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■起業家育成塾プロの仕事術

専門家の見方と仕方と姿勢を学ぶ

人材採用の極意1      アドステージ・ヒストリー

2008-08-29 07:00:00 | 専門家インタビュー
      
 ■人材採用の極意 「会社を変える人財の採用法」
とは
         
 設立19年の株式会社アドステージが贈る様々な企業の成
 功事例です。あらゆる業界の人材採用のお手伝いをしてきた
 経験をもとに、様々な企業が成功した事例を連載でご紹介し
 ていきます。この成功事例をもとに企業様の求める人材が
 採用できるようになることが目標です。
    
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 ■株式会社アドステージ プロフィール
   

 
 株式会社アドステージはリクルート出身の吉田学が
 1989年に設立した求人媒体の広告代理店です。
 「お客様の側で自己実現」をモットーに、私たちはお客様
 の事業課題を人材の面から共有させていただき、解決策
 をご提案し、お客様の成長に貢献することをメンバーのミッ
 ションにしております。
     
 
 吉田学のトップインタビュー記事は こちら
        
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 ■プロローグ 「アドステージ ヒストリー」
  ~たった1枚の福沢諭吉から年商3億円に成長~


 平成元年に設立したアドステージは今から15年前バブル
 崩壊の影響をモロに受け、倒産の危機に陥った。何をして
 もうまくいかない日々、やがて従業員も離れていき、残った
 ものは挫折感とたった1枚の福沢諭吉だった。
  
 家族からは「田舎に帰っておいで」という優しい言葉、もう
 ダメだという弱気な自分と、逆境に負けたくないという自分
 がいた。
 
 アドステージが1万円から年商3億円になるまで成長できた
 のはなぜだろうか?
 
 結局、吉田は田舎に帰るのをやめて、会社経営を続
 ける決断をした。やらなければならないという状況の中、
 次のことを実施した。

 ①人材の再構築。当時社員が7~8名のうち営業が3人
 いたが、営業3人が希望退職し、営業は社長1人とアシス
 タントの体制に変えた。結果、人件費の圧縮と顧客の評価
 =社長の評価という絞り込みができた。
 
 ②顧客ターゲットを飲食業と運輸業に絞込んだ。
 飲食業と運輸業は不人気産業と言われ、なかなか人材が
 採用できない業種。その業種にターゲットを絞り込み顧客
 との信頼関係を深めていった。その信頼関係の構築により
 顧客が顧客を紹介してくれるようになった。

 その結果、借金を3年で返済した。今まではすべて吉田が
 営業を行い、アシスタントに仕事を振っていく体制だった
 が、いつまでも社長ひとりで舵取りを行うわけにはいかず、
 少しずつ戦力になる人財を採用して吉田の顧客を新人
 に任せていく体制にした。
 
 順調に成長している中で、設立15年目に3つの壁にぶちあ
 たる。1つ目は年齢を重ねるとともに、若い読者の感覚がわ
 からなくなっている自分に気づいた。2つ目は自分が接してき
 たお客様が世代交代していき、やりにくくなってきた。3つ目は
 社員の評価が自分のモチベーションになってきたことであった。

 ここで一気に会社を拡大すべく、今までの人員の3倍の
 人材を採用。社長の遺伝子を新人たちに注入していった。
 しかし人材育成と業績アップのスピードがかみ合わず、
 リーダー候補の中途人材を2名採用した。
   
 人材育成するために様々な制度を導入した。リーダー制
 やサブリーダー制を敷いて社員のモチベーションを上げた。
 また給料制度も明確化し、社内研修制度も充実させてきた。

