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Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

名残の茶事

2008年11月04日 01時06分07秒 | 茶会/茶事
 約7ヶ月ぶりの茶事参会。
 今回は藁灰が主役の名残の茶事。

 初めて見る藁灰。
 御亭主が丹精込めて上げられた藁は本当に見事なもの。
 たまたま、お詰から数えて3人めになった。
 席入りの際、点前座での拝見が長くなる。
 欠風炉(やつれぶろ)も立派で貫禄あった。

 お軸も『昨夜一声雁』(だったかな?)
 最近は雁の渡りなんて見る機会もないけどね。
 そうなんだ、今の時季なんだ。
 と、頭の中で雁の群れの渡りを想像した。

 “名残”の趣向ということで、寄付の汲み出し、懐石の向付、煮物椀…
 この1年を振り返るように、一人ひとりに違うものが出された。
 
 あ、そうか。
 開炉は茶の湯の“お正月”だもの。
 その直前の名残の時季は“暮れ”になるのかぁ。
 と、これまた体験して初めて気がついた。

 ここでの茶事も4回めになる。
 でも、風炉の茶事は初体験。
 社中稽古で身に付いた事もあり、戸惑いはなかった。

 また、茶事の所作稽古で習ったことを初めて実践する機会でもあった。
 露地での歩くタイミング、席入りでの動き。
 一緒に稽古しているメンバーということもあってか、息を合わせて~という感じ。

 懐石料理のいただき方も慣れてきた。
 自宅でせっせと懐紙をくしゃくしゃして広げて小さく畳み直したのを15枚用意。
 ジプロックも袖の下にちゃんとセットしたし~。
 用意はバッチリ。

 初めての頃は順番ばかり気になって、料理を味わう余裕もなかったなぁ。
 今回はしっかり味わい、お酒もせっせと飲むゆとりがあった。

 初炭も順調。
 ただ、座った位置からだと亭主の後姿しか見えない。
 香を入れる際、なぜか時間がかかる。
 カサカサ~。と音が聞こえる。

 へ? 何の音?
 香合が拝見に回って来て、やっとわかった。

 なんと、ホンモノのほおずきと乾燥させたものだった。

 す、すごい。

 続いて、主菓子が取り回される。
 この前の稽古のお題目は「お菓子のいただき方」だったらしい。
 でも、早退しちゃったから~。
 前のお客様の所作を観察して対応。

 藤田喬平さん作のガラスの見事な大皿。
 美術館にもないほど大ぶり。
 水面に浮かぶ紅葉をイメージ?

 中立ちあって、後入り。
 (露地草履は歩きにくいし、滑るし、飛び石は歩きにくい。
  行灯の光をたよりに歩くのはタイヘン!)

 茶花も真っ赤な枝もの、野菊、ホトトギスなど5種。
 花入も網代。壁に花の陰が長~く写ってるのがステキ。

 濃茶もいただき、いよいよメインイベントの後炭。
 楽しみな、楽しみな風炉中の拝見へ。

 均等に揃った藁がキッチリ並べられて、真っ黒な灰形。
 真ん中に炭。火の色が映えて本当に美しかったなぁ。
 
 薄茶の頃になると、もう足が限界。
 足を組み替えながら、そわそわ。
 (稽古の時、「薄茶は粘る点前はしない!」と注意される意味がよっくわかった)
 そして、余韻たっぷりに退室。

 とても貴重な経験だった。

 予め「徹底的に侘びているから、それを見てね」と先生から云われた。
 確かに、「侘びとはこういうことかぁ」ということを教えてもらった感じ。

 また、出てくる道具は何なのか、見極める楽しみも☆


 向付が時代物と思われる見事な染付だった。
 今年は美術館で磁器をたくさん見たから、見事さがわかる。
 展示されてるところを見るだけでなく、実際に使わせていただける喜び。

 茶入も「たぶん。。。」と思ったら、ビンゴ!
 主茶碗は難しかったなぁ。
 薄茶席に出た茶碗も、暗い中で見たので難しい。
 “答え”を聞いて、ナルホド!とナットクできる面白み。

 今頑張ってることは、確実に身に付くことなんだなぁ。
 と、思えてきた、、、ような。
 ちょっぴり手応え。

 茶事って、とってもいいんだけど~。
 お小遣いが追いつかなくて、なかなか参会できない。
 やっぱ、年2回は経験積めるようにしたいナ。

 その前に、稽古も頑張らないとナ。
 ま、5年~10年計画で身に付ける予定なので、地道に努力したい。
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銀茶会

2008年10月27日 07時02分50秒 | 茶会/茶事
昨日の午後、銀座で毎年恒例の銀茶会が催された。
銀座一丁目から八丁目まで、中央通りと横に交差する通りの路上がお茶席に!
という茶の湯フリークにとっては魅力的なイベント。
2002年が最初で、大好評につき7年目の開催だそうだ。

今年も寄せていただいた。
もっとも、午前中はマジメに月1回の灰形の稽古へ。 ※参考

 ☆先月の稽古の折り、灰匙セットを教室へ忘れて帰ってしまった~
  しかも、1ヶ月間、それに全く気がつかない自分がいた~
 (ピアノの稽古じゃあるまいし、全く自宅で練習せず
 で、サボった後の結果がコレ↓


 午後の茶事稽古はパスして、銀座へ。
 14時過ぎに到着し、茶券引き換え場所へと急ぐ
 あれ?
 ここ2年ほどは銀茶目当ての人々が長~い行列を作っていたのに。
 今回は引き換え場所が脇道に引っ込んでしまったせいか、目立たない。
 列も長くない。
 で、2回並んで15時台を2枚ゲットできた。

