■ギリシャ「戦争中の損害賠償を」 独は拒否 外相会談
(朝日新聞デジタル - 02月11日 18:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3269360
まあ、ドイツらしいっちゃあ、ドイツらしい。
「シュタインマイヤー氏は10日の会見で、「ナチス占領期にギリシャで起きた『ひどい出来事』に対する政治的、倫理的な責任は十分に認識している」とした上で、「すべての賠償問題は法的に解決していると確信している」と述べた。賠償問題は、ギリシャ側がこれまでもとり上げてきたが、ドイツ側は、両国が1960年に交わした賠償に関する合意などを根拠に「解決済み」の立場だ。」
ディストモ虐殺記念館のエフィ・キミアの発言が印象に残っています。
「ドイツはギリシャの中央銀行から奪った金塊や虐殺に対し賠償する、東西ドイツが一つになったら支払いますと約束してきました。東西が統一したら今度は金融システムが1つになるまで5年待って下さいと言いました。しかし何も起きませんでした」
1995年に、ギリシャ・ディストモ村の虐殺被害者遺族250人超が生命・財産の損害賠償を求めてギリシャ裁判所に提訴し、ドイツ人の弁護士10人が支援したケースがあります。第1審リバディア裁判所は1997年に、「戦争犯罪は国家の主権的行為ではない」として、主権国家は他の国家の裁判権に属さないという「主権免除」を否定しました。これは、加害国に対する戦争被害者個人の直接請求権を認める判決を言い渡したことになります。このあと、ギリシャ最高裁も地裁判決を支持したものの、ギリシャ司法相は判決の執行に必要な署名を行わなかったことが引っ掛かっているのです。また、被害者遺族はドイツの裁判所にも訴えを起こしたが、ことごとく退けられました。
話は移り2008年には、イタリアの裁判所がギリシャ裁判所の判決に基づきイタリア国内のドイツ資産を差し押さえることを認めました。
その後ドイツはハーグの国際司法裁判所に提訴し、2012年に主権免除が認められました。つまり、ドイツ自体は外国の裁判権には属さないということになります。こんなニュース、大事なのになんで日本のメディアは扱わなかったんでしょうかねぇ・・・。
現在の流れからすると重大な人権侵害に関して主権免除の除外を認める学者は多いでしょう。しかし、判決はこの流れに逆らっていることもあり、なんだかな、といった状態ではあります。
当時のTrindade判事は、 重大な人権蹂躙に対しては主権免除を適用すべきでないと明確に主張し、Yusuf判事は、明瞭ではないものの、ケースによっては、当該国の裁判権を例外的に認めることは、外交関係を害しないし、国際的な人権と人道に関する法を守るのに役立つとしました。
"The assertion of jurisdiction by domestic courts in those exceptional circumstances where there is a failure to make reparations, and where the responsible State has admitted to the commission of serious violations of humanitarian law, without providing a contextual remedy for the victims, does not, in my view, upset the harmonious relations between States, but contributes to a better observance of international human rights and humanitarian law."
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ギリシャが本当に切羽詰まる寸前で、この話を出して経済支援とチャラにする・・・みたいなことは、やるんじゃないですか。いや、使えるものは使えるカードですから。
(朝日新聞デジタル - 02月11日 18:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3269360
まあ、ドイツらしいっちゃあ、ドイツらしい。
「シュタインマイヤー氏は10日の会見で、「ナチス占領期にギリシャで起きた『ひどい出来事』に対する政治的、倫理的な責任は十分に認識している」とした上で、「すべての賠償問題は法的に解決していると確信している」と述べた。賠償問題は、ギリシャ側がこれまでもとり上げてきたが、ドイツ側は、両国が1960年に交わした賠償に関する合意などを根拠に「解決済み」の立場だ。」
ディストモ虐殺記念館のエフィ・キミアの発言が印象に残っています。
「ドイツはギリシャの中央銀行から奪った金塊や虐殺に対し賠償する、東西ドイツが一つになったら支払いますと約束してきました。東西が統一したら今度は金融システムが1つになるまで5年待って下さいと言いました。しかし何も起きませんでした」
1995年に、ギリシャ・ディストモ村の虐殺被害者遺族250人超が生命・財産の損害賠償を求めてギリシャ裁判所に提訴し、ドイツ人の弁護士10人が支援したケースがあります。第1審リバディア裁判所は1997年に、「戦争犯罪は国家の主権的行為ではない」として、主権国家は他の国家の裁判権に属さないという「主権免除」を否定しました。これは、加害国に対する戦争被害者個人の直接請求権を認める判決を言い渡したことになります。このあと、ギリシャ最高裁も地裁判決を支持したものの、ギリシャ司法相は判決の執行に必要な署名を行わなかったことが引っ掛かっているのです。また、被害者遺族はドイツの裁判所にも訴えを起こしたが、ことごとく退けられました。
話は移り2008年には、イタリアの裁判所がギリシャ裁判所の判決に基づきイタリア国内のドイツ資産を差し押さえることを認めました。
その後ドイツはハーグの国際司法裁判所に提訴し、2012年に主権免除が認められました。つまり、ドイツ自体は外国の裁判権には属さないということになります。こんなニュース、大事なのになんで日本のメディアは扱わなかったんでしょうかねぇ・・・。
現在の流れからすると重大な人権侵害に関して主権免除の除外を認める学者は多いでしょう。しかし、判決はこの流れに逆らっていることもあり、なんだかな、といった状態ではあります。
当時のTrindade判事は、 重大な人権蹂躙に対しては主権免除を適用すべきでないと明確に主張し、Yusuf判事は、明瞭ではないものの、ケースによっては、当該国の裁判権を例外的に認めることは、外交関係を害しないし、国際的な人権と人道に関する法を守るのに役立つとしました。
"The assertion of jurisdiction by domestic courts in those exceptional circumstances where there is a failure to make reparations, and where the responsible State has admitted to the commission of serious violations of humanitarian law, without providing a contextual remedy for the victims, does not, in my view, upset the harmonious relations between States, but contributes to a better observance of international human rights and humanitarian law."
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ギリシャが本当に切羽詰まる寸前で、この話を出して経済支援とチャラにする・・・みたいなことは、やるんじゃないですか。いや、使えるものは使えるカードですから。