Air’s blog

ハイセンスな暮らしをめざして・・・

~Advance interior residence~ 

薄さ2cmの液晶テレビ

2007年08月23日 23時15分24秒 | インテリア/建築


昨日の帰り際、YAHOO!のトピックスに目を奪われました。
もうご覧になられましたか?
シャープが昨日22日に発表した薄型テレビのニュースを。

まだご覧でない方は、ぜひこちらの記事をどうぞ。
シャープホームページ(ニュースリリース)

発表会レポート



今年4月に発表されたソニーの有機ELテレビは、11V型で3mm、27V型で9mmの薄さを実現し、話題を集めました。こちらは今年中にも商品化すると言われていますから、液晶テレビ、プラズマテレビの後、どのように私たちの生活に入り込んでくるのか、とても興味深く、私も密かに注目しています。




ちなみに、これに関する詳細は、All Aboutの記事がとてもわかりやすくまとまっています。



さて、そこで昨日発表された薄さ2cmの液晶テレビに話しを戻しましょう。シャープは、先の有機ELテレビに対抗していくつもりで、2010年、3月までに量産を目指しているとのことです。52型でディスプレーの薄さは、これまでの最薄機種の4分の1を実現。重さも25キロと最軽量。

発表会の写真を見ても、そのスタイルの良さにホレボレしてしまいました。

う~ん。待っててよかったぁ。(実は現行の液晶テレビたちが、もう少し値下がりしてくるだろう。という勝手な想像で購入していないだけなのですが・・・)

これまでに発表されてきた、液晶テレビやプラズマテレビたち。
確かに、ブラウン管の時代とは考えられないくらいスタイリッシュで薄くて・・・。だけれども100%、私の欲求を満たしてくれるものではありませんでした。
重さのこととか、脚のいかつさだとか、どうしても「電化製品」という感じが拭いきれなかったと思います。

ところが、今回発表されたものの内容を見る限り、みごとなまでにその「電化製品らしさ」を打ち消してくれています。
特に壁掛けスタイルが私の心を掴んで離さず、長い時間それを眺めていても十分楽しめるくらいでした。



こういった商品の開発は、今後のインテリアスタイルにも大きな影響を及ぼすと思います。まだまだ生み出されるであろう、新しい開発に期待を抱きつつ・・・インテリアスタイルの変化を含めた住空間、生活環境の進化に注目していきたいと思います。



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建築基準法改正の次は、新景観法

2007年08月09日 09時55分39秒 | インテリア/建築

8月7日、新景観法に関する研修会へ参加してきました。このまま通してしまってはいけない。市民への周知をしなければならないと、京都の不動産会社等が意見広告などを利用して訴えてきましたが、9月に施行されることが決定しました。
施行されるからには、守っていかなければならない。守るためには、その条例を理解しなければならない。・・・ということで、宅建業者向けに行われたその研修会の反響は大変高く、289席しかない会場に294名の応募があったそうです。

さて、私がお話しを聞いた結論から言うと・・・
そんなに悪い条例でもないなぁ。と思いました。

たしかに、現実的ではない部分もまだまだあるのかも知れません。しかし、京都の景観を守っていこうとする上では仕方ない部分もあるのかも知れないなぁ。と。
そして、話しが色彩や、眺望景観に及ぶと、まるで色彩検定を受検する際に勉強した「環境色彩」のテキストをそのまま読んでいるような気分になりました。

それから、眺望景観に至っては、幼いころの記憶がみるみるよみがえりました。

私がまだ子どもだった頃の8月16日、両親と祖母、弟と一緒に「大文字・五山の送り火」を見に行くことになりました。小さな子どもにとっては、満員の電車に揺られることは、かなり苦痛なものです。それでも、家族で出掛けられるそのイベントを楽しんでいました。

私たちが向かったのは、三条大橋のあたり・・・。そこにはたくさんの見物客とたくさんの警察官が居ました。

ところが、新しいビルが建ったために、その場所からは送り火を見ることができなくなっていたのです。わざわざ1時間以上もかけて、たくさんの人に紛れて訪れた場所は、人だかりと、真っ暗な空と、ネオンの明かりだけが見えました。

記憶はものすごく曖昧で、断片的にしか覚えていませんが、子ども心にすごくがっかりしたように思います。


今回の条例では、こういった眺望を守っていこう。としたものでした。


色彩に関しては、曖昧な基準ではなくマンセルを用いたわかりやすい基準となったことは、新景観法の前回の投稿でもお話しした通りです。
問題は、果たしてこの数値を正確に理解できる人がどれくらいいるのか?ということ。私も色については、かなり深く勉強してきたつもりですが、マンセルの数値を見ただけで正確な色を想像することは、容易ではありません。

