Akatsuki庵

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滴翠美術館の名品展2020

2020年09月23日 13時46分24秒 | 美術館・博物館etc.

★滴翠美術館 サイト 
 秋季展『名品展2020』 ※12月13日(日)まで

今年は滴翠翁(山口吉兵衛)の没後70年ということで、追善名品展を開催、とのこと。

最初に観たのは祥瑞州浜茶碗。文様の精緻なこと!
高麗青磁茶碗はデザインが珍しい。銘が「霊照女」。表面の突起(?)の具合、色合ともに竹籠を意識した(?)意匠。
だから「霊照女」。←籠花入にこの銘がつけられることが多い。由来は知っているけど、ココでは書かない。

長次郎の赤楽茶碗「勾当」。楽美術館の長次郎の黒楽茶碗「勾当」あるよねぇ。

光悦の黒楽茶碗「本法寺」。本法寺に入った孫(日允上人)に贈った茶碗だそうで。

仁清の飴釉白帆文茶碗。飴釉薬の中に白釉薬に描かれた帆船がいい。

利休筆の剣仲宛の消息「面白の歌入」。利休さんにしては筆跡が細いなぁ。。。と首をかしげてしまった。
利休の消息はもう1服出ていて、こちらは後半部分のみ。細かい指示書の内容。利休様がリアルに伝わってくる。

江月宗玩の書「一花開五葉」。「花」は漢字ではなく松花堂昭乗が描いた蓮の花。
以前に鑑賞した時も「いいなぁ」と思った。

修学院焼の冠形大耳付水指。何度も拝見したけど、雅だなぁ。
よそで仁清のこんな感じの水指を拝見したことあるけど、やはり作陶の時期も重なっているから、修学院焼への指導や助言もあったのかもね。
修学院焼の砂金袋水指もみて、なおさら想像が膨らませてしまう。

書では普明院宮筆の「寿」が印象に残った。
後水尾天皇の第八皇女で88歳を迎えた際の霊元天皇の宸翰(折句歌一首」も都内に並んでいて、「おぉ~」と思った。

初期の京焼という色絵水引花入。熨斗の形にしたリアルさが味わい深い。
同じく初期京焼による色絵冊子形花入。これも実物大の冊子本を再現したリアルさ面白い。
そういえば、仁清の作品にも錠前をリアル再現した花入とかあったっけ。
初期京焼もまた、仁清活躍の時代と被ってる。影響を受けたとか、影響を与えたことは当然あったのだろうなぁ。

トーハクでよくみかけるのと同じフォルムの仁清作 色絵菊水図水指もよかった。

中央のケースには仁清茶入がいっぱい。色絵鱗波文肩衝き茶入、茶釉四方茶入れ、のっぽな黒釉金彩肩衝茶例「しらね」

あと、仁清の結文香合もよかった。仁阿弥道八の七福神香合もほんと、道八らしてく、かわいくで楽しい七福神でよかった。

印象に残ったものを書き並べてみたけれど、ここにこんなにリピートしているのは
ここに来れば江戸初期の京都において繰り広げられたお公家さんの茶道の優美な世界が満喫できるから。

きっと、滴翠翁もこの頃の茶道具がとってもお好きだったから、コレクションしたのだろうなぁ。

滞在時間は短い、ちょっと別世界に浸れるところが好き。

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