Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

ムック本

2015-03-13 13:06:59 | BOOKS

楽器関係のムック本に関しては何度か書いていますが元祖といわれているリットーミュージックから出た「フェンダー・ストラトキャスター」が国内ではすべての基本になっているものと思われます。それまでの専門書は雑誌からの簡単な編集モノや別冊、洋書でしかなかった時代に衝撃的でした。ビンテージブームや80年代のブルースリバイバルの幕開けとリンクしています。他にも岩撫氏の「ギャラクシーオブストラト」や「ザ ビューティー オブ ザ バースト」など歴史的な傑作もありましたがこれ以後、どれも同じような内容や焼き直しでこれらの本を超えるものはありません。最近だと雑誌媒体より専門サイトのほうが詳しかったり素人ライターの自己満足書き放題モノ、有名ギタリストのインタビューや名盤紹介等ネタが尽きた感がありました。特に最近は内容が弱いので付属DVDで高額な攻撃をしてきます。そんなDVDも同時にyoutubeに上がっていて我々ムック本オタクも少々冷め気味です。

そんな矢先に強烈なシリーズ。シンコーミュージックから出た「オーソリティ オブ ストラトキャスター」とテレキャスターは別格ですね。時代的なスペックの違い等はもちろん徹底的なパーツの研究が素晴らしい。いつもメインはストラトでテレキャスターはオマケ的な扱いですが今回は違い70年代のデラックス等渋いアイテムも細かく調べ上げています。写真も過去の使い回しではなくビンテージの迫力あるアングルが随所に。こう見ると70年代に入ってからのフェンダーは様々な商品を出しますがどれもビザール風だったり変なゴールドパーツを使用していたり失敗とわかるような味わいがあります。オジサンには懐かしく若者にはお洒落で新鮮なデザイン。

ネットで見るのもいいですがこの類はやっぱり紙ベース。


THE BEAUTY OF THE ’BURST

2011-06-24 14:30:23 | BOOKS

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1997年にリットーミュージックから出版された「THE BEAUTY OF THE ’BURST 」

もちろん1958~1960年までのギブソンレスポールサンバーストだけの学術書のようなものである。これは後に復刻されたペーパーバックですがオリジナルはハードカバー付で今では数万円もしいて本までビンテージ価格になっている代物。

著者の岩撫安彦氏は現在日本ギブソン社の社長であるが以前、初期のフェンダーカスタムショップのマスタービルダーでビンテージギターを知り尽くしている人。その製作者からの目で写した写真が美しいのなんのって。専門洋書の上をいくクォリティーだ。PU、パーツ、材料の切り出し方法等マニアがエキサイトするものばかりだ。しかし、これは英語バージョン。内容を理解するまでかなりの時間がかかりそう。

こんなのを読んでいたら沸々とレスポール熱が高まりそうで恐ろしい。ギターに興味を示したころもっぱらレスポール派でナビゲーター、バーニー、グレコと全てレスポールスタンダードモデル。そしてついにブラックのギブソンカスタムを入手したのが二十歳。石のように重たいカスタムも今になってしまうといい音がしていた。その後、知人が1956年製の本物ゴールドトップを入手しその時、当時のビンテージとコピーモデルの違いに唖然とした記憶がある。ネックは極太だがエッジがなく70年代後半の重いフェンダーよりずっと軽量。

知人がそのハムバッキングPUに改造されていたゴールドトップを手放したときに購入できなかったのを機会にレスポールとは縁が切れた気がしていたが、あれから二回りしてまた何か悪い予感がしてきた今日この頃。

昔の何か違う復刻レスポールと違い今はギブソンでもヒストリックコレクションがあるので現実離れしたビンテージを持たなくてもいい。それをまた究極にチューンナップするショップがあったりで商売が商売を生む。お亡くなりになったゲイリームーアだって昨年来日の際に渋谷に買いに来たとのこと。現在作られる最高級のレスポールが東京に集まっているというのも凄い話だ。

ギブソンのレギュラーラインのスタンダードは重量調整の穴があるようで軽い。セミホローレスポールがいやなら一昔前の重量級レスポールにするか厳選した材料で作った昔ながらの製法の高額ヒストリックか悩むところ。どうせ軽く加工しているのならチンタオエピフォンでもいいかと悩まして結局オジサン達にヒストリックを買わせてしまう巧妙なギブソン。それにこんな本を読んでいたらそのハイスペック欲求をフルに増加させてしまう。著者の岩撫氏はその後、日本ギブソン社長ということはこれは高額なカタログ本だったのか。

ストラト本の「ギャラクシーオブストラト」も読みすぎてテープで補修しているので復刻願いたいところ。この歳になってまだカタログ好きとは呆れます。


ES-335本

2010-11-18 02:40:59 | BOOKS

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335を掘り下げるにはまずはウンチクから。335に関しての本は専門誌の特集か写真集的ムック本しかなく日本での編集はどれもきれいだがディープ度合いに欠ける。

こうなるとやはりパワフルなのが洋書。英文も興味がある分野なのでよく読めば何となく理解できる。楽器の写真はよくないがブルースミュージシャンのショットは最高にカッコいい。モノクロがほとんどで歴史書のような感覚が重みを増す。見たことのない仕様、モデルが存在しバリエーションは多様。それだけギブソン社が当時先端のセミホローボディに力を入れていたかが理解できる。トラッドなスタイルとソリッドの大音量での実用性を兼ね備えた設計はテッド・マッカーティの力が大きい。レオ・フェンダーと並ぶギター界のイノベーターが生みだした傑作の隅々までがよくわかる実用書。