透析は、患者さんの体から血液を抜いて、特殊な筒の中で余分な
水分や毒素を抜ききれいになった血液を患者さんの体に返す。
この工程を4時間繰り返す。患者さんにとって、拘束されるもっともいやな時間。
そのために、太い針を2本血管に刺さなくてはいけない。
先日、患者さんのT子さんに「あかねさん」と呼ばれた。
T子:「あかねさん、私を1番に刺してほしいのよ。」
私:「どうして?」
T子:「わたし、(血が)なかなか止まらないから、時間がかかっちゃうし、おなか空いちゃうと気持ち悪くなるから」
私:「なるべく早く刺すようにするけど、1番は約束できないわ」
そもそもT子の血がなかなか止まらないのは、自分が血圧を下げる薬
をきちんと内服してくれないのが原因。
200以上の血圧で、ピタッと血が止まるわけがない。
おなかが空くので、早く終わりたいのはどの患者さんも同じこと。
案の定、翌日から血圧を下げる薬を飲んだT子は早く血がとまるようになった。
それでも「早く刺して」は続いている。
80代のA子の針刺しも大変。
透析をすることになって、まだ間もないA子の血管はまだ発達していなくて細め。
血管そのものにもクセがあり、なかなかすんなりと針を受け入れてはくれない。
2回3回と針を刺してしまうこともある。
そんな時、A子はスタッフに 「あなたは、もう来なくていいです」と言う。
痛い針を何本も刺される方も大変なのはわかるが、刺す側も大変なのだ。
こっちだって行きたくない。
A子には、決まったスタッフが針を刺すようにしている。
昨日、A子専任のスタッフが3人休みだった。
そんな日に限って、私がA子の受け持ち。
以前も、そんなときにA子は
「私が来るとわかっているのに、どうして○○さんと○○さんが休みなの?」
と言っていたらしい。
挙句の果てに「じゃあ、帰りましょうか」とも。
スタッフにも生活がある。A子中心に生活しているわけではない。
気持ちで、A子に負けてはいけない。
私:「A子さん、今日は私が刺しますね」
A子:「あら、あなたはあまり見ない顔ね」
私:「そうですか?ここに勤めて長いんですけどね・・・・」
A子:「何年くらいいるの?」
私:「ここは7年ですけど、その前に5年間、透析の施設にいましたが」
A子:「ベテランね、じゃあ安心だわ」
A子にベテランねと言われて、ますます緊張してきた。
失敗できない!というプレッシャー。
でも気弱になると失敗することが多いので、ここはベテランの底力でのりきるしかない。
1本はすんなり入ってくれたのだが、もう1本は・・・・。
注射器を使いながら血管に入ったかを確かめながら針を動かし、やっと血管内におさまってくれた。
背中を冷たい汗がツーっと流れたが、顔色ひとつ変えないようにして
「A子さん、(針が)入りましたよ」と言った。
毎日これの繰り返しで、1日に10本くらいは針をさしているだろうか。
刺される方も痛くて大変かもしれないが、刺す方も実はハラハラなのだ。
これと、冒頭のマークの何が関係あるのか・・・・と思っている方もいるかもしれませんね。
このマークがついている患者さんが数名います。
これは、『難しい血管なので、熟練者が刺すように!』というマーク。
A子やT子のように『難しい性格』の患者さんにもマークをつけたいものです。
水分や毒素を抜ききれいになった血液を患者さんの体に返す。
この工程を4時間繰り返す。患者さんにとって、拘束されるもっともいやな時間。
そのために、太い針を2本血管に刺さなくてはいけない。
先日、患者さんのT子さんに「あかねさん」と呼ばれた。
T子:「あかねさん、私を1番に刺してほしいのよ。」
私:「どうして?」
T子:「わたし、(血が)なかなか止まらないから、時間がかかっちゃうし、おなか空いちゃうと気持ち悪くなるから」
私:「なるべく早く刺すようにするけど、1番は約束できないわ」
そもそもT子の血がなかなか止まらないのは、自分が血圧を下げる薬
をきちんと内服してくれないのが原因。
200以上の血圧で、ピタッと血が止まるわけがない。
おなかが空くので、早く終わりたいのはどの患者さんも同じこと。
案の定、翌日から血圧を下げる薬を飲んだT子は早く血がとまるようになった。
それでも「早く刺して」は続いている。
80代のA子の針刺しも大変。
透析をすることになって、まだ間もないA子の血管はまだ発達していなくて細め。
血管そのものにもクセがあり、なかなかすんなりと針を受け入れてはくれない。
2回3回と針を刺してしまうこともある。
そんな時、A子はスタッフに 「あなたは、もう来なくていいです」と言う。
痛い針を何本も刺される方も大変なのはわかるが、刺す側も大変なのだ。
こっちだって行きたくない。
A子には、決まったスタッフが針を刺すようにしている。
昨日、A子専任のスタッフが3人休みだった。
そんな日に限って、私がA子の受け持ち。
以前も、そんなときにA子は
「私が来るとわかっているのに、どうして○○さんと○○さんが休みなの?」
と言っていたらしい。
挙句の果てに「じゃあ、帰りましょうか」とも。
スタッフにも生活がある。A子中心に生活しているわけではない。
気持ちで、A子に負けてはいけない。
私:「A子さん、今日は私が刺しますね」
A子:「あら、あなたはあまり見ない顔ね」
私:「そうですか?ここに勤めて長いんですけどね・・・・」
A子:「何年くらいいるの?」
私:「ここは7年ですけど、その前に5年間、透析の施設にいましたが」
A子:「ベテランね、じゃあ安心だわ」
A子にベテランねと言われて、ますます緊張してきた。
失敗できない!というプレッシャー。
でも気弱になると失敗することが多いので、ここはベテランの底力でのりきるしかない。
1本はすんなり入ってくれたのだが、もう1本は・・・・。
注射器を使いながら血管に入ったかを確かめながら針を動かし、やっと血管内におさまってくれた。
背中を冷たい汗がツーっと流れたが、顔色ひとつ変えないようにして
「A子さん、(針が)入りましたよ」と言った。
毎日これの繰り返しで、1日に10本くらいは針をさしているだろうか。
刺される方も痛くて大変かもしれないが、刺す方も実はハラハラなのだ。
これと、冒頭のマークの何が関係あるのか・・・・と思っている方もいるかもしれませんね。
このマークがついている患者さんが数名います。
これは、『難しい血管なので、熟練者が刺すように!』というマーク。
A子やT子のように『難しい性格』の患者さんにもマークをつけたいものです。