 待ち時間の間はあちこち見学
 (晴海通りから北の裏千家席のみ。南まで行く元気なかった)
  
    
     
 坐忘齊お家元の白雲自去来」の短冊が印象的だった。
  (茶道の岐路に立つと、なぜか私の前に出てくるコトバ)
 
 銀座あけのぼ提供の主菓子も美味しい。茶碗もかわいい。
    

 今年も楽しませていただいた。

 【余談】
 友人2人は午前中、浜離宮の東京大茶会へ、午後から銀茶会を楽しんだそうだ。
 東京大茶会は前日に行って、仕切り面で心配な点もあったのだが、
 友人曰く「改善されてたよ」とのコト。
 さすが。
 午前午後合わせて計6席を楽しんだ由。
 すごーい 
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東京大茶会

2008年10月26日 00時46分27秒 | 茶会/茶事
東京大茶会 10月25日(土)、26日(日) 10:00-16:30
 ※会場浜離宮恩賜庭園
   茶席2席(芳梅亭、中島の御茶屋 茶券代500円)
   野点席5席(茶券代300円)
  ちなみに、茶券以外に庭園への入場券300円が別途必要

 茶券売り場は庭園にある。
 そのため、10時前に茶券確保ためだけに300円払って入場。
 既に蛇行していた列は午前分の茶席の残席わずかとなった時点でパニックに。
 一時はどーなることかと思ったが、なんとか茶席券と野点席各1枚を確保。
 
 その時点で、まだ10時になっていなかった。
 だから、その時点で入園した人はいきなり「茶席の茶券はありません」と云われてショックだったのではなかろうか。

 一旦撤退し、正午過ぎに再び庭園入場券300円を払って入場。

 茶席は2席ある。
 個人的なオススメは中島の御茶屋。
 でも、私自身は普段は非公開の芳梅亭の方を選択した。

 ユニークだったのは、席持ちが流派とか社中ではなく、「区」だったこと。
 道具組みは席主を担当された方の流派によるが、点前や運びの流派は違う。
 (区の茶華道連盟なので)

 なので、最初はどこの流派なのか、皆目見当もつかず。
 食籠が出てきたのと、お点前さんが左側に帛紗をつけていることから、
 「表千家だ」と気がついた。
 (が、お運びは江戸千家や不白流の方もいらしゃったようで、
  「それぞれの御流儀でさせていただきます」とのことだった)

 茶席を終えて、汐入池へと急ぐ。

 

 池の向こう側に野点席が点在して設けられていた。

 やっとのことで、めざす席(野点席1)に到着。
 20分で回転しているのとタイミングがよく、ほとんど待ち時間なく席入り。

 点茶盤が出ていたので、裏千家かと思いきや、そうでもなく~。
 「点前は裏千家の方だが、道具組は武者小路千家の方ので~」とのこと。

 こちらも荒川区の茶菓道連盟の集まりらしく、流派はバラバラの模様。

 こちらは野点席2↓
 
 どちらの区か、忘れてしまった。

 ほかに見かけたのは中央区、大田区といったところ。

 主催が東京都だったので、こういう分け方をしたのだろう。
 流派色を出さないという発想なのだろう。
 
 おもしろいと思うが、席持ち側は何かと大変なんだろうなぁと思った。

 浜離宮でのこういった大掛かりなお茶会の開催は初めての試みだと思う。
  (せいぜい、お正月に茶席がかかるくらいだ)

 主催は東京都と都の外郭団体。
 でも、仕切りは隣に本社ビルが建つ某大手の広告会社。
 (会場では「○通の空気だなぁ~」と、とても強く感じた)

 運営面で茶道独特のノウハウを把握していないと思われる点が多かった。
 (通常のイベントと同じように考えていたフシあり)
 
 首都圏ではこういう一般参加型の大寄せ茶会の機会がとても少ない。
 それは人口が多すぎるせいだ。
 全国的に観ても、全体の人口に占める茶道人口の人口密度は高い。
 (きっと、京都よりも高いだろうと思われる)

 だから、こういう機会があった場合、人は集中する。
 銀茶会もそうだ。年々すごくなってくる。
 その対策か、主催者側はわざと広報を半月前まで抑えているようだ。
 
 そこへ行くと、こちらの大茶会の広報は早かった。
 少なくとも7月末の時点ではネットで紹介されていたもの。

 ここ2週間でも、全国紙の夕刊で紹介されたり、都営地下鉄の案内板出ていたりと、露出度は高かった。
 また、チラシでも魅力的なキャッチコピーが光っていた。

 【誰でも気軽に楽しめる平成の大茶会】
 【「お茶の世界とともに、「茶」文化が育んできた江戸-東京の粋な文化をお楽しみ下さい 当日、誰でも気軽に参加できます】

 そして、着物の入場者先着100名に野点席1枚進呈。

 「絶対に朝から人が集中するだろうなぁ」と思ったら、その通りだった。
 それでなくても、茶人は朝早いのが当たり前。

 そのことを事務局はどれだけ把握していたか。
 かなり、ギモンに感じる。

 また、来る対象を本当に「誰でも」と考えていたのか、
 茶道愛好者が多いと踏んでいたのかも、そこも首をかしげる。

 先日の彦根の茶会に味をしめて、わざと帛紗挟みは用意せずに臨んだ。
 茶席で食籠が出てきて、たまたま私の前に置かれたので、すかさず
 お運びさんに「懐紙の持ち合わせがないのですが」と切り出した。
 すると、お運びさんは懐中した自分の懐紙から1枚とり差し出した。