ただ、与えられた色彩の幅は広く、誰が見ても一様にうなずける建物の外壁にはそぐわないビビッドなカラーが禁止されています。共通基準として「『主要』な外壁には次の色彩を使用しないこと」と明記されているように「アクセントカラー」として用いる分には、何ら問題がないとのお話しでした。


コーディネーターの立場から、色や眺望、環境に関する内容は、この研修会で聞く限りでは納得できるものばかりでした。

ただし、全く問題がないわけでもありません。
こちらも、基準法改正にともなって、確認申請が降りない状況と同じように、認定申請に時間がかかってしまうことが心配されます。市の話によると、2週間を目標としています。とのことでしたが、現在足止めされている確認申請が一斉に降り始め、認定申請を受けようとする物件が重なれば、必然的に処理が遅れることになります。
さらに、こちらの場合もその申請に必要な図書には、これまでに準備をしたことのないものも含まれておりました。

添付図書
① 付近見取図(縮尺2,500分の1以上)
② 当該敷地及び当該敷地の周辺の状況を示す写真
③ 配置図(縮尺100分の1以上)
④ 各階平面図(縮尺100分の1以上)
⑤ 着色立面図(縮尺50分の1以上 / 4面<2面以上>)
⑥ 断面図(縮尺100分の1以上 / 2面以上)
⑦ 着色した完成予想図(目線からみたもの)
⑧ その他市長が必要と認める図書


これから、京都で家を建てる(改装)には、たくさんの時間と労力を伴うことになりそうです。


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姉歯事件の余波

2007年08月06日 17時53分34秒 | インテリア/建築


耐震強度偽装事件が発覚してから1年半が経過し、建物の安全性確保を目的に大幅に強化された建築基準法が6月20日に施行となりました。改正内容が記された書類は電話帳(・・・は少し言い過ぎでしょうか)並みの分厚さで、見ただけでもうんざりしてしまいます。

この改正を前にして、6月頃から私の周囲もざわざわし始めました。来訪される各種メーカーさんが、口を揃えられるのは、とにかく発注がストップしているということ。それもそのハズ、確認申請が一件も降りない現状が続いていたのです。申請が降りなければ、着工することができない。着工できなければ、設備機器もドアもサッシも建具も発注することなんてできません。

これは、単純に私たちのようなビルダーや、そこに商品を納めるメーカーだけではなく、一番困るのは、消費者である大多数の国民なのです。家を購入しようと決めたときに、(まぁ、完成はいつでもいいから・・・)なんて、優雅なことはなかなか言えませんよね?例えば、現在賃貸物件に住んでいる方であれば、契約解除の時期も検討しなければならないし、そのご家庭ごとのそれぞれの事情により、いつまでには入居したい。というご希望があって当然だと思います。子どもの居る家庭であれば、学校への通学にも大きく影響しますよね。

そんな中、半ば見切り発車とも思える無理矢理な改正建築基準法の施行に、私たちだけでなく、国土交通省も準備ができていない現状。構造計算を厳格にするために導入する大臣認定プログラムも、まだ1本も合格していないそうです。

これに、関する記事や情報はちらほらと私にも入ってきてはいましたが、(なんだかとっても面倒なコトになりそうだなぁ~)というぼんやりとした思いと、その一方でいずれかに自分が消費者となることを想像しては、ますます自分の家を手に入れることが難しい状況になるのではないか。という、これもまたなんとなく、どこか他人事のように思っていました。

ところが、ついに私も、ぼんやりと・・・なんてのんきなことを言っていられないことになりました。これまでは、図面ができて、申請の手続きが取られている間を利用して、その建物の色や仕様を決めていく作業を行っていました。仕様書の完成時期は、申請が降りる頃をメドに仕上げれば、申請が降りたと同時に着工に入れます。ところが、今回の改正で、これまでの段取りで仕事を進めることができなくなりました。
では一体、何がどのように変わったのかというと次の通りです。

