透明人間たちのひとりごと

ムード・空気・雰囲気

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

 プロ野球の野村克也元監督のボヤキ・つぶやき語録の
ひとつですが、原典は江戸時代の剣術書にあるそうです。

 6月26日付静岡新聞『大自在』の書き出しを抜粋 …

 その意味を勝手に解釈すれば、

 好成績、好結果は実力の反映とは限らずムードメーカー
の活躍やラッキーボーイの出現など、その場やその時々の
空気や雰囲気で実力以上の力が発揮され勝ちを拾うことが
あるが、敗北を喫するには敗れるなりの明確な根拠があり、
その敗因のなかにこそ成長への糧が隠されている … との
名言卓説なのでしょう。

 ついでに、日付は不明ですが、確か今月(7月)の初め頃
の記事だったと思いますが、静岡新聞の「時評」に目が
止まり、切り抜きを取って置いたのですが …

 symbol2 筆者はジャーナリストの丸山 重威(しげたけ)氏で、

 論理なき政治、社会 『ムード』 に警戒を」
いうタイトルに書かれた記事にはこうありました。

 山本七平の『空気の研究』に、大戦時の戦艦大和
の出撃の際のエピソードが載っている。  「大和の出撃を
無謀とする人びとにはすべて、それを無謀と断ずるに至る
細かいデータ、すなわち明確な根拠がある。  だが一方、
当然とする方の主張はそういったデータ乃至(ないし)根拠
は全くなく、その正当性の根拠は専(もっぱ)ら 『空気』
なのである」 ― 。

 同書によれば、出撃を決めた第2艦隊司令長官・伊藤
整一中将も、連合艦隊作戦参謀・三上作夫中佐も、特攻
出撃には反対だった。 出撃案に伊藤長官はさまざまな
問題を持ち出し参謀に聞く。 参謀の答えは 「陸軍の総
反撃に呼応し、敵上陸地点に切り込み、ノシあげて陸兵
になるところまでお考えいただきたい」

 そこで長官は、反論も不審の究明もやめて 「それならば
何をかいわんや。よく了解した」 と答えた、という。

 なぜこんな話を持ち出したかと言えば、いまの政治も社会
も、本質的な議論がないまま、「ムード」 や 「空気」 に左右
されて動いているのではないか、と思えてならないからだ。

 … と続き、  ― 中略 ―

 メディアも私たちも、いつの間にか 「ムード」づくりの名人
にごまかされ、妙な「空気」に流されてはいないだろうか

 … と言うように疑問を投げかけるかたちで終わっていた
わけですが、丸山氏が危惧しているのは、一言でいえば、
」 や 「流れ」 のことを指しているのだと思われます。

 世の中には善し悪しは別として、そうした時代の空気や
その時々の動き right トレンドがあり、それが、「」 を呼び
込み、「」 を起こし「流れ」 を生んで、やがて 「潮流」 が
奔流」 となって一大ムーブメントとしてのトルネード
(竜巻)を巻き起こすことになるわけです。