 「え? 個人の裁量?」と思いつつ、食籠の蓋を開けたら、フツーの主菓子。
 とりあえず取り回し、おもむろに振り返ると縁側にいた帛紗をつけた方に
 「楊枝の持ち合わせがありません」と声をかける。
 すると、かなり困った顔をして、「懐紙で口元を隠しながら~」。

 むろん、そういう食べ方は知っているし、対応はできる。
 だから、そうした。
 しかし、誰もができるものではない。

 「懐紙も楊枝も持たない作法を知らない人は茶席には来ない」という想定だったのか。
 それは「誰でも~」のコピーに反すると思うのだが。

 受付も含め、2日目の今日は対応が改善していることを期待。

 この催し、今年だけなのか。
 来年、再来年と継続していくイベントになるのか、そこも興味深い。

 と、ちょっと辛口な感想になってしまった。
  (なるべく、マイナス的な印象は書きたくないとは思っているのだけどね)
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茶会に遭遇!?

2008年10月15日 13時10分59秒 | 茶会/茶事
 そこで茶会が開かれるということを全く知らずに出くわしてしまった~
 という体験は茶道歴20年にして、初めて。

 彦根は井伊直弼のお膝元なのに、私の知るうる限りでは毎年恒例で開かれている大寄せ茶会はないようだ。
 (利休さんの堺、不昧公の松江、初代・千宗室が出仕した金沢はあるのに)
 以前から、「不思議だな~」とは思っていた。

 昨年、「国宝彦根城築城400年祭」が開催された折りにHANA&千人茶会があったのは知っている。
 確認するとテーマは「大名茶会」だったんですねぇ。
 
 今年も「井伊直弼と開国150年祭」を開催中。
 よって、博物館で茶の湯がかかるタイミングを計って企画されたのかなぁ?
 ちなみに、遭遇した茶会名は「井伊直弼 大名茶会と花展」。
 10月12日(日)と13日(月)の2日間あり、2席懸っていた。
 (千人茶会に比べたら、規模はずっと小さかったはず)

 会場は彦根城博物館内の木造棟内の「御座之御間」と「御亭」。
 「御座之御間」は直弼ゆかりの流派が釜を懸けた。
 初日は石州流井伊大老派で2日目は井伊直弼茶道「一会流」
 (どちらも初めて聞く流派だ)

 一方、「御亭」はポピュラーな流派。
 初日は表千家の社中、2日目は裏千家の社中。
 私が訪れたのは13日なので、井伊直弼茶道「一会流」と裏千家の席に入った

 開館まもなくだったせいか、受付の空気が妙にカタイ。
 一般観光客を寄せ付けない雰囲気が漂う。
 そして、私はラフなシャツにチノパンという服装。
 フツーの人ならまず素通りするはずのところを、トコトコ行って
 「お茶券って、ココで今購入できるんですか?」と聞く。
 
 「2席と博物館入場券で1,500円」と聞き、「あ、じゃあ呈茶の気楽に入れる席だな」とちょっと安心。
 先に展覧会観賞をすませ、ほぼ一番乗りで整理券を受け取り、寄付に座った。
 
 後から来る方々は、明らかに茶会目的の方々。
 着物もしくは正装。
 一人だけ、かなり浮いた存在。
 「でも、ここは観光地だ
 と開き直る。

 ここが京都や鎌倉の鶴岡八幡宮の月釜ならば、そんなことはしない。
 なぜなら、京都の月釜が懸けられる寺社は“観光地”ではないからだ。
 あくまで、茶会目的の服装で参会しないと、席主や周囲の人々に失礼。
 (鶴岡八幡宮も観光地だけど、あれは素人を寄せ付けないオーラがある)

 道中にあんなに大きな立て看板だって、あったんだもの
 お茶を知らない一般観光客も許容範囲だと、あくまで平気な顔を通す。
 (もっとも、受付で「楊枝や懐紙もってないんですけど、大丈夫ですか?」と確認はした)

 ただ、礼儀は遠そうと、一番乗りで席入りする際も稽古の通りにはした。
 ド素人のフリもできるけと、服装がラフすぎてシャレにならない。
 もちろん、正客の席は避けて、中程の点前がよく見える場所をキープ!

 主菓子が出された際、お運びさんに「懐紙と楊枝の持ち合わせがありません」とリクエストする。
 お運びさん、想定外だったのか、ちょっと戸惑ってたかも?
  あと周りのお客様も(私がハッキリ主張するので)ビックリしたかも


 隣に座っていたご婦人が「この流派の方ですか?」と聞いてきた。
 んなハズないじゃーん
 苦笑いしながら、「今日、ここでお茶会やっているって知っていたら、こんな格好で来やしませんよ~」
 たまたま旅の途中で遭遇しただけだと説明する。

 さて、肝心の茶会。
 最初に井伊直弼茶道「一会流」の席に入る。

 床の画賛、会記に作者名がないなぁと思っていたら、なんと直弼さんの直筆。
 その他、愛用した茶碗が主茶碗で出てきた。
 棚や水指も明らかに時代もの。たぶん、愛用と伝わるものなのだろう。
 替茶碗は了入。そっか、時代的には了入か旦入だもんなぁ。
 これも愛用されていたのだろうなぁ。
 と思いながら、一つ一つの道具を拝見していた。 

