stay precious

ゆっくり、ゆっくり。

若き日の後悔

2005年03月04日 | weblog
ミナサマ、後悔をしたことがありますか?


こんな質問アホらしいよね。
人間誰しも大なり小なり後悔をして生きてきたことでしょう。



こんなこと公の場で言うのもどうかと思いつつ、
俺の後悔話を一つ。



恥ずかしくてあんまり言いたくないけど、
俺子供の頃、
映画俳優になりたかった。
みんな思ったことない?
芸能界ってかっこよく見える。

んでそんな少年時代の俺は、
オーディション受けちゃったの。
中3か高1の頃かなぁ。
業界人になるべく。


とりあえず書類審査は合格し、
あんまり知名度は高くない某プロダクションのオーディションを受けに、
地元仙台のビルの一画に行った。
人多すぎだろって思いながら、
面接場に。

だいぶ前だからあんまり思い出せないけど、
今より気が強かったから(?)まったくモノオジしなかった。
四人ほどの面接官の前にてやらされたことは、
原稿を渡されて、
早口言葉。
コマーシャルのセリフを笑顔で言う。
「○○ラーメン新発売」ってね。
そして一番受けたのが、
ドラマっぽくふりつきでセリフを言うやつ。
「動くな!撃つぞ!」
って拳銃かまえながらね。

そんでフツーの面接。
覚えてるのは、
面接官の30後半ぐらいの女性に、
「あなたはスタイルも顔もなかなかだからいけそうね」
って言われて調子にのったこと。


まぁそんな感じで面接終了。
受からなかったら違うとこまた受けよう、
と、モチベーションはかなり高かった。




数日後、A4大の封筒が自宅に到着。
なんと







合格





しちゃったの。
舞い上がるさそりゃあ。
うれしゅーてはしゃいじゃった。


で、内容をよく見ると、
よくわかんないけど20万払えって書いてある。
なぜスターの卵(←すでに有頂天)が20万?

なんでも、養成所に入れとのこと。
オーディション通ったら即スターだと思っていた俺は、
母と相談の末、


ダマサレテル


という安易な結論に達し、
放置。
もう受けない。
と心に誓う。




しかし後々、
冷静になって考えると、
オーディション通って最初からスターのやつなんていない。
モデルでスカウトされた人でも、
トップスターになるには相当な時間がかかる。
スカウトじゃなかったらもっとかかるし、
最初は稽古の日々だ。
どうやら業界人が皆通る道なのだ。

俺はせっかく一歩近づけた目標から、
だいぶ後退した。

夢儚く。


あのときのぶちゃん(母)が勇気を振り絞って20万を俺に託していれば、
いや俺が頑張って20万貯めれば…。
俺の人生、どう転がってたかなぁ。



数か月後、
かの有名なNHK大河ドラマの協力プロダクションに、
その事務所の名を目にすることになろうとは夢にも思わなかった。





とさ。