Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

旅立ちの美術

2021年05月07日 05時16分00秒 | 美術館・博物館etc.

★静嘉堂文庫美術館 サイト
『旅立ちの美術 “Departure” in Arts 行くぞ、丸の内!―移転前、最後の展覧会』
 ※6月6日(日)まで 緊急事態宣言解除まで休館

複雑な気持ちだ。

私の住むところから、二子玉川はとても遠い。
ほんと、わざわざ感が強い立地にある。
この日も寄り道したかったとはいえ、自由が丘から歩いて行った。

だから、丸の内に移転してくれると助かる。

でも、淋しい。

この坂道を登る時のワクワク感は独特のものがあったから。
ここへ来るのは楽しみでもあった。
絶対に勉強になる有意義なものをくれた。
期待を裏切らない内容だった。

 

この風景も見納めたかぁ。

訪れたのは先月24日の土曜日の朝。

前夜、緊急事態宣言が翌25日から敷かれることが会見で発表になった。
「東京都内の私設の美術館も休館するかも~」と思って、急遽行くことにした。

思えば前回も1年前の2月末で、美術館が休館になりそうな雰囲気があって、慌てて行った。
そして、その直後に休館になってしまい、ギリギリセーフだったっけ。

そんなことを思い出しながら、9:20に到着してしまった。
いい気候だったし、40分待つのも苦ではなかった。(2番目に並べたし)

むしろ、驚いたのは開館前30分を切ったあたりからどんどん増えだした待ち行列。
10時に振り返った時は坂の方へ列は伸びていた。

休館前の駆け込みということもあり、館長さんの講演会の整理券が先着70名だけに配布ということもあったためかも。

最初、私は講演会を聴く気はなかったのだけど、あまりの人の多さに「最後だし、聴いてみよう」と整理券をもらってしまった。

展覧会は静嘉堂文庫を代表するコレクションがずらり。

やはり茶道具に注目してしまう。

唐物茄子茶入の付藻茄子と松本茄子、稲葉天目、黒楽茶碗「紙屋黒」など何度も観た名品に見入ってしまった。
国宝7点も目録でいちいち確認しながら、鑑賞。

もっとも、日本刀なんてよくわからなかったけど。
俵屋宗達の源氏物語絵屏風は以前も、解説付きで見たっけなぁと思い出した。

一回りして、眺めのよいところで一休み。

 写真ではわかりずらいけど、富士山が見えた。

面白かったのは過去の展覧会ポスターが縮小されて柱4面に貼られていた。 

私が初めて訪れたのは2004年の茶の湯釜の展覧会だったけど、展示解説も聴けてとても勉強になった。
茶道具の名品を鑑賞する楽しさを知るキッカケの一つになったなぁ。

青磁の展覧会とか、竹の茶道具の展覧会とか、本当に勉強させてもらった。

そんなことを考えているうちに講演会の時間。
整理番号順で入室できたので、席も前方に座れた。

テーマは日中絵画。
館長が選んだベストテンの絵画は宗達以外は知らないものばかりだったので、
鑑賞のポイントがわかって面白かった。

煎茶道具の陶工としか認識がなかった青木木米も絵を描いていたんだぁ。
それで木屋の八十八さんだから木米。「青木」はいらないんだぁ。
とか、初めて知ることもあった。

そんなんで、10時に入って13時くらいまで滞在。

講演会のあと、再度展示室へ。
講演会で紹介された作品を再度見直した。

グッズコーナーで歴代ポスターをWクリアファイルにしたものがあったので、迷わず購入。

入館制限も出ていてね、申し訳ないと思いつつ長居をしてしまった。

館を出て坂を下った。待ち行列は坂の下にまで及んでいて、ビックリした。

美術館のある岡本から自由が丘まで歩いた。
かつて、逆のコースで歩いた時に途中で道に迷って彷徨してしまった。

今回は迷いかけたけど、どうにか最短かつ負担の少ないルートで自由が丘駅まで辿りつけた。

よし、次回はもっと最短で!と思いかけて、ハタと気がついた。
もう、歩く必要なないのだと。

やはり、淋しいなぁと思った。

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