 棚荘が変っていて、上にはあらかじめ帛紗包と茶杓が荘ってあった。
 
 武家茶道の点前拝見する機会は少ないので、ハッキリとはわからないが、この流派はかなり珍しい所作があるようだ。
 無論、お点前さんは相当緊張していて、かなり間違えたとも推察できるが
 道具の説明をする席主の話は耳だけ聞いて、お点前さんから視線を外さずに観察し続ける。
 実に面白かった。

 お運びさん方の帛紗の付け方もかなりユニーク。
 (初めて見た付け方)
 ただただ、感心して見続けた。

 次に奥の「御亭」に行き、裏千家の寄付で待つ。
 この辺は通常は非公開。
 そ庭もよく手入れされてあって、れだけでも十分に見応えあった。
 殿様が家族と団欒伴する光景は目に浮かぶようだ。

 大板で中置の設え。
 直弼さんゆかりの道具は床のお孫さんに当たられる方が書いた横の揮毫。
 それと十二ヶ月棗の写しくらい。

 お点前は安心して見ていられるし、なかなか快適だった。

 こういう風に旅先でのハプニングを楽しめている自分が、我ながら少しオドロキ。
 服装が正装でなくても、相手や周囲のお客様に不快な思いをさせないためには、やはり所作が大切だなぁ。。。と今回、つくづく感じた。
 できれば、いきなり遭遇というのは、これっきりにしたいけど。
 面白い経験ができて、ラッキー 

 ※さて、私のように茶会に遭遇しちゃう人がいるかもという情報を紹介
  ★銀茶会←やっと今年の案内がサイトに掲載されました。 チラシ
  ★東京大茶会
  ★利休のふるさと堺大茶会

 いずれも毎年恒例の大寄せ茶会。
 茶道を習っていないヒトも問題なく参会できます。
 
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禅寺での茶会

2008年10月06日 13時39分58秒 | 茶会/茶事
 曹洞宗大本山総持寺を会場にした茶会に参会した。

 車窓からよく見かける大寺院には以前から興味はあった。
 しかし、永平寺のような観光地とは違うので、近寄りがたい印象も。

 主催した集まりが総持寺で初めて茶会を開いたのが一昨年。
 桜満開の時季。
 禅寺のよさを生かした本席と横浜のハイカラさを表現した立礼席。
 対照的な2席のバランスがなんとも楽しかった。
 (そして、仕上げは禅僧お手作りの精進料理)
 
 2度目は昨年5月。
 初風炉の時季でもあり、爽やかな初夏の風が吹き抜けた一日。
 友人たちと数人で連れ立って出かけた。
 禅の思想でもある陰陽五行をテーマにした茶会。
 1席は五行を追究した5つの小さな席からなる盆略点前の席。
 (お客が5箇所に分かれ、それぞれで一客一亭の薄茶を味わった)
 もう1席の陰陽の席はとても意表をついた趣向。
 広い広間で鶴翼のように客を座らせ、2人による鏡点前。
 重ねた稽古の後が感じられ、お仲間うちの雰囲気のよさに感動した。
 (そして、その後にいただいた精進料理はやはり美味しくて)

 そうして、今回が3度目。
 10月の風が心地よい秋空の下。
 駅から歩いていると、金木犀の香りが漂ってきた。
 「金木犀色の帯締にしたのは正解だったナ」と思いつつ、参道を登った。

 今回は2年来の“灰形の友”と。
 こういった趣旨の茶会に参会するは初めてとのことで、ご期待の様子。
 (だいじょうぶ、だいじょうぶ! 太鼓判押しちゃうから!)

 前回、前々回と違って、今回は点心からスタート。
 受付を済ました後、若い修行僧の案内で長い廊下を歩き、点心会場へ移動。

 こちらの精進料理は実績がある。
  (教室も開催されているし) ※参考情報はこちら

 こちらの料理は紹介しても大丈夫かな?

 いただく前。
 修行僧のご説明で器の蓋を開ける。(開ける順番も決まっている)

 
 五観の偈(ごかんのげ)を唱えた後、美味しくいただいた。
 (もちろん、完食!)
 いただいた後の器を重ねる順番も決まっている。


 満腹なって、すっかり満足。
 続いて薄茶席。
 テーマは“実り”。
 広間にゆったりと座って、男性のお点前と若い方々のお運びが微笑ましい。
 中には白人男性や水を得た魚のように生き生きとした友人の姿も。
 寄付でもらって、事前に目を通した広報紙の内容が蘇る。
 数年前は人数が20名を割って、活動もままらない状態にあったとか。
 何人もの会員の努力と工夫が継続した結果、今の活動がある。
 まさに○○部活動の“実り”そのものだなぁと、胸が熱くなった。

 また、会員の軟水と抹茶の組み合わせにこだわった“研究成果”も楽しんだ。
 (私も以前、同じことにこだわったことがある)

 出てきて、寄付でちょっと休んだ後、香煎席へ。
 (今回、新たに設けられた趣向だ)
 事前に受付で引いた国旗のカードを見て、同行者と別れてテーブルへ。

 国旗は5種類。
 中国、イタリア(?)、オーストラリア、日本、インド。
 それぞれの席にて、その国のお茶を楽しんだ。
 私はインドの席。
 本来はミルクティーで喫むアッサムティーを水出しのフルーツポンチにし、
 塩味の強いクッキーと供にいただいた。
 初めての味。とても楽しい気分。
 こちらの部屋も日本庭園に面したした広間。
 この日(10月5日)は達磨忌だそうで、広い床の間には大きな達磨図。