 その結果、18年目には年商3億円までに成長し、無借金
 経営ができるようになった。
 
 崖っぷちに立ったとき、人が「本気」になれば、必ず成長・
 成功できるということを身を持って経験した。
 
 今は若者の本気の力を花開かせる手伝いをしていくことに
 「本気」になっている。。。
       
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 株式会社アドステージのホームページはこちら
     
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セレンディップ・コンサルティング 高村徳康 社長

2008-06-30 06:00:00 | 専門家インタビュー
「プロの仕事術」では
専門家の方々に現場で実践されている
仕事の仕方や姿勢についてお話いただきます。
・その考え方や行動の仕方を次の世代に伝えること。
・その専門を目指している方の参考になること。
・いろいろな仕事や活動に生かすことができること。
  が目標です。
   
今回のゲストは
セレンディップ・コンサルティング㈱
代表 高村 徳康 社長です

    
●日時 2008年5月19日 17:00~19:00 
●場所 栄アパホテル カフェ リエール 
●セレンディップ・コンサルティング㈱の詳細は 
こちら
●インタビュアー 塾長 三潴 克彦(みつま かつひこ)
 
●高村徳康氏 プロフィール

名古屋大学卒業後、証券会社に就職。
証券アナリスト、ファンドマネージャーを歴任。
6年後に監査法人トーマツに転職。
東海ビジネスドットコムに出向。
900社を越すベンチャー企業の支援に携わる。
その後独立して、現在は
セレンディップ・コンサルティング株式会社
シンク パートナーズ株式会社
2社の代表取締役
 
・公認会計士
・日本証券アナリスト協会検定会員
・名古屋大学 客員助教授
・岐阜大学 客員助教授
 
015b
今回は企業の資本政策と財務面の支援を中心に事業を
展開させているセレンディップ・コンサルティング代表の
高村徳康社長にお話を伺いました。


  
◆現在のお仕事について聞かせてください
 
セレンディップ・コンサルティングの事業説明をさせて
いただきたいと思います。事業は大きく分けて3つあります。
  
1つ目は、財務面で困っている企業様へ、当社のパートナー
である公認会計士がお伺して、相談・分析・提案をさせて
いただきます。
         
2つ目はコンサルティング事業です。上場を目指す企業に
事業計画書、中期経営計画書の作成方法の支援をさせて
いただきます。また、財務面での資金繰りの計画なども
立てています。
 
経営者の方々に夢やビジョンを語っていただき、それを文書と
数字に落とし込む支援をさせていただきます。
 
3つ目はファンド運営です。上場を目指している企業に
対して、資本政策のアドバイスや財務戦略を立案のうえ、
出資をさせていただきます。また、機関投資家や
個人投資家へのご紹介もさせていただきます。
主な対象企業は東海地区のベンチャー企業、
中小企業、オーナー企業が中心です。
※シンク パートナーズ㈱でファンド運営
       
また、私たちの業界は事業を行う際にデューデリという
審査を行います。事前に先方企業を調査することです。
これはこの業界ならではの専門的な手法になるのではない
かと思います。
 
投資やM&Aを行う前に、企業の財政状況などを知り、
投資対象の精査をするわけです。
 
投資対象の企業や財務、商品の将来性をよく見ておくことです。
これをしっかりやっておくことで、実際に行動に移す際の
リスクが少なくなります。
 
 
◆ファンド業界の動向はどうなのですか
 
業界全体は悪いと言われています。前年(2007年)まで、
160社前後が上場していましたが、今年(2008年)は
50社~60社くらいになりそうです。
 
理由は日本の新規市場は海外市場と比較して規制が多く、
海外からの魅力が無くなり、海外の投資家が日本の市場に
今までのように投資しなくなったことが挙げられると思います。
 
 
◆クライアントをどのように開拓しているのですか
 
投資先の開拓は飛び込み営業も行っています。最近は持ち
込み案件をいただくことが増え、以前よりも営業は減りました。
一方、コンサルティング事業のクライアントは多くがご紹介です。
   
 
◆お仕事の魅力は何ですか
 
企業を支援させていただく仕事を始めてから、会社について
様々な見方ができるようになったことだと思います。会社と
言うよりは様々な社長とお会いする中で気づいたことと
言った方がいいかもしれません。
 
