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Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

ニューペダルボード

2016-03-14 09:44:25 | PEDALS

新しいペダルボードが完成しました。今回はスイッチャーの導入でレイアウトが大幅に変更。今回のボードは空間系が無く、歪に焦点を絞ったスタイルです。スイッチャーは最近話題のワンコントロールの5ループのプログラム機能無しのシンプルなバージョン。小型で場所をとりませんがループ数が増えると数だけ繋げたくなって結局いっぱいになる弊害が。スイッチャー未経験者には音ヤセなどの劣化が気になるところですが恐ろしいことにほとんど気になりません。これはバッファーが無いタイプですがトレブルやローが無くならず自然です。ギターからアンプにダイレクトとスイッチャー経由ではダイレクトのほうが微妙にレベルが高いような感じがしますが意識して比べない限り違いはありません。昔からある粗悪なパッチケーブルの方が変化のインパクトが大きいですね。チューナーアウトと電源供給まであって至れり尽くせり。音質重視のトゥルーバイパスのペダルにありがちなスイッチングノイズはこのスイッチャー経由で消すことが出来ます。使い方はアンプセレクトにも使えて多機能ですが信号がシンプルにループ1から順番にループ5に流れるシンプルな直列配線。

ペダルボードではパワーサプライが必需になります。カスタムオーディオジャパンのAC/DC Stationはコンパクトで電源ケーブルが場所をとらない配置となっていてノイズもなし。スイッチャーにも電源供給がありますがやはり電源は専用機で。配線レイアウトはギターから自作のジャンクションボックス経由でワウペダルに入ります。そこからスイッチャーに入ってループでファズフェイス、マッドプロフェッサースウィートハニーODクローン、ホットケーキクローン、ケンタウルスクローンにいってスイッチャーアウトからジャンクションボックス経由でアンプという形です。途中、コルグのチューナーに分岐するので音には影響ありません。ケンタウルスクローンはクリーンブースト設定で上乗せするのはホットケーキクローンだけ、フェズフェイスとスウィートハニークローンはそれぞれ単独使用がいいようです。アービターの復刻ファズフェイスは所有しているファズの中で一番音が気に入ってますが何せ冬場は発振、音切れに悩まされますのでこれからの時期の限定使用です。歪がこれだけあるのでディストーション的仕様よりあえてファズの個性を出すためアンプは最小クランチ設定です。ファズフェイスとワウは電池駆動なのでインプットのプラグ抜き差しが一手間。

ペダルの固定方法もいろいろありますがマジックテープは裏面が汚くなるので好きではありません。BOSSのボードであったようにクッション材をくり抜いて固定します。10mm厚のポリエチレンフォームをくりぬく作業がプラグの大きさからペダル間の距離やケーブルのとり回し経路を考えながらなので結構大変です。くり抜く大きさはペダルの寸法より少しだけ小さくするのがよりタイトに固定できます。ファズフェイスはゴム足部分3個だけで固定できますがワウペダルはゴム足の高さが無く、底面がポリエチレンフォーム上に浮く感じになり踏んだ時のダイレクト感が無くなるので全面くり抜きです。スイッチャー上部のケーブル接続部分は大き目にくり抜いてケーブルを流すスペースが必要です。ポリエチレンフォームは柔軟性もあるので細くなった部分は特にくり抜いた後、両面テープでボートに直接貼るとよりタイトになります。実際は置いているだけなのでボードを逆さにするとペダルは落ちてきますが通常使用ではビクともしません。移動時は蓋の裏面に40mm厚の波型スポンジを高さのあるワウ以外に張るだけでガッチリと固定され振り回しても中で音もしません。

さて、ペダルボードでのメインイベントのパッチケーブル製作です。このような密集した空間ではベルデン8412なんて使えません。ダントツに細くて高性能、プラグが最小となると最近お気に入りのLAVAケーブルでしょう。中の芯材が太めの単線仕様のLAVAのタイトロープがベストですね。単線専用のプラグでソルダーレスは自由な製作が可能ですがしっかりテスターで確認しながらでないと接触不良を起こします。特に単線をまっすぐにしてプラグ中心の受け穴にきちっと入れないといけません。入った瞬間にカチッと2回音と感触が伝わるのが快感になってきます。詳しくはyou tubeを参考に。前段のジャンクションボックスからワウに行く青いケーブルはLAVAケーブルのミニウルトラマフィック。高純度の銅線に銀メッキというハイスペック線でスペースもあるのでG&Hのプラグを使用。チューナーのインプット部分のスペースがなかったのでLAVA CABLEのプロデュースモノのスイッチクラフトの♯229を初めて使いましたがガッチリしていてお洒落。国産の薄い鉄板で作られたタイプとは大違いです。しかし、これだけ複雑にケーブルの取り回しがあってもノイズと劣化はほとんどありません。恐ろしきLAVA CABLE。

