1999年2月21日、愛媛県松野町虹の森公園おさかな館でアカメフォーラムが開かれました(下段右端が津村英志館長)。
第二回アカメフォーラムでの講演要旨と講師のプロフィールをご紹介します。
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アカメの生態
~飼育してわかったアカメの生態~
津村英志(愛媛県松野町虹の森公園おさかな館)
虹の森公園おさかな館は、平成9年4月にオープンした、四万十川をテーマにした淡水魚水族館。現在1mを筆頭に24匹のアカメを飼育している。飼育水槽は30トン、アカメの単独飼育水槽としては最大。
オープン以来、生態の解明と繁殖に取り組んでいる。アカメは外観から雌雄の判別ができないことから、愛媛大学農学部の協力を得て生殖腺へのカニュレーション法で雌雄判別を行い、卵と精子を確認した。卵は受精にはいたらない未熟な状態で、さまざまなホルモンを投与し性成熟の促進を試みたが、成熟卵までにはいたっていない。精子は、70%海水で最大の運動活性があることがわかり、アカメが海域で産卵していることが示唆された。
数年間にわたる調査の過程で、精巣が卵巣に変化した魚が現れた。アカメの近縁種シーパーチではオスからメスへ性転換することが知られている。アカメは性転換しない(内田喜隆:海洋と生物,156:24-29,2005)といわれていたが、長期飼育による継続的な調査によりアカメの性転換を確認できた。
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経歴
氏 名 津村英志
生年月日 昭和42年6月8日
愛媛県今治市出身
主たる経歴
平成 4年3月 愛媛大学大学院理学研究科生物学専攻修了
平成 8年2月 松野町役場 おさかな館開館準備にあたる
四万十川でアカメのフィールド調査を行う
(全日本希少魚保護協議会と合同調査)
平成 9年4月 虹の森公園おさかな館飼育展示係主任
オープン以後、アカメの飼育と繁殖に取り組む
平成 12年4月 館長
社団法人日本動物園水族館協会希少淡水魚繁殖検討委員会
アカメ種別調整者
現在に至る