鳴らせないが、それを撞くと大水が起こると伝えられ、別名“鳴らずの鐘”とも言われている。

本願寺の山門は龍宮門であり、上部が鐘楼となっているが、現在は鐘はそこにはなく、鳥取市歴史博物館やまびこ館に展示されている。




遠江(静岡県)の地にも「役行者」と釣鐘にまつわるお話しも紹介します。

さても今は昔 原田の郷の長福寺。それまで務めておられたお師さんが遷化されてかわりの新しいお師さんが来られてどれほど経った頃、ある日 ひとりの老爺が寺を訪ねてこられてなそれはもう みすぼらしい出で立ちで満足に食うものも食うておらんのか腕も足も棒っキレのようにやせ衰えて見えたが、不思議と顔色はよろしく その声も澄んで力もこもっておったというな。


「誠にあいすまぬが・・」 

老爺は申し出た。


「大和国は大峯まで参ろうと行脚の途中 路銀が尽きてしもうた」
「いくらか恵んで下さらぬか・・」


お師さん、その時 客人を迎えて大好きな囲碁を差しておったのだが・・。


「カネか・・ ここは見ての通り貧乏寺、カネと名の付くものはホレ、そこな鐘楼の鐘くらいなものじゃ、それで良ければ持ってゆけ」


このお師さん、人は悪うないのだが少々粗忽なところがあって時折物言いが宜しくないそれとも大好きな囲碁の邪魔をされたとでも思うたのかの。


ところが 思いも寄らぬ返事が返ってきた
「そうか、それではもらってゆくぞ」
何を言うとるのか? と訝しがって振り向いたお師さんと客人、
そこに とんでもないものを見たわ
五十人かかってもビクともしなさそうな鐘を老爺、たったひとりで軽々と楼から外し その細い肩にからげているではないか・・
「・・・」


あまりの事に声も出せんと それでも口はポッカリ開いたまま・・

そのうち 一陣の風が舞ったかと思うと見るまに渦を巻き ブォンブォンと鐘を響かせながら鐘と老爺は浮き上がり やがて空高く飛び去ってしもうた・・


ハッと気が付いた時は既に鐘楼はただの雨宿り場と化しておった
あわてて後を追うたが鐘と老爺は空の彼方、はるか西の山の方へ消えていった・・・

その日の晩のこと、遠江から五十里はあろうかという大和国大峯の郷に強い風が吹いた。


まるで嵐の如く この季節に如何なることかと郷の者たちも恐れ 家から出んかった
翌朝、風も治まりお天道様も顔を出され、皆、昨夜の風はあれは何じゃったのかと口々に話しておったが、その時、ひとりの村人が血相変えて叫んだそうな。

「おい! ありゃぁ何じゃ!?」
指差す方を見ると 山の頂、絶壁の岩の上に何か大きなものが引っ掛かっておる
何じゃ何じゃと皆で見に行ってみると 何とお寺の大きな鐘ではないか・・


こんなもん何処から飛んできたんじゃ? どうやって飛んできたんじゃ?
皆であれこれ話しておったが埒が開かん
そのうち ただひとり字を読めるもんが鐘に刻まれた銘を見つけたんだと





【遠江国佐野郡原田郷 長福寺鐘天慶七年六月二日】

そう書かれておったそうな・・・

龍宮、沈んだ鐘。逆さまの鐘。役小角の釣鐘、飛ぶ釣鐘、


釣鐘の頭は龍頭というだけに、






何か龍にかかわる暗示があるかもなんて考えるとロマンは広がりますね。


釣鐘の内部の空間は、胸の奥にいます無形の神さまが坐っている姿に感じています。☺️



寺で鐘を撞いたり、見たりすることがあれば、こんな話を思い出すと面白いかもです。



【画像は全てお借りしました】



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