ペダルボードは急がずゆっくりプランを練って週末の2日で製作がオススメ。事前のパーツの個数を確認しておかないと完成直前にプラグが1個足りない等というアクシデントもあるので要注意。


ARMOR

2016-03-11 10:44:28 | PEDALS

ペダルボードでの重要なアイテムのケースも最近は多様化しています。ケースとボードがセパレートになっているもの、スノコタイプ、斜めに傾斜しているものなど周辺機器での一つのジャンルとなっています。その中でも古典的なのがこのケースタイプですが昔はダンポール紙のようなもので形成されたものも多くありました。このジャンルでは業務用のタフなモデルがこのアルモア社製のエフェクトボード。このメーカーはラックエフェクトケースやPA機器のケースのイメージしかなかったのですがボードも様々なモデルを製作しています。その中で一番ポピュラーなのが約50cm×30cmのPS-2Cという品番のモノ。ファイバーとアルミフレーム構造でケース重量が4.5kgというヘビー級でハンドルも強めのバネで常に収納されている設定、フライトケースのようなキャッチロック付はエフェクターケースにしてはオーバースペック気味ですがパワーサプライやスイッチャーの導入で大型化しているボードでは安心の内容です。ペダル固定方法もユーザーの自由度を上げるためペダル接地面は何も貼っていないボード状。

ボードは大きめを想定しないとパッチやDCケーブルの取り回しでタイトになり、ましてやスイッチャー等を入れるとそのループ数のペダルをつい置きたくなってFull状態です。数年前までいいチューブアンプとギター、質のいいドライブペダル1個あればいいという感じでしたが最近はこのペダルボードもまた重要なポイントになっています。

音の劣化を最小限にするためのパッチやプラグ、電源までトータルにチューンする奥の深い世界はこれまた楽しい。ピートコーニッシュやボブブラッドショウの気分とは程遠いですが。

 


ジャンクションボックス

2016-03-07 11:21:05 | PEDALS

新モノのペダルも増えてきたので新しいボードを製作します。最近はボードの周辺機器も多様化しついていくのにやっとです。ボード内のインとアウトをまとめたターミナルのようなものがこのジャンクションボックス。スルーボックスともよばれていて昔は完全に無かったアイテム。スイッチャーが各社からリリースされたのとコンパクトエフェクターが高性能になったのもこれらが増えてきた要因の一つです。構造もシンプルなので自作してみようかなとやってみましたがパーツをそろえたら市販のものと価格的にあまり違いは無くなりますけど。

ボックスは小型ペダルで最近よく見かけるハモンドの1950Aを使ってジャックはスイッチクラフト。上面の頻繁に抜き差しを行うところはミルスペックを使用、配線材はビンテージWEの単線でボックスはセミ鏡面仕上げ。機械が無いのでひたすらハンドポリッシュニングが一番大変です。裏蓋はそのままなので2トーン仕様、シンプルな程仕上げがポイントになってきます。ボックスが小さいので必然的にレイアウトは限定されてきますがボード内でもスペースをとらないのがいいですね。

中にはバッファ入りやスイッチャー機能もあるモノがあってこれはこれで熱いジャンルの一つです。

 

 


MAD PROFESSOR Sweet Honey Overdrive クローン

2016-03-04 14:52:17 | PEDALS

最近のフェイバリットの個人製作家のクローンシリーズ。ウルサ型のギタリストの会話に必ず登場するフィンランド製ペダルのクローン。オーバードライブというよりブースター系ですが単純にクリップさせる代物ではないですね。これは本物のハンドワイヤードタイプより丁寧で美しい実線配線。電池スペースまで広くとったキャビティは確実なハンドワイヤードを実現させゲインの高い太いサウンドですがそのため、電池は使えません。

いろいろなところで書かれていますがこれはほとんどチューブアンプ。コンプレッションがほとんどなく音量を上げていってザラつき始めるフェンダーブラックフェイスの質感そのまま。そのためタッチに敏感に反応しダイナミクスが自由にコントロール可能ですがしっかり弾かないと荒も出やすいですね。しかし、トランジスタアンプがそのままチューブに変貌します。フラットに全部の音域に真空管の艶をつけていくのでシングルコイルでもハムバッカーでもどちらでもOK。ガッチリとコンプ感を求めるなら別のペダルをお勧めしますが下地にずっとかけていたくなるような風味があります。これは9V仕様ですが18Vの太さが感じ取られるのはいい線材でハンドワイヤードしている影響かもしれません。

