透明人間たちのひとりごと

灰色のグラデーション

 今年もノーベル賞の季節がやって来ました。

 6日の医学生理学賞を皮切りに、創設以来100年以上に
わたって人類の進歩・発展に寄与してきた人々を顕彰する
国際的に最も権威のある賞の受賞者が発表されます

 日本では、ノーベル物理学賞を3人の日本人 right 赤崎勇
名城大教授(85)と天野浩名古屋大教授(54)、中村修司
(米国籍)カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)が
受賞するとして大フィーバーとなっています

 受賞の理由は、「省エネで環境に優しい新光源としての
青色発行ダイオード(LED)の発明」です。

 
 そもそもは、ダイナマイトの発明により巨万の富を築いた
アルフレッド・ノーベルが遺産の利子について「前年に人類
のために最大たる貢献をした人々に分配するものとする」
― とした短い遺言書がキッカケで創設されたわけですが、

 そこには意外事実が隠されていたのです

 1888年にアルフレッド・ノーベルの兄であるリュドビックが
カンヌで亡くなります。

 この時にフランスのある新聞社がアルフレッドが死亡した
と勘違いして、「死の商人、死す」という見出しで
報道しました。

 これを見たノーベルは、

 あくまで平和目的・社会発展のためにダイナマイトを発明
したのに、それが戦争に使用されることは本人の意図する
ものではなかったこともあって、その記事に困惑し、自分の
死後に世間ではどのように記憶されるのか考え込むように
なったのです。

 そのあげくに辿り着いたのが、先の「遺言」という
手段だったわけですね nose4ase2

 ノーベル賞の始まりが、世間体にあったとは、

 「なんともはや」出来事ですase2


 さて、
  もうひとつの「なんともはやase2
アインシュタインの天才ぶりが発揮されます。

 

 1921年に物理学賞を授与されたアインシュタインですが、
受賞前から自身のノーベル賞の授与を見越していた彼は、
妻への離婚の慰謝料にしようと目論んでいたのですase2

 浮気が、妻ミレーバの知るところとなって離婚をするわけ
ですが、彼の考えではノーベル賞を獲る「予定」
なっており、ミレーバに「相対性理論」の論文作成を
手伝わせて賞金を手渡したといわれています。

 アインシュタインの残した功績は色々とありますが、一番
有名なものが「相対性理論」であり、ノーベル賞の
受賞は「相対性理論」によるものだと思われがち
ですが、実際に受賞した理由は「相対性理論」では
なく「光源効果の発見」=「光量子仮説」
によるものでした。

 真偽の程は定かではありませんが、これにはちょっとした
裏話があるのです。

 「相対性理論」は、当時の物理学の常識を大きく
覆す理論で、一説には発表直後には世界でたった3人しか
理解することが出来なかったといわれるほどに難解にして
超画期的理論でしたase2

 そのために、

 選考委員は本当は、「相対性理論」発見で、
彼にノーベル物理学賞を与えたかったのですが …

 その内容が非常に難解だったためにノーベル賞の選考
委員たちの理解はおろか、当時の科学技術では、本当に
正しい理論なのかどうかの検証すらで困難だったわけで、
曖昧で不明確なものに権威あるノーベル賞を与えるわけ
にもいかず、どうしてもアインシュタインに受賞をさせたい
選考委員たちは、ほとほと困り果てます

 そこで、委員たちはアインシュタインの他の功績に目を
つけます。

 そして発見したのが「特殊相対性理論」と同じ年
に発表された「光量子仮説」だったという顚末

 これこそが、ノーベル賞級の発見なのかも

 … なんてねase2

 まあ、とにもかくにも、これにて 一件落着

 見事、アインシュタインにノーベル物理学賞を贈ることが
できたというわけで、 めでたし、めでたし peace

 ちなみに

 妻ミレーバはその賞金で4階建ての豪邸を購入したとか、

 相対的にみても、WIN WIN の関係ですね

 アインシュタインは名誉権威をミレーバは実利
いう名の豪邸を手にしたということでしょうか

 賞金の額でいえば、2013年に新たに創設された学術賞
「ブレークスルー賞」の賞金はノーベル賞の実に
2倍超の300万ドル(約2億8千万円)です。

 「ブレークスルー賞」は、難病治療や人の寿命
を延ばすのに役立つ先端の研究を支援することを目的に
新設された学術賞で、初回の受賞者にはiPS細胞を開発
した京都大学の山中伸弥教授ら11人が選ばれています。

 金額ではノーベル賞を上回る賞金がもらえる賞はいくつ
かありますが、それでもノーベル賞の権威と名誉に優る賞
はありません。

 
 そこには、賞金を超えた不朽の価値が内在しているから
ですが、おそらくはこれからもノーベル賞の地位権威
は揺るぎなく続くことでしょう。

 但し、惜しむなくば、

 物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、文学賞、平和賞、
経済学賞の6つのカテゴリーのうち、平和賞と経済学賞の
存在意義には少々の疑問がないわけではありません。

 平和賞は、1974年の佐藤栄作元首相に見るまでもなく、
受賞理由の非核三原則は有名無実の上にベトナム戦争
における米国への支持は国内外で批判が噴出したのも
無理からぬことですし、最近では2009年のバラク・オバマ
のプラハ演説に端を発する「核なき世界」に向けた
国際社会への働きかけが評価されての受賞となったわけ
ですが、アフガニスタンやリビアへの爆撃に加え、シリアへ
の空爆といった行為は、いずれも平和とは無縁の行動と
しての結末が露呈しているような始末で、ノーベル平和賞
は余りにも政治的な要素が強すぎて、まったく信用するに
足るものではありません

