goo blog サービス終了のお知らせ 

資料室B3F

https://yaplog.jp/akasyuri/
の移籍版。

シラ切り通し

2015-05-27 21:44:03 | 小ネタ
12歳アイドル“ヘリウム事故”壮絶現場……「BPOで審議を」日本小児科学会の提言にテレビ朝日はどう応えるか
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=3435296


以前にも話がありましたが、ああ、やっぱりそうだったんでしょ?というところです。

テレ朝も制作会社もあれからだんまり決め込んでますねぇ。業務上過失傷害を法人に適用しないなんてことをやってるからバカみたいなことになってるんでしょうに。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

結果的には私が誤りを認める必要もなかったかもわかりませんが。

(修正版)馬鹿げている http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1939206811&owner_id=40049699&full=1

テレ朝社長「退院めど」ヘリウム事故女性
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=3289212

前の日記は確かに書き方がおかしかったです、すいません。破けただと、ホントに破けたのか怪しくなりそうなので、詰まった線でも書くべきでした。体の動脈に直接空気が入ってしまう動脈塞栓が今は有力視されています。肺胞がヘリウム吸ったくらいで破けるわけないだろと言われたので、ああ、やっぱり?みたいな感じがしたんですが、大袈裟だったのかもしれません。なんかすいません。
でも、塞栓を考えると、メッチャ高圧or肉体の限度を超えた高容量ガスがあれば、ガスが肺胞の毛細血管を破壊せずに通過し溶解し、あとで気道の圧が下がったときに一気に血管内で気化し塞栓が生じる線がありそうな感じが・・・しませんか。肉体の限度、これがまた小学生ですからね、大人と一緒にしちゃいけないよ、というのは、捨ててはならないとは思います。

以前のコメント欄で、きよっちさんに、

『少なくとも私の知識では、空気(ヘリウム)塞栓がおこる原理が理解出来ないのです。パーティー用のヘリウムは非常に低圧ですし。肺胞が大人と比較して脆弱だという事はないと思いますし、深呼吸で肺胞の血管に入ってしまうなら、普段の深呼吸でも同じな筈ですし、経験上深呼吸で空気塞栓を来した人は知りません。それに、空気塞栓で意識消失するでしょうか・・・。あまり脳梗塞で意識不明になった人見たことがないのです。やはり、純ヘリウム説→窒息が初期の症状としては説明しやすい気がします。』

と御忠言されまして、いやぁ、なんかわざわざすみません。肺胞が脆弱でないってのは、どうかしら、みたいな感想は抱いたままなんですが、思春期くらいに肺が肺胞も含めてゆっくり完成していきますから、同じだッ!というのは、どうかな、程度の意識の差ではあると思います。

そんでです、ヘリウムでやらかす例はありました。わけのわからんことをしでかすガキが世界中いるもんだな、と。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12006819
Tretjak M, Gorjup V, Mozina H, Horvat M, Noc M, "Cerebral and coronary gas embolism from the inhalation of pressurized helium.", Crit Care Med. 2002 May;30(5):1156-7.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10692202
Mitchell SJ, Benson M, Vadlamudi L, Miller P., "Cerebral arterial gas embolism by helium: an unusual case successfully treated with hyperbaric oxygen and lidocaine.", Ann Emerg Med. 2000 Mar;35(3):300-3.

○高圧のヘリウムタンクから吸ってみた。

○圧の調整のされてないシリンダーから吸ってみた。

☆パーティー用の缶を吸って起こしたという事例ではない。

ここが厄介なんです。今までそんな事例がなかった。たしかにやらかしたやつはいたにはいたが、無茶苦茶なやつだらけで手前がいなかった、と。

大人用とかは、確かに子供用と比べても、よくわからないことは認めます。大人(女性)は、肺活量は2000ccから3000ccです。子供とそんな変わらないんです、肺活量自体は。ヘリウムもマツコ・デラックスの番組(月曜からよふかし)で(まともに使って)2回くらいしか使えなかったので、今回がいかにまともでなかったかは、何となくお察しください。

今回のカンカンが5000cc×2でしたから、思い切り吸って吸って、それでみんな、口を密着させて一気に吸い込んでたとなる(ホントは、何のガスだって、鼻の周囲に流して、周囲の空気と一緒に吸い込むようにするもんなんですが、まだ小学生ですから、よしすっちまえ状態だったんだろうとは思います)と、高圧で肺の中の気圧が瞬間的に上昇した・・・わけです。先程も申し上げた通り、まだまだ思春期に達しちゃいないお年頃でしたから、成長過程にある柔らかい肺の中の肺胞のいくつかが弾けるケースは、想像するに難くなかったのです。

・・・・・・・・・

ここまで書いてなんなんですが、そのあとまたコメントいただきまして、

『そうなんです。圧外傷(バロトラウマ)ならあり得ると思うのですが、流石にいくらなんでも高圧タンクからはすわないと思います。映像的に面白くないですし。潜水病の場合は、血管内に溶けたヘリウムが減圧した際に気化するものですが、一瞬では溶解できないですから、この線もきついかと。
不謹慎ではありますが、興味深い症例かと思います。』

