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聖書のことばを中心に、2019年12月から、あふれる思いをブログにまとめています

ホセア書

2023-01-30 17:34:53 | 旧約聖書

ホセアはイスラエルと 南ユダ王国に分裂した約200年後のイスラエル北王国に 住んでいました。彼は北王国のことをエフライム またはヤコブと呼ぶこともありました。

ホセアはイスラエル史上最悪の王の一人ヤロブアム2世の時代に 神からのことばを語るように任命されました。その頃北王国は混乱を極めていて紀元前722年になると 恐ろしい巨大帝国アッシリアがイスラエルに攻め込んできて 国を破壊しました。ホセアはその悲劇が迫りくるの を見ていたのです。

ホセア書はそんな時代の25年間 にホセアが語ったこと、書いたことを集めたものでほとんどが詩の形式です。3つのセクションに分かれていますが、それぞれを詳しく見ていきましょう

1-3章ホセアとゴメルとの結婚

まず冒頭はホセアと不貞を働いた妻ゴメルの結婚が破綻した話から始まります。ゴメルがほかの男性たちと関係を持ったのが結婚前からなのか結婚後なのかはわかりません。

ただホセアと彼女の間には3人の子供がいて その家庭は崩壊してしまいました。

しかしここでゴメルの不誠実にも かかわらず神はホセアに彼女を探しに行き彼女の恋人たちへの借金を払い、もう一度愛と誠実をささげよと 言ったのです。そして破綻し修復された結婚子どもたちなどはすべて、神とイスラエルの関係を語るための 預言的な象徴だと言いました。

神はイスラエルに対して誠実な 夫のようでした。奴隷だった彼らを救い出し シナイ山まで連れてきて契約を結んだのです。そしてイスラエルにも自分に対して誠実であるように願いました。しかし約束の地に導かれたイスラエルは そこで神からの贈り物をたくさん受け取っておきながら カナンの偶像バアルに捧げたのです。ですから神にはイスラエルとの契約を破棄し 離婚するもっともな理由がありましたし、そうすることも出来ました。しかし実際にはそうする代わりにイスラエルを改めて愛し 契約を新しくすることにしたのです。なぜでしょうか それは彼の愛とあわれみと誠実さのゆえです。

ホセアはこのことについて詳しく説明しています。神に反逆したイスラエルには他国に侵略され捕囚にされるという報いが迫っていました。けれども将来回復されるという希望もあったのです。いつの日かイスラエルは悔い改め、神を礼拝するために戻ってくるでしょう。そして神は彼らの上にダビデの血筋のメシアなる王を立て、王は民に祝福をもたらすとホセアは言いました。

つまりこの最初のセクションで この書全体のテーマが紹介されているのです。イスラエルは反抗しそれに対して神は厳しい裁きを下すが 神の契約の愛とあわれみはイスラエルの罪に打ち勝つということです。

 

4-11イスラエルに対する非難と警告

続くセクションではホセアは詩を用いてこのテーマをさらに深く掘り下げ ていきます。イスラエルに対するホセアの非難と警告は、二つのセクションで語られていますが、そのどちらも神のあわれみと 未來への希望に満ちた詩で締めくくられています

4章から10章では、ホセアはイスラエルの不誠実さの原因とその結果について述べています。まずイスラエルには神に対する知識と理解が欠けていると繰り返し言っています。ヘブル語では知ることをヤダア と言いますが、これは単に知識として知っている ということではなく、個人的な関係において知っているという意味です。誰かについてただ知っているだけではなく、その人柄を深く知っているということです。神はイスラエルに ご自分のことをそのように知ってほしいと願っていました。神との個人的な関係の中で神の愛を体験し 心と生き方を変えるような知識を身に付け 自分のほうからも神を愛するようになってほしかったのです。

だからこそホセアはイスラエルの偽善的な礼拝を何度も非難しました。彼らが十戒を破り深刻な社会的不正を見逃しながら聖なる神殿におもむき 何も問題ないといった態度で犠牲をささげることを繰り返し指摘したのです。しかし実は問題だらけでした。彼らは偽善的だっただけではなく偶像礼拝もしていたのです。ホセアはベテルとギルガルにあるバアル の祭壇について何度も言及しています。

また彼らが偶像礼拝だけではなく、政治的同盟国のエジプトや アッシリアにも忠誠を誓っていたことを繰り返し責めています。イスラエルは神の守りを信頼する代わりに、他の国々のように軍事力だけを頼みとしたかったのです。 そこで神は、もうすぐそれがすべて自分に降りかかってくると言いました。というのも、アッシリアは間もなくイスラエルに牙をむき、その国土を略奪するからです。

 

12-14更なる非難と警告

 警告を与えるもう一つのセクションの中で ホセアはイスラエルの歴史を引き合いに出して 彼らがいかに初めから不誠実だったかを示しています。たとえば創世記27章と28章にあるヤコブの嘘と裏切り。民数記にあるイスラエルの荒野での反抗。サムエル記第一にある民を罪と災難に導いた 堕落したサウル王の話を例に挙げ、この民族に脈々と受け継がれる 罪を指摘しました。

 

それでは彼はどんな希望をもって いたのでしょうか。3章を見ると神はご自分の民を救い、回復するために何かをするとあり それはこの2つの結びの章の中で明らかにされます

11-未来の希望

 11章は感動的ですこの詩の中で神は息子イスラエルを育て すべてを与えた父親として描かれていますが 大人になった息子は父に反抗し、父の寛大さにつけこみました。そのためこの詩に描かれる神の心はかき乱されています。ある時は怒りに燃え当然のことながら裁きを下すと言います。しかし次の瞬間神の心は引き裂かれ 慈悲とあわれみの気持ちでいっぱいになり 愛する息子を赦そうとするのです。

神は8節でエフライムを引き渡すことなどできない、あわれみで胸が熱くなると言って います。つまり神はイスラエルが罪の報いとしてアッシリアに征服されることを許しはしましたが、それで終わりではなく、まだ希望が残っているのです。

 

14未来の希望

最後の章はそれについて述べています。ホセアはイスラエルに 悔い改めて神に立ち返るように呼びかけますが 彼らがそうしても長続きしないと知っています 今までもそうでしたから。神はいつの日か、彼らの頑なな心を癒し、思う存分彼らを愛すると言いました。そして癒されたイスラエルをしっかりと根が下ろされ 枝は広がり青々と茂り涼しい木陰と果実を国々へ提供する木にたとえています。

これは神がアブラハムに約束したことの象徴で、イスラエルがすべての国々に祝福を もたらすことを表しています。そして神はこれが実現するためには 神の恵みと癒しの力が必要だと言っています それによって堕落したイスラエルの民の罪深い自己中心が癒され 神の愛を受け取り、神を愛することができるようになるからです。これが神の約束なのです

 

この詩の後に付け足しのような 最後の言葉が記されています。これはおそらくホセアの詩を集めた著者が読者に言いたかったことなのでしょう。
知恵がありこれらを悟る者はだれか。これらとはホセアの詩のことです。
主の道は平らだ。正しい者はこれを 歩み、背く者はこれにつまずく。つまり著者はホセアが北イスラエルに向けて書いた詩の内容は 過去に限ったものではないと言いたいのです。これは神の性質と目的、そして人間の性質についての深い真理なのです。そして神は人間の罪を義をもって 裁きますが、究極の目的はご自分の民を癒やして救うことです。これがホセア書です

(8) ホセア書 Hosea【概観】 - YouTube


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