2000年頃、この時期は長く続いた不況の最後の時期
でした。この時、起業家の方々は不況を「チャンス」だと
言っていました。楽観的な印象を受けました。話す言葉も
明るく、前向きでした。
 
一方、もちろん全てではありませんが、大企業の方々は
「危機」と言っていたように思います。「どうせやっても
うまく行きっこない」というネガティブな言葉を多く耳に
しました。
 
このような考え方の違いがその後の各企業の発展に大きく
関わっていったのではないかと思います。
 
不況を前向きに「チャンス」と捉えていた会社は、
その後、成長したように思います。しかし「危機」と捉えていた
会社は具体的な施策ができず衰退してしまったのでは無いか
と思います。もちろん全てがそうではないと思いますが。

つまり、考え方の違いが企業の発展や成長、逆に衰退する
ことに大きく関わるのではないかと思うようになりました。
 

005b
 
 
◆会社を見る指標となるものはありますか
  
そうですね、一概に言えることではないと思いますが、
会社の「売上げ」という側面から気づいたことがあります。
 
まず、1億円からなかなか伸びていかない会社ですと、
社長が講演会や異業種交流会に頻繁に出られている方が
多いように思います。明確な目的を持って名刺交換、
人脈を広げるというよりも、多くの量をこなしている
印象を受けます。
 
次に、3億止まりの会社の場合は、経営がテクニカルに
なってくるように思います。具体的には、代理店を作った
り、FCを行うようになり、当初、自分が起業した際の思いや
ビジョンを忘れてしまい、他力本願の経営になっている
ことが多いのではないかと思います。
 
また、売上げにだけ注意を払い、経常利益を把握できて
いない会社が多いのではないかと思います。
 
10億の会社ですと、かなり売上を作ることに関しては
得意としているのではないかと思います。ですので、
銀行等のファンが多くなってくると思います。
 
ただ業界によっては10億の壁というものがあるらしく
なかなか思ったように経営できていない会社もある
ように思います。
 
「売上げ」と「利益」についての考えが経営者の方の
中ではさまざまだという点も面白いと思います。
 
売上げ志向の会社もありますし、規模を追求せず利益志向
の会社もあります。経営をどの点で、いかに判断するかは
それぞれの経営者の方によって違ってくると思います。
 
ベンチャー企業ですと、利益よりも売上げを追求している
会社が多いようにも思います。
 
 
◆公認会計士になったきっかけは何ですか
 
私の場合は、きっかけは高校生の時だと思います。
2年生の時に文系か理系か選択する時期でした。
当時、進研ゼミを見ると、文系の経済学部の最高資格は
公認会計士と書いてありました。
 
公認会計士の詳しい仕事内容などは、当時はわからなか
ったのですが、自分に向いているのではないか、と直感的に
思いました。そして、名古屋大学の経済学部に進学しました。
 
でも、大学時代に会計士の勉強はしませんでした。
会計士を目指している先輩のお話を聞いたら、会計の
話題ばかりだったんです(笑)。
 
これはちょっと違うな、もっと視野を広げたい、と思い、
会計の勉強は一旦保留にしました。勉強をすぐに
しなかったことには他にも理由がありまして、当時、
野球に精を出していたこともあります。
 
また、会計士の勉強をする前に、社会を詳しく知りたい
と思い、就職活動をすることにしました。
 
受けた会社の数は150社ほどでした。とても勉強に
なるので、途中から就職活動が楽しくて仕方がなかった
です(笑)。当時、就職活動で学んだことを書き記したノート
を未だに持っているくらいです。
 
