『脱★ぐうたら生活』

大好きな朝焼けから毎日元気をもらっています。我が家の日常の一コマと、患者さんから見せていただく人生模様。毎日が勉強です。

さよならY氏

2006-07-04 | 人間模様

今日はY氏がクリニックで最後の透析となる。

私がY氏を書いた記事は4回。

 1回目ご夫婦がまだ元気なときのこと。

 2回目奥様が亡くなった日のこと。

3回目Y氏一人になってから。

4回目Y氏、息子さんのところに行くことになる。

その後、息子さんが引き取ろうとしたが日中は仕事に出ているため、Y氏が一人になってしまうため施設に1週間預けられた。

「周りが認知症のお年寄りだらけで、自分もそうなりそうだ」 Y氏がこぼしていた。 受け持ちナースが息子さんに「ヘルパーさんを頼んで、自宅においてあげることもできるんです」と言うと、「一人にすると私が心配で・・・」ということだった。

 結局、Y氏は娘さんのところに行くことになった。 「娘は嫁にやったから○○家のものだから・・・・」 Y氏も息子さんも、これにこだわったのだが、○○家なんて言っていられなくなったのです。

でも、これが1番いい選択だったと思います。今日はY氏がうちのクリニックでやる最後の透析。娘さんのお宅の近くの病院に、Y氏の書類を送るため、受け持ちナースが準備していました。「書いているだけでウルウルしてくるんだけど」と受け落ちナース。私もそうです。

最後に、Y氏の書いた絵を紹介。 Y氏が書いた絵です。下町の片すみにある、小さな小さなクリニックです。

 

7050枚――。70歳になったのを契機に、東京二十三区にある様々な建物や風景のスケッチを始め、気が付いたら、それだけの数になっていました。

 

これは4年前、地方紙に紹介されたY氏の記事の一部です。今は多分1万枚くらいになっているのではないでしょうか。

 浅草生まれで、下町育ち。下町を愛して、スケッチし続けたY氏。今日がお会いする最後の日。 いろんな勉強させていただきました。ありがとうございました。

コメント (8)
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