先月下旬に
父が他界した。
80を過ぎた頃には、
酒やタバコの愛好家だった
父の過去を思い出して
「長生きしてるよね」なんて
感心したこともあった。
コロナが広がりつつあった
2020年の春に倒れてから
なんだかんだで
病院と施設を
行ったり来たりして
それでも昨年のクリスマスに
オンラインで面会した時は
いつにない元気さを見せていた
そんな矢先だった。
葬儀が一通り済んで
実家から戻って来て3週間。
机の上にまとめている
雑多な書類の間に
父の「死亡届」を見つけた。
姉がコピーして
姉妹みんなに配ったものだ。
手渡された時は
「私が持っていてもなぁ」
と内心思いつつ
死亡の原因や死亡時間、
父の誕生日を確認して
4つ折りにしてしまっていたのだ。
あらためて目を通して見ると
死因に至ったそれまでの症状、
死亡した場所、姉のサインなど
あの時気に留めていなかった記述が
あれこれと目に入ってきた。
父が死んだのだと
再確認した。
火葬場で最後に見た父の姿を
遺影の中ではにかんでいる父を
その瞬間に思い出した。
お骨になる前の
あのしばしの時間。
集まった人々の献花に囲まれて
さよならの言葉を繰り返し受けた
あの時間。
人の死はあっけないけれど
その命が確かに生きた証を
生きている者が持っている限り
亡くなった者の「命」は
そこに
生き続けている。
命の儚さと尊さと
命が遺すものの偉大さを
一枚のコピーは
気付かせてくれたようだ。
お父さん、
あなたの命は
次へと引き継がれているよ。
苦しい時間を忘れて
今は安らかな時間を。。。