★ 建築基準法の中身 → 基本的には変わらず
★ 運用に関する部分 → 改訂

要するに、これまでは申請書類を提出した後であっても書類や図面を訂正したり差し替えることができるという、臨機応変な制度でした。そう、あんなことがあるまでは、設計士や建設会社の良心を信じて、ある程度まかせておきましょう。といった感じだったのだと思います。ところが、あのような事件が起こってしまった。あれは、まさしく、そんな臨機応変な建築確認制度の盲点を突いて行われた偽装であり、それによって、全ての信用を失ってしまったといっても過言ではありません。
そこで、国が考えたことは、とにかく全てを雁字搦めに取り締まってやろう。という作戦です。

今回の制度改正によって、一度受け付けた確認申請書類の訂正は、誤字・脱字程度は認めるものの、不整合部分があった場合には即座に却下。最初から手続きをやり直さなければならなくなりました。
つまり、申請をする段では全ての仕様が決まっていなければならないことになります。これが、私に降りかかってきた最初の問題です。そして、制度の改正によって、新たに申請に添付しなければならなくなったのは、建物に付随する各パーツが国交省の認定を受けていることを証明する認定番号。家1件を建てるには、本当にたくさんの商材が使われています。その一つ一つの番号を確認しなければならないのですから、大変です。

わかりやすくビニールクロスを例に説明してみましょう。
壁や天井の仕上げ材として用いるビニールクロス。1冊の見本帳でおおよそ1000点を超える品番の中から、その住宅のテーマに合わせたものを選びます。例えば、ある住宅では10種類のクロスを選びました。その10種類にはそれぞれの認定番号があります。そして、申請が降りた後、建売住宅として販売する予定が、お客様が購入され、お客様のご希望に応じたクロスに変更するなど、何らかの事情でそのクロスを変更したとします。そうするとまた、新たに番号を調べて、「軽微な変更」という申請を行わなければならなくなりました。

同じメーカーが発行する同じ見本帳に収録されているクロスを変更することにまで、なぜ、国の了解を得なければならないのか?これまでから建物に関わる仕事をしてきた私からすると、それをすんなりと納得することができないだけではなく、申請のために新たに仕事が増えることになりました。

では、消費者の立場に立って考えると具体的にどのような影響が出てくるのでしょうか。今、私の把握している限りでお話しすると、大きくは次の②点。

① 建築コストの上昇
② 設計デザインの自由度に制限

これまでのお話しでおおよその想像はつかれると思いますが建築コストの上昇は避けられません。まずは、申請に必要な書類が増えたことからもわかるように、申請自体にかかる費用もUPします。構造についても、後からの図面の差し替えができなくなると、確実に審査に通るように強度に余裕を持たせた設計を行うようにもなります。(これは特にマンションの場合に顕著に現れるでしょう。)材料価格の高騰でジリジリと上昇している建築コストに加えて、制度の改正。さらにはバブルの再来とも言われる土地価格の上昇で、私たちが「自分の住処」を手に入れることがますます難しくなりそうです。

デザイン面からの影響としては、構造計算のチェックが厳しくなるため、複雑で凝ったデザインの建物がつくりにくくなることも考えられます。また、平面的な図面では想像することができなかった購入者が、ある程度のかたちが出来た段階で、設計の変更を依頼したり、私たちが現場の状況を見て、より使い勝手の良い状態に変更することもありました。ところが、その時々に応じて、設計変更の手続きを踏まなければならず、また、それによる工期の延長→コスト増→完了検査不適合のリスクなど、挙げだすとキリがないくらいたくさんのリスクが伴います。

私がこの業界に魅力を感じたのは、完成した建物以上に、完成に至るまでの過程が好きだから。購入される方が、そこに住まわれるまでの過程や、実際に入居されてから、カーテンをつけたり、照明をつけたり、それから家具や家電製品を入れたり、絵を飾ったり・・・。そういった様々な過程を全て楽しんでもらいたい。という想いは、実際に仕事に就く前も、現在も全く変わりません。多くの人が一生に一度、たくさんのお金と何十年のローンを背負って購入する住宅。

「ショーケースに並んだ住宅のどれを買っても安全な商品にしろ!と望んだのは国民だ」

とは、国交省住宅局部の幹部言い分だそうですが、この改正によって、「住」の中にあふれる「夢」の部分がすっかりそぎ落とされて、「現実」だけが残った、「現実」だけを残した・・・そんな気がしてなりません。

一方、建築確認検査機関の需要は増大し、2年以内には瑕疵担保責任保険の保証機構も設立されます。役人の天下り先は、新たに増えるというわけです。

一体、誰の為の改正なのか。
疑問を感じずにはいられません。


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