 ところで、この「風」という漢字は、「凡」と「虫」を合わせた
文字ですが、なぜ「虫」が関係するのか

 そんなこと、考えたこともないですよねぇ

 「風」の古代文字を見ると、「虫」ではなく、「鳥」の形です。

 それも現代の字形で言えば、「鳳凰」 の 「」 という
文字(おおとり)に相当するものです。

 どうやら古代中国人は当初、天上に住む 「おおとり」 の
飛翔によって 「」 が起きると考えていたようですが …

 次第に天上には 「」 が住むと思うようになり、「」 が
」 を起こすと考えるようになりました。

 そこで「鳥」が「虫」に変更されたわけですが、この場合の
「虫」は「むし」の意味ではなく、「竜」を含めた爬虫類です。

 「むし」を意味する字は「蟲(ちゅう・むし)」と書くわけです
が、現代では「虫」を「爬虫類」ではなく、文字通りに「むし」
の意味に使っていますので … 

 何故に「風」の字に「虫」が、ということになるわけです。

 古代中国では 「」 は神聖な 「(おおとり)」 や 「
が起こす 「風神」 だったわけですね。

 ですから、

 丸山氏の 「妙な『空気』に流されてはいないだろうか?」
という不安はきっと「杞憂」に終わると思われます。

 その理由は単純明快です。

 いまの日本に 「竜」「鳳(おおとり) に相当する
人物が見当たらないからです。

 「臥竜鳳雛」の可能性を秘めていた橋下大阪市長
「慰安婦」に関する問題発言で煮え湯を飲まされて
いますし、安倍首相もいまひとつです。

 日本世論調査会の「世論調査」で「憲法第9条の改正」に
は40%が必要とし、不必要は55%、「96条改正」についても
反対が51%と半数を超えているのに「憲法改正は必要か」
の問いには、「どちらかといえば」を含めると63%が「必要」
と答えています。

 さらに、「時代に合わなくなった」に64%の意思が示される
と丸山氏は高まっているのは、改憲への「ムード」・「空気」
・「雰囲気」だけで没論理だと揶揄するわけです。

 「揶揄」が適切でないとすれば「非難」でしょうかquestion2

 要は丸山氏は護憲を訴えたいのか 紛らわしい「空気」
を嫌悪しているのか よく分かりませんが、アベノミクスで
景気が回復し幸せになったような気がする「空気」や中国や
北朝鮮が怖いから、軍備強化も米軍駐留も仕方ないという
「空気」、そして参院選では自民が圧勝して自公で過半数を
占めるという「空気」が気に入らないようでもあるのです。

 でも、心配は無用です。

 憲法が時代に合わなくなってきていると感じるのは自然
な感覚ですし、どちらかと言えば(改正が)必要だと考える
のも当然です。

 但し、改正の手続きを容易にする意図をもった96条
緩和策(ハードルを下げること)には慎重なわけで、極めて
健全な証拠ではないですか

 それが、96条改正に反対する意見が多い理由でしょう。

 巷では政治雀たちが好き勝手なことをピーチクパーチク
と喋っていますが、決められない政治が悪いわけでもなく、
決められる政治がいいわけでもありません。

 時の政権の都合で、憲法などがコロコロと変えられては
堪(たま)りませんし、重要案件が決まらないのも困ります。

 ある意味では、

 決められない政治こそが民主主義の宝とも言える手続き
であって、アンチテーゼの窮(きわ)みでもあるのです。

 
 日本国民はしらけているようで、その実、見るべきところは
ちゃんと見ています。  風に吹かれて流されているようでも
方向だけは見失ってはいません。

 近年のある時期を除いては、という条件つきですが

 そうです。

 あの時は、 ハト「鳳凰(おおとり)」 に化けて
さい が水神の如くに 「龍」 を呼び込み、国民に
大きな大きな カン 違い をおこさせたのです。


 あの時に吹いた猛烈な 「」 と 「」 によって政権交代の
「憂き目」 を見た経験を忘れるわけにはいきません。

 ねじれにねじれた日本の政治姿勢は、ポピュリズム的な
大衆迎合の衆愚政治に走り、他国からつけ込まれるように
なっていったのです。

 しかし、だからこそ、国民はしっかりと勉強をしましたから、

 もう大丈夫です peace

 邪悪な 「風」 なんか、(およ)そ無視(虫)すれば
いいのですから …

 すぐ目の前にあるのに辿り着けない。  

 見えているのに手が届かない

 あれからの日本はずっと …

 そんなもどかしさを感じています。

 もどかしさのタネは一様ではありません。

 日本列島に蔓延する隔靴掻痒症候群です

 ですが、原因も敗因も掴めているのです。

 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし

 あとはそれこそ

 ムード空気雰囲気 次第です
 

 ラッキーボーイやムードメーカーの出現に期待しましょう

コメント一覧

バカボンのパパのパパ
寸分違わぬ予定調和? なのだ!

「自民に不思議な勝ちあり、民主に不思議の負けなし」 
維新、みんなもあとに同じなのだ!
皮肉のアッコちゃん
ゼロ戦の設計者である堀越二郎をモデルにした宮崎駿監督の新作アニメ『風立ちぬ』が話題ですが、試写を観た人の感想には不評が目立つようです。
やっぱ、「風」は立たないのかも…
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