 経済学賞も創設当時はそれなりに意義のある素晴らしい
賞だと思っていましたが、20年ほどが経過して、その多くが
株式市場の予想屋ふぜいに授与されているのが現実の姿
とあっては、アルフレッド・ノーベルも草葉の陰で泣いている
だろうし、そもそも遺言に経済学賞などはなかったのです。

 経済学を自然科学のような客観的な学問と混同したのが
間違いであって、個人的には廃止すべきだと考えます。

 平和賞については、もう少し様子をみる必要があるものの
、今年の最有力候補に「日本国憲法第9条」と日本国民が、
急浮上しているという現実を見ると何をかいわんやである。


 さて

 昨日は、ノーベル文学賞の発表がありましたが、最有力
候補として毎年のように名前が挙がる村上春樹氏が今回
も受賞を逃すという残念な結果となりましたがase

 それもまた逆の意味で予想通りといえなくもありません。

 たとえば、

 アナタがノーベル賞の選考委員だったとしましょう。

 アナタは大方の予想通りの人物を推薦しますか

 おそらく大穴を推挙するか、なんらかのサプライズを意図
するのではありませんか

 そうした材料がまったく見あたらない場合に限り、大本命
が当選するのが世の習いで世間には天邪鬼(あまのじゃく)
が殊の外(ことのほか)多いものなのですpeace


 ところで

 ノーベル賞と並んで世界的な催し物といえば、オリンピック
を挙げないわけにはまいりません。

 奇しくも、

 きょうは10月10日、あの東京オリンピックから50年という
記念すべき節目の日です

 「少年老い易く学成り難し」

 まさに「光陰矢の如く」無情に流れ去った
歳月は、厚顔の美少年をいつしか薄毛に白髪頭の老人へ
と変えてしまったのでしたase

 あれから、半世紀 …

 おもえば、十三の秋の日に、雲ひとつない快晴の大空に
描かれた五輪のマーク。

 浜松基地から飛び立った航空自衛隊のアクロバット飛行
チーム「ブルーインパルス」が描いた五色の輪。

 白黒テレビのブラウン管からは、灰色のバックに白い煙
の五輪マークが映し出されていたわけですが、アレが実際
には五色に描かれていたという事を知ったのは、それから
随分と時が経ってからのことでした。

 確か、映画鑑賞か何かで「東京オリンピック」
記録映画(市川崑監督)を沼津市内の映画館で観た時に
なって、初めて気付いたというオソマツな話ですase2

 テレビでのカラー放送は一部で始まっていたのですが、
庶民にはまだまだ高嶺の花で、我が家にカラーテレビが
導入されたのは、オリンピックから2~3年も経ってからの
ことだったように記憶しています。

 遠い昔のモノトーンの思い出が、セピア色に褪せる前の
2020年には、東京で2度目のオリンピックが開かれます。

 一生のうちに2度までも自国開催の夏季オリンピックが
みられるなんて(2020年まで生きている保証はありません
が …)想像もしていなかったわけです。

 半世紀前のオリンピックよりも、さらに17年前の1947年
〈昭和22年〉5月3日に発布された日本国憲法は、時代の
変化とともに一部分にセピア色がかった条項が目立って
きました。

 このまま、いつまでも曖昧にして、お茶を濁すだけの憲法
解釈を続けるわけにはまいりません。

 バックグラウンドとしての灰色のグラデーション
パッチワーク的な憲法解釈はもうたくさんです


 仮に、憲法第9条 が、

 まかり間違えて「ノーベル平和賞」を受賞する
ようなことがあったならば、むしろ、それこそ不幸であって、
「真の平和」をもたらすものは、現状においては一体
、如何なる準備によるものなのか、有名無実化する一方
にある「ノーベル平和賞」実態とともに、国民
、挙(こぞ)っての協議・討議がなされるべきでしょう

 不毛なグレー・グラデーションを選ぶからには、他国から
何色に染められても(一方的に攻撃をうけて占領されても)
一向に構いませんという国民のコンセンサス(共通理解)と
覚悟必要なのですnose7

 事ここに至っては …

 白黒ハッキリとつけるべき時の到来を告げている
のかもしれません。

 symbol2 セピア色(情緒的)という言葉に
  負けてイカ墨だらけになる前に

コメント一覧

バカボンのパパのパパ
久々にまともで納得できるノーベル平和賞の受賞者なのだ。
あの若さであの胆の据わりようはなんなのだ!
魂の違いというか、神の意思さえ感じてしまうのだ!
やぶにらみ
「銃弾が私たちを黙らせると思うのは間違いだ。ペンは剣よりも強い。一冊の本、一本のペンが世界を変えられる」
わずか17歳なれど、マララさんの受賞は平和賞にふさわしい。
日本に関して言えば、自衛隊を軍隊としてキチンと認め、そのうえで「憲法9条」の精神を尊重し、それに応じた内容に改正すべきだと考える。
がぶり寄り
能動的で主体的な彼女にこそ、平和賞が似合う。
積極的に活動する闘う姿勢に共感を覚えるし、お仕着せの9条とは段違いだ!
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