 中央には鵬雲斎大宗匠が自らのテーマを染筆されたものが掛かっている。
 (思わず「入手経路は~?」と質問。
  京都から借りたものだということなので、こちらで紹介させていただく。
  だって、直筆の染筆はかなり珍しいもの)
 
 (これがあるのもスゴイけれど、存在を知っていることもスゴイ

 すっかりリラックスして、濃茶席へ。
 別室に菓子席が用意されており、えくぼ饅頭をいただく。
 
 稽古や大寄せ茶会では、濃茶点前を拝見しながら菓子をいただくことが多い。
 でも、本来の茶事では主菓子を食べて中立ちするから、席は別。
 大寄せで別にするのは正直難しい。
 やはり、スペースに余裕がある大きな禅寺ならではの贅沢な趣向だと思った。

 改めて入った濃茶席。
 お部屋そのものが立派。
 天井を見上げると上げ天井になっている。
 控えの間は杉板で部屋の“格”の違いがはっきりわかる。

 先ほどは若々しい顔ぶれだったが、こちらはOBの方々の席。
 ベテランの味がいい感じ。

 長板総荘。
 皆具は一目見て、「白檀塗りだ」とピンと来る。
 輝くような赤い色合いは陶漆の技術。
 陶器に金箔を張り、その上から漆を塗って~(その後はちょっと知らない)。
 それで焼き上げたもの。
 そして、思った通り、山中の前端春斉さん作だった。
 濃茶茶碗も陶兵衛さんだったり、私がいただいたのは高取焼だったり。

 灰形もね、驚くべき工夫。
 建物が文化財指定された関係で、炭を入れることができなくなったとの事。
 だけど、ただ電熱炭を据えるだけでは情緒がない。
 灰形を作り、その中に電熱炭を据え、さらに灰を被せて仕上げてあった。
 (すんごく感動

 どれもみても、“わかる”自分がなんとかウレシイ。
 今まで稽古の合間に少しずつ仕入れては積み上げてきた雑学の“山”。
 それが茶席の中での観賞眼に漸く生かされるまでになってきたなぁ。
 しみじみと喜びを感じた。

 これだけのお席を作り上げて下さった方々もすばらしい。
 「OB」とお呼びするのは違和感を感じるほど、若々しい。
 (言われきゃ、現役会員の皆様だと思ってしまう)
 「こんな風に年を重ねたいなぁ」と憧れの視線を感じてしまった。

 私自身は先日“一区切り”をつけたばかりなのだけど、まだ続きがあるような?
 まぁ、年齢制限に引っかからない限りは“戻る道”もあるわけだし、
 一旦離れて、お互い(?)に冷却期間を置いて、また御縁があれば復帰する方向もあるかなぁ。
 と思いながら、友と2人、満足した気持ちで坂を下って帰った。 
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11月9日

2008年09月16日 09時30分48秒 | 茶会/茶事
11月9日(日)に『平成大茶会in丸の内』なるイベントが開催されるそうです。
イメージは北野大茶会なんだとか。

私自身は関係ないけど。。。
ん?あるのかな?
まずは宣伝まで。
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六閑斎忌

2008年09月01日 04時42分00秒 | 茶会/茶事
昨日は早起きして、六閑斎忌の追善茶会に参会した。

数寄屋袋に数珠を入れて、あるお寺へ。
まず法要。
その後、本堂の脇と奥の広間で添え釜が2席懸けられた。
(濃茶と薄茶<立礼席>)

冷房なし。
窓全開で自然の風を取り込む。
湿気を含んだ空気なのに、なぜか暑苦しさをあまり感じない。
それはきっとお庭のおかげ。

3日間ほど天候が不安定で夜中に随分雨が降ったのに、きれいに掃き清められている。
水たまり一つなく、雑草もなく、見事に手入れされていた。


まさに禅寺の鏡!
(聞いた話では、厳冬の早朝でも御住職自ら廊下を拭いていらっしゃったとか)

お茶会には使ってないけれど、小間の茶室が見えた。
誘導の方にお願いして、露地を歩かせていただき、にじり口から席中を拝見させていただいた。
四畳半。
(帰宅後に再度、本を開き読み直し、小堀遠州好みのお茶室だと知る)

帰りに足を延ばしてお墓参り。
案内係の方が指し示して下さらないと見過ごしてしまいそうな小さな墓石。
(お墓の写真を撮るのは気が引けて、遠慮した)
手前の線香台を覆う石室の屋根には苔がむしていた。

今でこそ、事ある毎にお参りされ追善茶会も毎年あるけれど、それも40年ほど前から。
それというのも、この御方のお墓が長いこと此処にあることすら、誰にも知られていなかったそうだ。
(本拠であった京都にもお墓が建てられたそうだし)

で、同門の方が“探墓”して、“発見”されたとのこと。
見つかってみれば、そのお寺との関係を考えると、「なるほど、此処にあっても不思議ではない」ということではあったらしいけど)

300年近い遠い昔に故郷を離れた出張先の地で儚く逝った御方に思いを馳せつつ、手を合わせた。

去年も同じ趣旨のお茶会に参会したけれど、会場も違ったし、「追善」の意味も深く考えず、フツーのお茶会のつもりで行ってしまった。

今年は会場もさることながら、事前に“予習”もしたし。
濃茶席の道具組、主茶碗と水指は子孫のあたる方による手捏ねだった。
それは故人が若いながらも生前に手捏ねの茶碗を造られていたことに因む。(←察するに)
茶杓は故人の手作り。
掛け物は故人が慕っていたこの禅寺の開祖による書き物。
添え釜を懸けられた方々の故人を偲ぶ思いがさりげない伝わってきた。
「追善」の意味がやっと理解できたような気がする。

いいお茶会に参会できる機会を与えられたことに感謝
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自宅で茶会!