正直、ランニングさせてからイッキ吸いとか、わけのわからんことをした複合症状でけりがついてしまいそうななげやりな結論に至りそうです。きよっちさん、何度もありがとうございます。

・・・・・・・・・

ここから以前のです

さすがに理屈がおかしい。昨日辞任した農林水産大臣がだいぶまだマシに見えてしまう。

『「大人用」と書かれたヘリウムガスのパーティーグッズを一気に吸ったことが原因に挙げられているが、吉田社長は「ご本人がガスを吸ったが覚えていないと聞いている。原因を特定できていない。検証委員会で詰めている」と話した。』

これは、言葉を少し変えただけでもわかるはずです。20年前の3月であれば、

『神経に作用するサリンを吸ったことが原因に挙げられているが、○○は「ご本人がサリンを吸ったが覚えていないと聞いている。原因を特定できていない。(・・・)』

となるわけです。サリンとヘリウムは違う?そりゃ構造は違うでしょうよ。酸素じゃダメなのか?ダメなんですよ。

まず、「脳空気塞栓症」という診断がついているわけです。ポイントは酸欠でないことにあります。

酸欠であるならば、酸素濃度が低い場合には、どんなガスを吸っても瞬間的に酸欠になる(ヘリウムに限らない)為、疑問として、大量に吸った場合に酸素分圧が下がるということがあるのかどうかが焦点となってくるわけです。しかし、酸欠ではない。

今回の病状からすると、ヘリウムと酸素の混合気体(ヘリオックス)は大深度ダイビング(に限らず、パーティグッズの「変声」用ガスには、酸欠になるのを防ぐため、酸素が20%ほど含まれている)で使われるわけですが、ヘリウムは窒素に比べて血液中に溶けやすいことから、空気塞栓(潜水病)を防ぐために、安全停止を長く取る必要があることをベースとすれば、

一度に大量に吸ったために肺に圧がかかり、通常より多くのヘリウムが血中に溶解し、そのまま脳まで運ばれたヘリウムが気化して塞栓を起こしたケースが考えられます。

そもそもの中学生でもわかる話として、肺胞は肺胞上皮細胞と血管内皮細胞の、2層の薄皮を隔て、空気と血液がガス交換を行っている場所であります。
無論、小児の肺や血管は成熟した個体と比べて脆いわけです。ここは小学生でもわかります。

先程の話の通り、息絶え絶えの状態で思いっきり吸入した際に、肺胞の層構造が破綻したと考えられているわけです。

肺内の血液中にヘリウムガスが混入して、肺循環は全身の動脈系に血液を供給するわけです。比重の軽い(空気は窒素78%、酸素21%、その他の気体1%で1リッターあたり約1.3gであることから1リッターあたりの酸素は約0.273gで、ヘリウムは1リッターあたり約0.2gとなります)ガスは高いところ(脳血管)に集まりやすくなり、脳血管空気塞栓を来すわけです。この病変は急性脳梗塞(脳虚血状態)を来し、病変の部位、範囲に応じた病状を呈することになったわけです。

サリンが神経毒を引き起こしたのと同じように、ヘリウムも今回そういう現象を引き起こした。なぜそれを認めないのか?馬鹿げている。


・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0053.pdf

No. 53 ヘリウムガス入りスプレー缶の吸引による意識障害事例
年齢:12歳5か月
性別:女
体重:36kg
身長:149cm
傷害の種類意識障害原因対象物ヘリウムガス入りスプレー缶(市販の変声用のパーティーグッズ:ヘリウム80%,酸素20%の混合ガス)

臨床診断名脳空気塞栓症の疑い

(・・・)

救急隊が接触した時は軽度の意識障害(日本昏睡尺度Japan Coma Scale(JCS)で20)と低酸素血症(SpO2:89%)を認め,酸素投与を受けながら搬送された.
患児に基礎疾患はなく,家族歴にも特に問題はない.
当院搬送時には四肢の硬直が強く,ジアゼパムの投与を受け頓挫した.
頭部CT写真には異常所見を認めなかったが,胸部CT写真で広範囲の皮下・縦隔気腫と気胸を認めた.
意識障害(E1V2M4/JCS200)が遷延するためICUに入室した.入院翌日も意識障害は続き,左半身に優位のけいれんを認めた.
頭部MRI写真と髄液検査では問題となる所見はなく,発作時脳波で右後頭部に棘徐波を認めた.
てんかん性疾患を考えミダゾラム,フェニトイン,レべチラセタムを開始した.入院2日目には脳波異常は改善した.以後病的反射は消失し,意識状態の改善が徐々にみられた.
入院6日目に再度けいれんし,頭部MRI写真を再検したところ,皮質・皮質下優位に多発性の拡散低下があり,頭部CT写真でも同部位の低吸収域が認められた.入院後は,脳炎・脳症,代謝性疾患,てんかん性疾患,内分泌疾患,感染症などの検索を行ったが有意な所見はなく,臨床経過から空気塞栓症の可能性があると判断し,転院した.高圧酸素療法を施行し,左半身の麻痺の改善傾向,自然開眼するなどの臨床所見の改善を認めたため,ヘリウムガス吸引をきっかけとした脳空気塞栓症として,他院で治療的診断された.
2015年2月5日現在,追加の高圧酸素療法を行っているが,高次脳機能障害を残す可能性があると判断されており,早期のリハビリ介入が検討されている.

