最近思うこと・・・。
剣道連盟ブログ、先日掲示板に書き込みいただいたお話を考えるに
マンネリした内容になってしまっている(反省・・)なんて考えて
いたところに、自分の稽古に対して思うことを書いてみたくなりました。
ここのところ壁にぶち当たりなんだか訳が分らなくなっています。
正直なところうまくいかないのを腕が痛いとか自分の稽古が出来て
いないとか・・・・・・・。理由をつけている毎日です。
そんな時、私がいつも購入しているコーヒーやさんからメールが
トピックスみたいな形で飛び込んできました。ちょっとご紹介してみよう
と思います。ちょっと長くなりますがスランプには考えさせられる一説
でした。
コーヒー豆専門店の親父より。
「不動智神妙録」という本があります。
宮本武蔵や、柳生但馬守の師であった沢庵という方が柳生但馬守に、
剣の道のあり方について説いた指南書です。その「不動智神妙録」の中に、
以下のような一節があります。
『はじめて刀をもつ者は、どうやって刀を構えて良いかすら わかりませんから、
何事も心にかかりません。相手が打ち込んでくると、思わず立ち向かおうとするだけです。
それが、刀を構えるにはこう、その時、どんな点に気をつければよいかなど、
いろいろな事を教えられるに従って、あれやこれやと気にかかるようになり、
かえって身のこなしも不自由になるものです。
しかし長い年月の間、稽古を積んでゆくと、どういうふうに身をかまえようかとか、
刀はどうなどとは少しも思わなくなって、ついには、自然に、何も知らなかった
初心の時のように、無心の状態にいられるようになるのです。
最初と最後は似たようなものだということでしょうか。
「一から十まで教えていけば、一と十は隣になります。」
コーヒーの焙煎も、教えられ始めた当初のころはとても上手く仕上げられる時があります。
自分は天才ではないだろうかと思う瞬間です。 もちろんそれはずっと続きません。
コーヒーの焙煎も、年月を重ね回数を繰り返せば繰り返すほど悩みが生じてきます。
コーヒーと言うものは生豆を焙煎釜に投入しいつも同じ火加減で、同じ時間かければ
同じ仕上がりになるというわけではありません。
同じ農園の銘柄であっても収穫された年度によって、生豆に含まれる水分量が異なります。
水分量という要素だけではなく、農作物である以上いろいろなことに違いがあります。
焙煎釜の火加減においても、今のような夏場と、冬場では気温が異なります。
そうである以上、釜の火も同じでいいというわけにはいかなくなってきます。
気温の違いを考慮に入れた上で、焙煎釜の火加減、加えて釜から生豆を出す
タイミングを調整させなければなりません。
そうして、知識や経験を身につけ、自分で試行錯誤していけばいくほど、どんどん
わからなくなって迷路にさまよいこんで行ってしまう時があります。
剣でいえば、いろいろな所に力が入りだして
身動きがとれなくなっている状態の時と同じ
なのかもしれません。考えすぎて見失ってしまうことも多々あるというわけです。
そうして道に迷ったとき行き着く答えは、最初に教えられたことだったということは
まさに「一と十は隣にある」ということです。
もちろんだからと言って教えられたをただ単にやっているだけでは腕は伸びません。
自分の頭で考えて試行錯誤することは私たちのような仕事においては必須です。
ただ焙煎をしていて迷いが生じたとき答えが新しい何かが見つかるのではなく
最初に教えてもらった答えにいきつくこと。そしてそのことは、どの分野でも
共通するということが、とても面白いことだと思うのです。
長くなりましたが如何でしょうか、こんなコーヒー豆専門店の親父が
「不動智神妙録」を知っていた事に驚き又原点に帰る事を教えてくれた
なんて反省しきりの昨今でした。
たまにはこんな事も記事として載せたいなと思いながら、こんなのも良いかな
とか無駄だとかご感想を頂けたらと思います。