最終的に、内定を頂いた中で岡三証券に入社しました。
飛び込み営業もさせていただきましたが、これが一番
楽しかったですね。
 
数年勤務の後、公認会計士の勉強のために退職を決め、
2年間、専門学校に通いました。そして、29歳の時に
資格を取得しました。
 
それから、トーマツに入社しました。監査から、その他
にも、様々な仕事をさせていただきました。ここで会計士
としての勉強をさせていただき、その後に、32歳の時に
東海ビジネスドットコムというベンチャー支援組織の立ち
上げに関与することになります。
 
013b
 
 
◆東海ビジネスドットコムはどんな組織だったのですか
 
事業はベンチャー企業の支援でした。大企業の様々な
事業部の方々に私たちの会社のサポート会員になっていただ
きました。サポート企業は200社ほどでした。
  
ベンチャーの案件を持っていき、ご支援いただく仕組みを
作ったのです。 
 
ベンチャー企業の資金面、技術面、人財面、販路面などの
マッチングの媒介を支援させていただきました。
 
現在の私の礎をつくった組織と言えます。
 
 
◆理想の人生と将来の夢について聞かせてください
 

50歳になった時に資産を10億円貯めておきたいと思って
います。今の仕事を継続して行っていき、日本だけでは無く、
世界の起業家も知りたいと思っています。
 
どんなビジネスモデルがあるのか、どんな起業家がいるのかを
自分の目で確かめ、3人の起業家に3億円づつ投資を行いたい
と思っています。
 
残りの1億円は、いつも私を支えてくれている奥さんにあげ
たいと思っています。
 
 
◆夢や目標に向かって頑張っている人に一言お願いします
 
何事に対しても「できるか」「できないか」で考えるのでは
なく、「やる」か「やらないか」で考えて行動して欲しいと
思います。
 
会社で投資を検討する場合、対象企業のダメな部分や
理由はたくさん見つかります。でも、ベンチャーキャピタリストの
本当の仕事は、そんな中、一点でもその会社の光るもの
―とんがり―を見つけ、そこを信じて伸ばすことだと思います。
  
これは、自分がこの仕事を始める時にも強く思いました。
将来自分が投資を行おうと思っている起業家の人たちも
そういう視点で見ていきたいと思っています。
 
是非、皆さんも頑張っていってください。
 
 
◆本日はお忙しい中、本当にありがとうございました
 
 
****************************
 
本日は貴重なお話をありがとうございました。
監査、ファンド、財務支援などの専門性が高いお話から
大変多くのことを勉強させていただきました。
 
また、企業を「人」と「数字」という両側面から見られている
高村社長は、トップとお仕事をされている方ならではの
見方をお話していただきました。
 
高村社長のお話を聞かせていただき、今後に向けての
視野が広がり、課題が明確になりました。
 
本当にありがとうございました。
 
記事作成 水谷 翔 (起業家育成塾)
 
****************************
 

名古屋コンサル21    高間 正俊 社長

2008-06-16 09:03:29 | 専門家インタビュー
「プロの仕事術」では
専門家の方々に現場で実践されている
仕事の仕方や姿勢についてお話いただきます。
    
・その考え方や行動の仕方を次の世代に伝えること。
・その専門を目指している方の参考になること。
・いろいろな仕事や活動に生かすことができること。
  が目標です。
   
今回のゲストは
株式会社名古屋コンサル21
代表 高間 正俊 社長です


  
●テーマ「IT入れるなら組織から」
●日時 :
2008年5月30日 17:00~18:30 
●場所 :アパホテル喫茶室
●ゲスト:株式会社名古屋コンサル21 代表 高間 正俊 社長 

●株式会社名古屋コンサル21についての詳細はこちら
●インタビュアー 塾長 三潴 克彦(みつま)

●高間正俊氏 プロフィール
岐阜県立岐阜工業高校電子科卒業後、日立電子サービスに入社。
平成15年にITコンサルタントとして独立し、
平成19年、株式会社名古屋コンサル21を設立。
●業務内容
・中小企業に対するITコンサルティング
・中小企業のIT経営実現に向けた支援とCIO代行
・経営マネージメント研修(セミナーによる人材育成)
●資格
ITコーディネーター
MCSC(マイクロソフト認定システムコーディネーター)
経営品質協議会認定セルフアセッサー
情報処理システム監査技術者 

