『脱★ぐうたら生活』

大好きな朝焼けから毎日元気をもらっています。我が家の日常の一コマと、患者さんから見せていただく人生模様。毎日が勉強です。

紫御殿

2006-07-31 | 日記
ずーっと気になっていたことです。
この花の名前はなんだろう。
でも、気になっていたわりには自分で調べようともしていませんでした。

それが、先日ここに遊びに来ていただいているfujiminoさまのブログでこの花の名前がみつかり、やっと胸のつかえが降りた感じです。

紫御殿(ムラサキゴテン)

15年前の夏、母が残していった花です。

15年前に母にガンが見つかりました。田舎の小さな病院では治療も十分出来ないと思って、私が勤めていた都内の大学病院に入院させました。肝臓の権威の先生が当時最先端の機器を使って臨んでくれた手術でしたが、お腹を開けたときは、いたるところに転移していて、手の施しようがなかったのです。

主治医に呼ばれ「余命3ヶ月です」と宣告されたときに、ガタガタと急に体が震えだし、帰宅してから熱を出して寝込んだことを思い出しました。
そして、手術を終えた血の気ない真っ白な母の顔も・・・・。

その入院の前日に、3歳の娘を連れて散歩に出た母は、このムラサキゴテンを2つ拾ってきました。折れて道路に落ちていたそうです。
「水に浸けていると、根がでてくるよ」 
そう母に言われ、水に浸けていました。

根が出たのは、母が手術を終えて退院した頃だったでしょうか。
私はそのムラサキゴテンを植木鉢に植え替えました。
この15年、母の変わりにムラサキゴテンが私達家族を見守ってきてくれました。
たった2本だったこの花は、今では植木鉢3つ分に増えています。

何があっても、この花は枯らせないと思っています。
55歳だった母も生きていれば70歳。
若いときから、家族の為に働いて、結婚後も苦労が絶えなかった母。
私達子供も大きくなり、やっとこれから・・・という時に病に倒れた母。
生きていたらどんな老人になっていただろうか。
ムラサキゴテンを見て、いつもそう思っている私です。
コメント (10)
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