７月３１日 龍馬 「食べて死ねる、中華料理店」

７月３１日 龍馬
墨田区錦糸２‐３‐９
５６３７‐９３９８

週替定食Ａ　６８０円

「食べて死ねる、中華料理店」
駅に近く、常に繁盛している店。
店内はタバコの煙で視界も空気も悪い。

ガン保険に入っていて、
家族のために保険金を残したいという人は、
客の立場に立って契約どおりに支払いする保険会社か
もう一度確認した上でこの店に通いつめれば、
決心してからは比較的早く逝けるだろう。

死ぬまでに数えるほどとなるランチは、
けっこう品数が多くあの世への餞としてふさわしい。
死ぬ前にひと品だけ食べられるとしたら…という話をよく聞くが、
ここに来ればある程度色々食べられる。

週替定食はＡとＢがあり、
Ｂは中華風豚ロースの生姜焼きで６８０円。
定食はまだ種類があり定番定食として、
肉野菜炒め定食６８０円・ミックスフライ定食７３０円、
鶏唐の黒胡椒南蛮漬け丼・海鮮炒め丼ともに６８０円、
豚肉の豆鼓蒸し丼７３０円。

初期のガンになって食欲が落ちてきた時のために、
一品料理も充実している。

ラーメン５５０円、海鮮ちゃんぽん・自家製ワンタン麺各６５０円、
広東うま煮麺・龍馬坦坦麺６２０円、
五目あんかけ焼きそば・揚州風五目炒飯６８０円…などなど。
定食のご飯はお替わり自由で、丼物の大盛りは１００円の追加。

オーダーした週替定食のＡは、
ニラレバの黒こしょう炒め。

レバー・ニラのほかに、もやし・ニンジン・タマネギといった野菜。
とろみが強く黒胡椒が前面にきていて、なかなか美味い。

ご飯は中国出身の人の水加減にありがちな、
米の粘り気を抑えた炊き方。
よく噛まずに食べれば、
肺ガンに胃ガンも併発できて一石二鳥だ。

汁物は味噌汁で、
刻んだ油あげに濃いめの味付けに刻みネギが
水死体のように浮かぶ。

新香は、たくあん・キュウリといった漬物。

デザートもついていて、業務用の杏仁豆腐に缶詰の
フルーツカクテルを混ぜたもの。
どちらも味は薄く、シロップの方が甘い。

この金額であの世に行けるのはかなりお得だ。
食べて痩せるというフレーズはよく聞くが、
食べて死ねるというのは、この店だけだ。

電車に飛び込む日本版自爆テロは、
神聖化された形で処理されるものの、
実態として有終の美は飾れないし、
事実大勢の人に迷惑がかかるし、
遺された家族もパスルを課せられ惨めになる。

そういう人のために、いい死に場所が
見つかったので是非活用してほしい。