2008年07月15日 13時28分59秒 | 茶会/茶事
って、私の自宅じゃないけど

3年前、茶道の某研修を受けた。
毎年、全国から30名を集めて年6回のプログラムで開催する内容で、講義を聴いたり、点前の実技講習があったり、呈茶をしたりと盛りだくさんな研修。

で、今回はその同期会。
メンバーの大半がアラフォー世代。
茶歴も、住んでいる地域も少しずつ違っている。
でも、共通項は「茶道」。
それだけで、会えば3年間も時が経ったことを忘れてしまうほど打ち解けることができる。
(1年間の中で、お互いに励ましいたわり合い、一緒に切磋琢磨してきたから)

一昨年は神戸、去年は横浜、そして今年は佐世保。

しかも個人宅!
そういえば以前、「自宅に茶室」ネタ書いたなぁ。

八畳間だし、水屋も立派だし、隣室は寄付かねた六畳間だし。
すごいです。

で、茶会はまず寄付でお心づくしの点心をいただく。
今回は九州在住の4名が亭主側で、他地域から訪れた7名をもてなしてくれた。
九州の食材を取り合わせた文字通りの「ご馳走」。
とーーーーっても、美味しかった


続いて茶会。

何分、着物は7名中2名で私の方が年長だし、昨年の亭主側の一人でもあったので正客を務めさせていただいた。

道具組を絡めた会話は緊張したけど、内輪の茶会なのでリラックスしてやりとりできたかなー。
(って、思っているのは自分だけ?)

続き薄茶だった。
(あまり稽古していないから、客の作法も今ひとつ自信がなくて、「えっと、こここで拝見かけるんだよねぇ」とか「こう並べるんだっけ?」と周囲に確認しながらの頼りなさ。

道具組も茶菓子も九州で取り合わせてあって、本当に見事だった。

点前座だけ、ちょっと紹介。


(と、同期の方が撮った写真を拝借~。ご勘弁

とにかく楽しい茶会だった。
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小寄茶会

2008年05月19日 05時23分05秒 | 茶会/茶事
六本木の喧騒の中心にほど近い、そうと知らなければ通り過ぎてしまう間口の狭い、そして鰻の寝床のように細長いビル。
中に入って奥のエレベーターに進んだ時、思わず「まるで『アンネの日記』に出てくる隠れ家 (後ろの部屋)みたい」と呟いてしまった。
その8階に、とても趣のある“知る人ぞ知る”茶室がある。

腰掛け待合から露地とつくばいを備え、にじり口のある四畳半の小間席と、都心の街を一望できる明るい八畳の広間とのギャップもまた楽し。
銘木で構成される柱の数々…。

そんな雰囲気抜群の会場で催された小さな茶会に参加した。

前日、搬入するスタッフに混じって会場入り。
薄茶席にて紅鉢と向き合い、二文字押切の灰形を作らせていただいた。
茶会当日は紋付色無地に全通の袋帯を締め、朝8時前に会場に入り、途中階に設えられた受付とおしのぎ(点心)席のフロアへ。
ふくさを腰につけ、エレベーターを上がったり下りたり。
お客様の誘導する係を務める。
午後1時前に社中の師匠と入門間もない相弟子さん、京都の研修で知り合った友人をお迎えすると、私もふくさをはずし客の立場に。
供に点心をいただき、つくばいを使い濃茶席に席入り。
一席の客数は10名前後。
ちょっと窮屈ではあったけど、肩を寄せ合うにして一服の茶を喫み回す。
正客はわが師匠。
亭主もよく日頃からお世話になっている先生。
お二人の会話が素晴らしく、耳をすませて道具組の話を聴かせていただく。
茶会初体験、まだ大学生で今年から入門した妹弟子を挟んだ三客に座ったので、主茶碗の濃茶をズズっと音を立てて喫み干した。

広間へ移動し、都心の街を見下ろしながらの薄茶席。
亭主はまだ30代前半の男性。
流派の会の支部にて若手を対象にした集まり(←と書けば、察しがよい方はわかるデショ)のリーダーを務めていらっしゃる。
数年来の仲間だ。
そして、私自身も集まりを構成する一員でもある。

お点前、半東、お運びの皆さん全てが今年からの加わった“若手中の若手”の方々。
フレッシュな顔ぶれに少し余所のお茶席に入ったような感じがして混乱したけどね。
次客の位置でお正客(今度は最近、関西から引っ越してこられ、こちらの会に入られた先生)と亭主との会話に耳をすます。
「客観的にみて、どう写るカナ」と興味津々。
(考えてみれば、両席ともお点前座から出たお茶をいただいてしまった)

ちなみに、お詰めはわが師匠。
すぐ隣に亭主がいる形になり、「この度は灰形で~」「あら、そうなの?」
と、そこで“バレ”ちゃった。
(実は、あらかじめ云うと「止められるかも」という懸念があったので、ナイショにしていた)

