理解できんこの世の中

平和な日本、安全な日本。でも不満がいっぱい。理解しがたいことを考えます。

BSE-米国産牛肉輸入再開は大丈夫?!-20カ月齢以下はOKの根拠

2005年03月10日 16時53分37秒 | BSE関連
政府は、米国との輸入再開協議の中で、「20カ月齢以下の牛はいいでしょう」という回答をし、牛肉輸入再開は大きく前進したかに思われた。
しかし、フタをあけてみると、実はアメリカでは「この牛は20カ月齢以下です」と結論づけできる根拠がまったく存在しない。
ここで、話が変わってきた。「アメリカの牛肉は安全か」ということを議論するはずが、「どうやって20カ月齢以下を見分けるか」ということになってしまった。

まあ、政府は、米国との協議で「20カ月齢以下の牛はいいでしょう」と言ってしまったのだからいたしかたないのであるが。

20カ月齢以下はOKの根拠は、平成16年9月に食品安全委員会が出した「日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について-中間とりまとめ-」が根拠となっている。
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html

日本における牛海綿状脳症(BSE)対策について-中間とりまとめ-[PDF]

(参考)食品安全委員会における牛海綿状脳症(BSE)問題の調査審議について[PDF]


この報告では「BSE 感染牛が、潜伏期間のどの時期から発見することが可能となるのか、また、それが何ヶ月齢の牛に相当するのか、現在のところ断片的な事実しかない」としている。
また、「BSE 感染牛9 頭のうち、21、23カ月齢の2頭のBSE 感染牛が確認された事実を勘案すると、21カ月齢以上の牛については、現在の検査法によりBSE プリオンの存在が確認される可能性がある」とし、「20カ月齢以下のBSE 感染牛を確認することができなかったことは、今後の我が国のBSE 対策を検討する上で十分考慮に入れるべき事実である」と結んでいる。

さて、この報告の中から「20カ月齢以下は安全である」とと言えるでしょうか?
まったく無理である。
20カ月齢以下はBSEを発見しにくいということを、今後の政策では留意するべきであると言っているにすぎない。結局20カ月齢以下ではBSEかどうかわかりにくいといっているだけなのである。

BSE-米国産牛肉輸入再開は大丈夫?!-はじめに

2005年03月10日 16時31分20秒 | BSE関連
アメリカからの牛肉輸入再開に対する圧力が強まっている。日本は20カ月齢以下に限って輸入再開を了承しているのに、いったいいつから再開できるのか?

日本では、食品安全委員会でその是非を検討しているが、米国の要求-報復もあるぞ-や政府の政治的かけ引きと世論の狭間に揺れ動き、結果を出すのは非常に難しい事態となっている。この検討委員になってしまった人の心情を察するに、深く悲哀の念を感じざるを得ないが、ことは国民の生死がかかっているので、早急に正しい結論をだしてもらいたいものだ。

国会での政府の見解を報道等で聞くと、米国で20カ月齢以下の牛をいかに見分けるかということに論点が集中してきているようであり、20カ月齢以下の牛は「安全と考えて当然」と考えられるやに聞こえるが、本当は「米国の牛は安全か」ということを議論すべきである。
ここでは、項目を分けて「米国の牛は安全か」ということを考えてみる。

・20カ月齢以下はOKの根拠
・特定危険部位とヤコブ病
・吉野家報道
・国内牛肉の安全性と全頭検査

などなど