S012

現在、中小企業のCIO代行というべき、IT導入に関するコン
サルティングをおこなっている高間社長。
興味あることは何でも挑戦していく好奇心とセンスで、
株式会社を設立してちょうど1年経った日に、お話を
お聞きしました。

 

◆現在のお仕事についてお聞かせ下さい

中小企業のIT導入支援、ですね。
CIO代行と言ってもいいかもれません。
中小企業・中堅企業の多くは、せっかくの高価なパッケージを
使いこなせていなかったり、ベンダーの提案書や見積もりを
クラスター構成からチェックしていったりという事は、
難しいんですね。
理由としては、そういったことを専門に勉強した人材がいない
からです。

分かりやすい例では、私が参画することによって、
システム導入費が、ベンダーの提案してきたものの1/3を削減
できたという例があります。

これはベンダーが悪いわけじゃなく、もしもの事を含めて
ベンダーというのは少し大きめに提案することが多いんです。
そういった場合に、身の丈にあったものをチョイスしたり、
複雑なものを簡素化したりすることで削減できたりします。

従って、コンサルに入る前に、依頼された社長とは面談を行い、
合点がいくまで何時間でも「社長の思い」を伺います。
そして、こちらの抱いた課題や疑問は、とことん納得をするよう
心掛けます。そして、次に現場をチェックですね。
これは、どの企業も同じですが、社長の思いと現場の日常には
違いがありますから。
        
ただ単にオフコンがリースアップするので、今度どれにしよう、
というニーズもあります。
ただし、ただ単にリース切れを何とかするだけではITを
経営に活かしているとはいえません。
せっかくのIT投資も高価な買物だけになってしまいます。
    
多くの中小企業においては、業務の質は社員のスキルに
左右されている状態だと思いますが、それをルーチンワーク
で流れるようにルール化するところからIT化は始まるんです。
こうして業務自体を隣人が判るようにすれば、PDCAが回る
ようになる。そこで、成長のインフラ作りができるようになるんです。

ただ、経営者の思い描くものと現場の気持ちにはズレがある。
だから自分がその橋渡しををしつつ、経営者の思いを具現化する
パートナーになる、これが自分のミッションですね。

S001
    

◆仕事を始めたきっかけは何だったのですか

40年間、日立電子サービスにいましたが、
最初の10年でハードとOSとソフトの設計・製造・保守をして、
30代の頃にはSE(システムエンジニア)の走りを
やってきまして、一通り全部分かるというのが強みです。

当時はプロジェクトマネージャーとして、
大手から官公庁までシステムを手がけてきたんですが、
あるきっかけで中小企業と接点を持ったことが、独立のきっかけ
といえると思います。
   

中小企業と大手の利用格差に愕然としたんですね。
しかし、中小企業というのは即断即決、早いんです。
「これイイね、明日からやろう」
これは面白いと思いました。
そして、ある社長に、社長は100人社員がいたら、
その家族を含め300人の命を預かっているんだ、と言われて、
感動しましてね。
中小企業の魅力に魅せられていったわけです。
こういう会社が日本を支えているんだなーと思いました。
そういうことが中小企業を応援したいという気持ちが強くなって
いったんだと思います。

それと、自分が団塊の世代の走りなんですよね。
団塊の世代もここまでできるぜっていうのを見せたかった。
社会貢献もできると思いましたし。

それで、大手を捨てて中小に飛び込んでみたんです。

S002_2


◆理想の人生と将来の夢についてお聞かせください

夢ですか?
現在の夢は、大手ベンダーの社内ITコーディネーターじゃなく、
独立したITコーディネーターとしてのビジネスモデルを
構築したいですね。
3年続けばビジネスモデルとしてあるといえますから、
まずはそこを目指しています。