自分の灰形と客として向き合うのは、とても照れる。
前面は明らかに後から直しが入ったナ。。。とわかる。
でも、全面的に大きく直されることなく、炭も納まりかつ途中で崩壊することもなく、第8席まで持ちこたえてる“わが分身”の姿に安堵。

「まだまだ、もっと稽古を積まなきゃね」と肝に銘じる。
これを励みに頑張ろう。

灰形は社中とは別の先生についている。
「まぁ!自分で作った灰を守らないで~」とお叱りを受けるかもしれないが、大人数の別々の社中の会員が集まる組織では、こんな参加の仕方もアリなのかなぁと思う。
(また、そんなフレキシブルな参加を許して下さった先生方や仲間に感謝

奉仕、修練、友情の貴重な茶の湯の場。
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大佛次郎記念館・春のお茶会

2008年05月12日 08時09分04秒 | 茶会/茶事
横浜・みなとの見える丘公園内にある大佛次郎記念館を会場に、毎年5月と11月の某週の土日に開催される恒例のお茶会。
今回は5/10と11に催され、お邪魔してきた。

大佛次郎愛用の茶道具を愛でつつ、偉大な大衆作家の業績を偲ぶお茶会。
和室の本席と会議室の立礼席の2席あり、各席500円。(入館料が別に200円かかる)
予約の手間が不要で、お道具がよいので、2席とも入れば、数千円レベルの大寄せ茶会に行った気分になれる。

席持ちは3流派が交代で担当している。
つまり、一年半おきに回ってくるので、炉と風炉を交互に担当することになるのだそうだ。
(関係者によると、それも楽しいとの事)
今回の席持ちは裏千家。
地元支部の青年部が担当されていて、本席は“鞍馬天狗”、立礼席は“猫 ”を趣向に若者らしい感性で楽しい席が展開されていた。

慶入作の鶴の菓子皿、刷毛目がついた萩焼、北欧の焼き物を見立てた水指など大佛次郎愛蔵の道具に自前の道具~横浜らしい感覚を取り入れたもの~を取り合わせた発想力は同世代の者として、見習うべき要素がたくさんあり、とても勉強になった。
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(思い出の茶会:3)西大寺大茶盛

2008年04月12日 00時15分02秒 | 茶会/茶事
西大寺大茶盛
※今年は今日と明日=4/12、13
(毎年1/15<大茶盛席のみ1,000>、4月第2土日、10月第日曜<大茶盛席、抹茶席、煎茶席、点心席、護摩供養、本堂拝観含め4,000>←当日に行っても、茶券購入可能)

ン年前、ここで“お茶会デビュー”した。
本席の大茶盛席は台子点前。
直径が30センチ以上はある大きな楽茶碗に茶筅もビックサイズ。
その他の道具も同様だけど、拡大率は茶碗ほどではない。
水屋から点て出される茶碗も大きく、何人かで喫み回す。
茶碗は1人では持てないから、両隣の方に手伝ってもらう共同作業。
なんか楽しい。
(1席に最大90人、1日7~8席)

抹茶席は普通の大寄せ。
奈良は煎茶も盛んな土地柄らしい。
点心はお蕎麦が少し。

訪れたのは10年以上前の事で、2~3回参会した。
洋服でも気楽に行けるし、待ち時間も今から思えばさほどではなかったし、ビギナーには最適だった。
一回はオススメしたい茶会。
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釣釜の茶事

2008年03月31日 06時43分31秒 | 茶会/茶事
花冷えがする春雨の中、茶事に参加した。
釣釜の趣向。
ご亭主が昨夏に丹精をこめて作られた霰灰がご馳走。

八畳の広間にお客様は9名。
あいにくの雨だったので、外待合から蹲を使っての席入りは割愛。
(残念なような、ホッとしたような)
雨天時の席入りを経験できたことはよかった。

こちらでの茶事に3回めで、少し慣れてきたものの、まだまだキチンと対応できてないことが多い。
寄付での香煎のいただき方、席入りの動きなど教えていただくことは多し。

前席の掛け物は「百花為誰開」(百花誰が為に開く)
パラパラと音さえもご馳走の見事な灰。
五徳がない炉中はとても大きく見えた。
煮えのついた火が桜と梅があしらわれた蒔絵の炉縁に写ってチラチラと見えた。
まるで夜桜見物?

緊張感いっぱいでドギマギする懐石もなんとかこなせた。
(もっとも、味わうことよりもいただいたり、器を清めるタイミングの方が気になってしまうことに注意がいくが)
温かくしていただいた杏の主菓子をいただき、中立ち。

後入りをすれば、床には一重切の竹花入に大山蓮華がすっきり生けられていた。
濃茶席は9名で大きなどっしりお茶碗で喫み回した。
ご亭主が大柄な壮年の殿方なので、なんだか似ている。
「見覚えがあるお茶碗なぁ」と思っていたら、やはり先日拝見したばかりの鈴木藏氏の織部黒だった。
(若い頃の作ではないかとの事)

淡々斎作の白い釉薬がたっぷりかかった志野の茶入、円能斎の3つ節がある茶杓。
非常に見所が多い道具組み。
席入りは午後4時半だったが、夜咄ではないので蝋燭の火ではない。
しかし、照明はぎりぎりまで落とされ、席中はたいへん暗い。
そのせいか、集中力が増す。
一服の濃茶で一座建立の気持ちを強くした後、後炭へ。

