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土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

ハクビシン 食われた:食ってやる

2013-06-09 15:06:00 | 狩猟とナイフ
 2012/12  昨年のことです。
 何度かハクビシンによるミカン被害のことを紹介していますが、今回はミカンを食われたが、食ったハクビシンを食ったという話です。


 木のてっぺんの食害痕。白くヘタの部分の皮が残っています。

 ハクビシンは甘いものが大好き。特に果物には目がありません。
 糖度計でも持っているかのように同じみかん園の中でも特に甘い、美味しいミカンのなっている木を選んで食べていきます。
 40年ほど経つミカンの成木ですので何百㌔もなります。ハクビシンは大食漢なのですが、すぐには食べきれません。それでも1週間もするとほとんど食べ尽くしてしまいます。何匹かで食べるのか、一匹の仕業だとすると驚くべき胃袋と消化能力の持ち主です。


 被害木の下にハクビシンが落とした積み重なったミカンの皮


 捕まえたぞ! このやろう。 こんどはおまえを食ってやる!!!


 谷川で解体です。皮下脂肪は厚さ10mmほどもあります。



 ハクビシンの脂はイノシシやシカとは違います。違いの説明は中々難しいのですが、ハクビシンのそれはうんときめが細かいというか、手につくとサラサラなのにしっとりと皮膚の中に染み込んでいくような感じのする脂です。また融解点がイノシシなどの脂よりも低いようです。タヌキの脂に少し似ているのかもしれません。
 夏のハクビシンには皮下脂肪も内臓脂肪もまったくありません。冬のこうしたたっぷりの脂肪と比べるとあまりの違いに驚きます。
 
 さらに驚いたのは内臓です。鯨・イルカの内臓を見たことはありませんが、どの部品を見ても綺麗なのです。特に小腸・大腸はそのまま細かくぶち切って肉と同じ鍋に入れて食べてみたいような感じさえするほどです。
 腸=うんこの袋というような感じはまったくありません。

 噂では日本にいる獣の中で一番美味しいお肉の持ち主である。と言われています。
 楽しみだなあ。

 実際はどうか。

 食べてみました。
 大和煮風にしてみました。(風)というのはショウガを入れていません。味付けは醤油と砂糖だけで、少し酒を加えています。
 独特のニオイがあるわけではなく、肉にも特別な特徴はありません。しかし、イノシシ、シカ、タヌキ、アナグマ、鳥、牛、豚、羊、ウサギ、鯨、イルカとも違います。強いて言えばアナグマに少し食感が似ているかもしれない、と、言えるかもしれないがはてどうだろう?

 「旨かったのかッ! 不味かったのかッ!はっきりしろッ!」と怒っているでしょう。

 マアマア。確かに旨い肉です。しかし、これは肉界の王様だ!絶世の美味だ!とまでは、私は言えません。
 しかし、そう叫ぶ人がいたとしても私は反対はしません。

 ハクビシンはそういう味です。