そしてインキュベーター機能を作りたいですねぇ。
これのビジネスモデルを真似て、いろいろな人が出てきて、
どんどん中小企業をIT化してほしいと思います。

 

◆学生時代の考え方や行動の仕方を教えてください

学生時代と言っても、小学生の時ですが、自分の小さい頃には
もちろんパソコンなんてなかったですからねぇ。
ゲルマニウムのラジオですよ。
そんなのを作っていましたね。

次に真空管ラジオ。
もうちょっとこうしたら音がいいとか、いろいろと改造したり、
近所のラジオの修理は全部やっていましたね。

高校は岐阜工業高校だったんですが当時、東海地方でで唯一、
電子計算機がある高校だったんです。
それを狙って行ったんじゃなくて、たまたまだったんですけどね。
当時はモデル校に指定されていたようですね。
 
それで、その電算機が日立製だった。(笑)

その電算機の高次元方程式、五次元までできるアドオンソフトを
作ったのが、高校の卒論だったんですが、その時に、
「お前の行き先は日立」
って、先生が決めたんですよ。
本当は町の電気屋さんになりたかったんですけどね。
当時は、何でも直せる電気屋さんってカッコよかったんですよ。 

S013
       

◆就職活動、社会人、働くことについて聞かせください

そういうわけで、就職活動とか無縁でしたので、
あんまり参考にはならないでしょうけど、バイトといえば、
高校時代、家具屋でバイトしていたんですが、
一日中ラジオ直していましたけど、バイト代くれましたねぇ。

私は高卒でしたから、最初は現場作業からスタートしたんです。
日立ですから、東大ドクター卒やら東北大ドクターなんて
たくさんいるわけです。
そういう人が回路設計とかしているんですが、現場でどうしても
ハザマができる。

もともと小さい頃からラジオの回路設計とかしていたわけで、
たぶんこうしたらいいだろうな、というのが分かるですね。
だから、ハザマの部分は「こうしたらどうか」とアドバイスすると、
たいていそのように動くので、そのうち重宝がられるように
なったんです。

その代わり、こちらもとんでもなく勉強になりましたね。
半端じゃない人材がたくさんいるわけですから。
あるきっかけでOSについてもめちゃくちゃ詳しくなりましたしね。

某大手の銀行のシステムを担当していたんですが、
システムがダウンすると呼ばれるわけです。
OSを隅から隅まで知っていたおかけで、トラブルの場所が
ここだなろうなと予測がつくので、さっと直せちゃう。
肩書きがファイヤーマンでしたね(笑)

そんなふうに仕事をしてきましたけどね。
技術は負けないと思いましたが、
やっぱり当時は大卒の人と比べて見識は負けると思いました。
だから、大学の4年間は無駄じゃないと思います。

大学はちゃんと出たほうがいいと思いますよ。

 

◆本日は大変お忙しい中、本当にありがとうございました。
    

**************************
  
高間社長は電光石火の人でした。
決断、行動、対応の速さは驚くほどで、過去にいくつもの
プロジェクト責任者をされていたようですが、納得してしまいます。
その熱意と言葉にひきつけられ、年齢を知るとさらに驚かされ、
この人について行けるのだろうかと心配になるほどです。
「周りにいろいろな人が集まってくるネットワークの達人。」
それがインタビュー中に感じた印象でした。
お忙しい中、本当にありがとうございました。
  
塾長 三潴 克彦
  
**************************
     
        

 


「企業の危機管理」    関口 幸一 社長

2008-06-05 14:34:08 | 専門家インタビュー
「プロの仕事術」では
専門家の方々に現場で実践されている
仕事の仕方や姿勢についてお話いただきます。
             
・その考え方や行動の仕方を次の世代に伝えること。
・その専門を目指している方の参考になること。
・いろいろな仕事や活動に生かすことができること。
  を目指しています。
 