とても太かった胴炭が三分の一ぐらいに細くなり、簡単に割れた。
霰灰をたっぷり撒いた後、炭を継ぐ。
もったいないような、嬉しいような。

薄茶席では照明も明るくなって、リラックスした雰囲気。
久しぶりに伊織の干菓子をいただき、熱い薄茶をいただく。

花筏の蒔絵の平棗に「早蕨」と銘がついた淡々斎の茶杓。
たっぷりと花見の時季の春を堪能させていただいた。

ご亭主と感謝の念のご挨拶を交わし、名残惜しい気持ちで席を後にした。

やはり、茶事を楽しむためには作法を正しく理解し、動けることが大切。
来月からは灰形に加えて、茶事の身のこなしの稽古も始まる。
がんばらなきゃ、ネ。
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春の小寄せ茶会

2008年03月17日 08時25分19秒 | 茶会/茶事
明治神宮内の桃林荘・華山亭で催された小寄せ茶会に参会した。

大寄せの茶会と違い、一席あたりの客数は10名ちょっと。
予約した時間帯に受付を 済ませ、席札代わりの品物をいただき待合へ。
こちらの行事で作られた作品の数々を拝見しているうちに濃茶席の準備が整ったと案内される。
奥の小間席は、春を待ちわびるような趣向。
漢字五文字の一行物はそんな意味だった。
加茂本阿弥椿、朝鮮唐津の水指、松ノ実形の肩衝の瀬戸茶入、春風と銘のついた茶杓、最近は陶芸三昧の某元○○の楽茶碗。
吉祥寺亀屋萬年堂さんの主菓子も美味しい。
山芋のきんとんは白と緑が淡い春を演出。

続く薄茶席は広々とした広間にゆったりと座る。
横長の軸も「花」、水指も棗も建水も桜、主茶碗は薄い桃色がひかる萩、干菓子は菜の花に蝶々。
と、花尽くしの趣向。

私が一服いただいた水屋から出た茶碗も数茶碗ではなく、京焼の桜が描かれたもの。
スタッフの方が大事にされているものをお持ち出し下さったのだろうなぁと思いつつ、有り難く喫した。
また、隣の芝生は~ではないけれど、隣の方がいただいていた茶碗が本当にステキだったので、後で席主さんにリサーチ。
個展の情報も教えていただいた。

最後に点心席。
折敷の上に干した笹の皮を敷き、お花見弁当を再現したような献立。
見事。

「ツアー形式」と呼ばれる方式は運営する側は時間に追われて大変だろうが、客としては待ち時間もあまりなく、確実に全席をいい順番で回れるので、有り難い。

約2時間、花見の宴に参加したような楽しい気持ちで会場を後にした。
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偕楽園の野点茶会

2008年03月10日 06時10分06秒 | 茶会/茶事
水戸の偕楽園へ行った。
暖かい陽気に誘われるように梅も八部咲き。
日曜日は「観梅デー」と銘打って行事多数。
人出も多く、掻き分ける歩いていたら~。
ん?白いテントがりに和服の女性と制服姿の女子がうろうろ。
野点茶会やってた。
さっそく列に並び、一席分を見学しながら待つ。
担当は表千家で盆略点前。
ちなみに、先週は石州流。来週は江戸千 家流、3/23は裏千家流。

高さ10cmほどの壇上に緋毛氈を敷き、茶席にしている。後ろには椅子席も。
パンフレットのでは段差を利用して炉を切り、平点前している写真が載っていた。

表千家にも盆略点前があることは知っていたが、観るのは初めてだ。
配置が違うなぁ。

土風炉の脇からさり気なく出てきた茶筅立て。
よく見かける銀のものではない。
終わってから、手に取らせてもらって見せていただいたところ、陶器でできていた。
よいなー、コレ!
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(思い出の茶会:2)三渓園の横浜大茶会

2008年03月05日 08時14分49秒 | 茶会/茶事
【名称】横浜大茶会
【日にち】隔年開催。次回は今秋(2008.10.24、10.25)
【会場】横浜三渓園
【席数】5席+点心席(茶席は三千家、江戸千家、遠州流。うち1席は濃茶席、他は薄茶席)
【費用】12,000
【申込方法】市の広報かHPを注意

以前は毎年4月に開催されていた。
茶券には10時~となっていたが、それを信じるのは野暮。
横浜駅に8時に待ち合わせ、バスで三渓園に向かった。
開園の9時前に到着したら、既に門前には和服の行列。
開門と供に受付めざして走る!
荷物を預けたら、茶席目指して走る!
広い庭内に茶席が点在する構成なので、どう巡るか予めの作戦は必要。

私は手前から2つめの席から順に奥へと進み、丘の上の茶室まで入った後に手前の建物に戻ってきて点心を食べ、最後の茶席に入ったら最終の点前が始まったところだった。
時間を目一杯使わないと全席制覇は難しいかも。

大寄せの茶会にありがちな「茶席にいる時間より待つ時間の方が長い」パターンで、待合も室内もあれば軒先や庭先で立ったまま待たねばならないこともあり、途中で雨がパラついた時はかなり困った。(傘を持たずに席周りをしていたので)

一つ一つの席は楽しい。
道具組も趣向が凝らされているし、受付時に冊子になった会記が配布されるので、待っている間に"予習"しておけば、十二分に堪能できる。
(印刷配布のためか、よいモノが取り揃えてある)
流派によっては家元がお出ましになられるとか。
他方より移築された茶室も拝見した記憶がある。
1日どっぷり茶会だつたと、今でも楽しかった思い出として残っている。
次回は秋かぁ。
春とは違う景色が楽しめそう。
久しぶりに参会してみようかな。
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