マーシャルクラス5をブーストさせるペダルがBB-2に落ち着いたと思ったらやはりこれが出てきてしまいました。youtubeではどれもファズのように歪きった動画しか上がっていないので一般的には音のイメージが良くないのですがホットケーキは真空管アンプをしっかりドライブさせる名機です。オーバードライブの使用方法は様々で開発者もどんなジャンルでも使えるようにデザインしますが用途方法と中身が一致する製品のマッチングは難しい。
その昔は雑誌や楽器店に行くしか情報はありません。持っていてもみんな黄色のものがお約束でしたが今はなんたってyoutube。素晴らしいプレイと周辺機器で圧倒するのもあればメーカーの動画なのに残念なプレイで幻滅するのもありいろいろ。世界各国から個人製作家からメーカー、ショップオリジナル、別ブランド、改造系と膨大な数のドライブペダルが毎日リリースされています。少し昔ではマーシャルをブーストさせるには世界のbossだとかフェンダーアンプにはTS、ジミはファズだとかパターンがありましたが極端に少ないのはパワーチューブを奮い立たせるブースター。レベルだけを上げるクリーンブースター的なのもありますがそこはやはりオーバードライブのような太さが必要です。クランチ成分がふんだんにある小型チューブアンプにはミッドレンジが太い一般的なオーバードライブはどうしてもピッキングタッチの反応が鈍くアンプ本来のパワーチューブのクリスピーさにオブラートをかけてしまう。クリーンブーストが出来るペダルでもどうしてもミッドレンジが出過ぎてしまいます。
結局オーバードライブ自体がエレクトリックギターのブレークしたオイシイ帯域のミッドからハイにかけてを持ち上げているトーンなのでフラットなトランジスタアンプで特徴を出すようにデザインされています。チューブギターアンプ自体の飽和状態がミッドハイのドライブなのでそこをよける帯域の増幅があればバランスよくなりますがそんなペダルがこのホットケーキです。単体でフラットなアンプに使っても汚い音にしかならないのでマニア向けの高額なドライブに位置づけされています。このドンシャリなトーンを持ったペダルは1チャンネルのA級アンプのグラッシーなクランチとトーンがおいしくリンクしていきます。ギターのボリュームもフルアップでトレブルがカットされていく動きがあり高音弦に余計な倍音がついてきません。アンプが小音量の時は1,2弦が弱く感じますがアンプの音量を上げアンプ自体のドライブと合わさるといいバランスで出力されていきます。しかし、受け側のアンプトーンに反応していくやり方なので判断も難しくなっていきギターのボリュームコントロールにトーンがシビアに反応するのでそこがピンとこないギタリストだとまったく使い物になりません。これと同じニュアンスがケンタウルスにも感じ取れます。ギタリストのほとんどがプラグインした瞬間ピンとこないペダルの典型ですがシンプルなチューブアンプと出会って初めてわかるあの感覚。
ケンドリックアンプのケンフィッシャーがイチオシというだけあって1チャンネルチューブアンプでの使用が前提になっているのも難しい原因です。確かにツイードデラックスに使うとオーバードライブがより太くクリーミーになった記憶が。所有している歪ペダルを全てチェックしてみましたが使うアンプによってそれぞれ力の出し方がみな違います。オペアンプが何だとか、FETだとかハンドワイヤリングだとかつい語ってしまいがちですがギタリストはみな自分の使い方を棚に上げてしまいますからね。
そんなハイエンドに偏ってやっていましたが、久しぶりにBossのOD-1とOD-3を引き比べしましたが新しいOD-3は歪のレンジが広く素晴らしい。製作側の考えられた意図がよくわかります。コストパフォーマンスや総合的な完成度をみるとやっぱり世界のBOSSですね。