【こどもの生活環境改善委員会からのコメント】
1. パーティーグッズなどで変声用に使用されるヘリウムガス入りスプレー缶(ヘリウム80%,酸素20%)は,世界的に広く販売されており,多くの使用者がいるものと推定される.今回使用されたヘリウムガス入りスプレー缶もその一つであり,缶の表面には「大人用」と書かれていた.ヘリウムガスの缶からの吸引方法は説明書に書かれているとおりの使用法であった.

2. ヘリウムガスの危険性に関しては,2011年にJournal of Forensic Sciencesが行った調査によると,オーストラリアでは2005年7月から2009年12月までの間に79人が死亡している.2013年には,イギリスで62人が死亡しており,死亡事故が増えていると報告されている.日本中毒情報センターによると,玩具に使用されたヘリウムガスを吸ったことによる事故の相談は,2001年4月から2012年3月までに32件あり,患者の年齢は5歳以下が13件,6~12歳が18件,成人が1件と報告されている1).原因としては,風船のガスが26件,声が変わるガス(ヘリウムと酸素の混合ガス)が5件,不明1件で,半数にあたる16件において意識消失,嘔吐,顔面蒼白,気分不良などの症状を認めた.ヘリウムガス自体は無害であるが,直接吸引,または袋など狭い空間に充満した場合は,酸素が無いために酸素欠乏症となる危険性が高い.パーティーグッズのヘリウムガス(酸素を20%程度混合)を風船用などのヘリウムガス(酸素0%)と混同し,風船用ヘリウムガスを直接吸引して死亡に至った事例がある.


3. ヘリウムガスによる空気塞栓症は,主に心臓の術後やカテーテル検査後などに医原性の事故として発生しており,今回のように一般者が使用できる加圧されたヘリウムガスの吸引で発生した事例の報告は,学術誌上では世界的に数例2)~4)のみのようである.いずれの報告も加圧されたヘリウムガスを吸引し,直後に意識障害,けいれん,片麻痺などを認めている.なお過去の報告からは,具体的にどのような製品を吸引したのか,どの程度の圧でガスが充填されていたのかなど不明である.

4. 潜水士(ダイバー)が深いところから浅いところに向かって上昇するとき,肺の中のガスは膨張するが,このときガスを吐き出さずに溜め込めば肺胞が破裂する5).本事例ではヘリウムガス入りスプレー缶から噴出されたヘリウムガスの吸引により,それ以上肺が膨張できない状態まで拡張したところに,噴出され続けるガスによって圧がかかり,その結果,肺胞が破裂したBarotrauma(圧損傷)が主病態であったと推測される.

本事例の女児の肺活量は年齢,身長,体重からおよそ2.6Lと推定される6)が,事故発生時の状況から完全に息を吐き切った状態からガスを吸引したわけではないようである.よって吸引の開始から肺容量が最大に達するまでに2.6Lのガス量は不要であったと考えられ,ガスの吸引中に肺容量が最大に達していたものと推定される.

今回使用されたヘリウムガス入りスプレー缶のガス容量は5,000ccであり,仮に最大呼出状態からの吸引であったとしても肺容量は最大に達しうる.鼻をつまみ,ノズルの先端をしっかりくわえたために,ガス圧の逃げ場がなかったこともおそらくは病態に関与していると思われる.Barotraumaでは細気管支や肺血管と隣接する肺胞が破綻する7).


漏れ出たガスは肺門部に向かって伸展し縦隔気腫を形成する.さらに伸展すれば頸部・胸部の皮下気腫を認めるようになる.臓側胸膜が破綻し胸腔にガスが漏れた場合には気胸を形成する.圧が高い場合には,肺胞と同時に破綻した肺血管にガスが流入する可能性がある.

肺静脈系にガスが流入した場合には左心から大動脈を介して空気塞栓症を引き起こす.肺動脈系にガスが流入した場合であっても,卵円孔開存や生理的な肺動静脈シャントなどを介して左心系に達し空気塞栓症を引き起こす.また,卵円孔開存やシャントがなくても肺血管床による空気のろ過域値を越える量のガスが流入すれば空気塞栓症を発症しうる(イヌにおける実験では0.3mL/kg/minがろ過域値)2)8)9).

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。