昨今では一般的なカテゴリーのブースター系もかなりありますがオーバードライブになりきれなかったようなハズれペダルもよく見かけます。しかし、これはオーバードライブではない独立したブーストペダル。アンプのクランチを利用すると太いコンプ感も出ますがクリーン設定でクリスピーに弾くのがいい感じです。トーンノブがミッドレンジだけにかかっているような独特な効き方が実用的な周波数に反応してきます。このペダルは他にブースターやオーバードライブと合わせないで単体で嗜みたくなるシングルモルトのようなトーンをもっています。ブレンドしていいペダルもありますがドライブのマッチングはひじょうに奥深い世界です。このパターンになるとドライブペダルだけでいくつもセットアップしなくてはならないので本格的にボードの製作に取り掛からないとなりませんね。

このようなある程度ジャンルやギタースタイルを限定したペダルは面白いものが多い傾向にあります。元は万人向けナショブラペダルを模倣したに過ぎないところから成熟して高品質なものが生まれてくるパターンですが、それも評判になってくると大量生産をして儲けたくなってくるのが人間の性です。そのためメーカーはプリント基板の使用、別のメーカーに委託生産などコストダウンをはかり売りやすく工夫をしてきます。次第にそれをまた模倣して高品質なアレンジモノがまたリリースされたり、個人の製作者が直接販売したりと受け継がれていくのがエフェクターなのでしょうね。所詮ドライブペダルの回路は出尽くしているのでパーツの乗数や選定で世界中で展開されています。知人のギタリストは南米や南欧製のマニアックなオーバードライブもあるとのことでコレクションを始めていますが斬新でとんでもないモノもあるらしいです。

 


オーバードライブのコンビネーション

2016-01-06 10:43:40 | PEDALS

ドライブペダルを2台使う場合は意外と難しいものです。素晴らしいハイエンドを2台使っても良さが倍になるかというと全く逆の安い歪に化けてしまうことも多い。またファズとワウのように繋げる順番で別の音になってしまったりと意外と奥が深い分野です。オーバードライブ自体がチューブアンプを飽和させたというテーマをもっているのでクリーンなアンプをクランチさせたり、クランチしたアンプをブーストさせたりと使い方でペダルの評価が全く違ってくるのがよくあります。特に伝説化したケンタウルスはブースターで使用する話をよく聞きますが実際はどうでしょうか?。基本になるアンプの種類やセッティングでも質感は変化しますのでそのペダル自体の良さを引き出すには試行錯誤が必要になってきます。

さてこのケンタウルスクローンとホットケーキクローンのコンビネーションはどうか。どちらを前段に持ってくるか、つなげる順番、変化をどうつけるかが最重要です。まずはスタンダード的なやり方のホットケーキを前段にしてケンタウルスでブーストするスタイルは今一つピンときません。ドライブを2台使う場合、後ろのペダルのニュアンスが強くなるのでホットケーキのドライブをクリーンブースト的にするとミッドが持ち上がりサスティーンは少な目でリードギターの醍醐味がイマイチ薄くなってしまいます。そこでケンタウルスのドライブをあげるとミッドがTSのようになって意味が無くなります。そこで前段にケンタウルスをもってきてクランチさせホットケーキでブーストさせるとホットケーキのキャラクターが前に出過ぎてケンタウルスの存在感がゼロになってしまいます。それぞれのバッファの影響かもしれませんが2台の歪でをうまくブレンドさせ、かつ歪のトーンの統一性を持たせるにはこのコンビネーションでどうするかです。この状況はオリジナルの現物でもクローンでも同じ。

ホットケーキはやはりギターから一番近い位置で繋げます。後ろにケンタウルスをもってきて基本のクランチを後段のケンタウルスで作り、ブーストを前段のホットケーキから後ろへ流し込むのが一番自然なドライブを作れます。余計なミッドの盛り上がりも無く太いケンタウルスクランチにナチュラルなサスティーンが加わります。単純に発想の転換ですがギタリストは後付の部分でパワーアップを図る癖があるので盲目になりがち。「プレキシマーシャル直結フルテン」のような度々悪影響を及ぼすスローガンがギター弾きにはびこっているのでしょうがないですが。エフェクトスルーのチューブアンプ自体のサウンドもクリエイトする場合、余計にこのエフェクトの繋げ方が重要になってきます。裏を返すとアンプや周辺機器の環境でこれだけ違いの出るペダルですから次々とリリースされても話題になるのでしょう。評価が様々というほうが一番商売につながる傾向もあるのでメーカーから個人製作まで幅広く存在します。

そんな中、よく取説やメーカーサイトには定番スタイルは無く自由ですが「ギタリストのセンスにお任せ」という投げやりな言い方もよく見かけます。実際はそうなんですが50年前の真空管アンプやビンテージギター!なんて言っているオタクギタリストにセンスを言うこと自体ナンセンスのような気が。