友人からメールが届いた。
天気が良いので昼休みに乃木神社に散歩に出かけた、と写真が一枚添付されていた。
乃木希典の像だろうか・・
子供を諭すように頭に手をあてている。
「印」という字を思い出した。
手で上から押えて、ひざまづかせている形。
上からおおう様に押さえる動作から、印鑑の「印」の意味で使う様になった。
メールをくれた友人、東園基昭氏は年齢は僕より一つ上だが予備校で知り合って以来、大学でも同じクラスで日本画を学び、今日に至るまでお互いに変わらぬ友情をはぐくんできた貴重な存在である。
制作の方も最近めざましい活躍をしている将来性豊かな日本画家である。
4月2日から開催される「アートフェア東京」に、彼はとある老舗画廊から個展形式で作品を発表することになっている。
ぜひ多くの方に足を運んで頂き、生の作品の素晴らしさにふれて頂きたい。
ちなみに彼の作品の右上に押されている「恬淡(テンタン)」という印は、以前彼に依頼されて僕が彫ったものである。
いつもいつも使ってもらえるのは、友として嬉しい限りである。
広い会場内で見つける事ができるかな・・
絵や書を観る時には、作品の内容そのものの陰に隠れたこうした部分に目を配ることで、より広く、深く楽しめるはずである・・
最近はそのあたりの意識が描き手の側でさえ不十分なことが多いので、ぜひ観る側からでも意識を高めていただければ・・