今回のゲストは
ナレッジ・マネジメント代表 関口社長です。
    
■専門分野
SE・プロジェクトマネージャー育成
システム監査・セキュリティ監査の実施
ISMS・プライバシーマーク取得コンサル

    
  
●日時 2008年4月24日 17:30~1900
●場所 栄 アパホテル カフェ リエール 
●ゲスト ナレッジ・マネジメント 関口 幸一 社長
 
●関口 幸一氏 プロフィール

岩手県生まれ。ナレッジ・マネジメント代表。
宇宙にあこがれ星が好きで軌道計算を簡単にできないかと
コンピュータと知り合う。ソフト会社へ勤め、オペレータ、
プログラマ、システムエンジニア、システム営業、プロジェクト
マネージャ、管理職を経験。その後、IT企業での人材の育成の
難しさを痛感し独立。独立を機に名古屋ソフトウェアセンターと
出会い、システム構築、プロジェクト管理、システム監査、
セキュリティ等を現場からの視点で指導し現在に至る。
 
●塾長 三潴 克彦 プロフィール 
静岡県生まれ。広告代理店など数社の営業、営業管理職を
経験。その後、外資系能力開発会社に所属。パートナー
として自営業開始。社員研修・企業コンサルティング等を行う。
4年後、名古屋市に株式会社イクス設立。
100社以上の企業の経営戦略、組織改革、新規事業開発、
上場支援、幹部・管理職研修、人材開発指導などに従事。
最近では市役所や大学生向けプログラムも実施。
現場で実行し実績にこだわる実務家。
 
※CSR(企業の社会的責任)

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◆関口社長のお仕事について
 
三潴:関口社長の現在のお仕事について聞かせていただけますか?
 
関口:現在のメイン事業は主にITについてのコンサルティングです。
   詳しくご説明いたしますと、コンピュータのシステム監査指導
   技術者の育成、システム構築の支援などですね。
   加えて個人情報保護についてのセキュリティ関連の業務や
   企業がプライバシーマークを取得するための仕組み作りの
   支援をさせていただいております。
 
   個別の企業にコンサルティングをさせていただくことも
   ありますし、名古屋ソフトウェアセンター(以下、NSC)で
   ITについての講義をさせていただく場合もあります。
 
三潴:NSCでの講義は主にどんな内容なのですか?
 
関口:システム構築、プロジェクトマネジメント、システム監査、
   セキュリティ関係ですね。現在は全部で10講座あります。
   NSCでの講義に関わらず、個別に企業に行き、依頼内容
   による特別講義を行う場合もあります。
 
三潴:対象者はどのような方々ですか?
 
関口:対象者としましては、IT関連企業の経営者、技術者、
        セキュリティ業務関連の方々ですね。
   技術者の方ですと、25歳くらいの若手の方もいらっしゃ
   れば、40歳以上で管理職をされている方もいます。
 
   システム開発を行う方ですと30歳前後ですね。システム
   監査業務あるいはセキュリティ関連の業務の方ですと、
   40歳くらいの方々が多いですね。
 
三潴:最近いろいろ問題が多いテーマになりますが、
   企業のCSRに関してはどのように支援されていますか?
 
関口:コンプライアンスを中心に指導させていただいております。
   NSCのお客様である大手企業が多いですね。大手企業の
   IT部門や関連するシステム会社、中堅企業などです。
    
三潴:J-SOX法についての現状を聞かせていただけますか?
  
関口:J-SOX法の適応対象である大手企業は業種、業態に関係
   なく必要ですが、すでに行っているところが多いですね。
   中小企業で取り入れているところは少ないですが、大手
   企業の子会社ですと取り入れているところもあります。
 
三潴:J-SOX法の導入にはいくらくらいかかるのですか?
 
関口:大手さんですと数億円、中小企業で億近い費用です。
 
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◆現実に起こっていること「どうなっている」
 
三潴:関口社長が企業の現場でお仕事をされていて企業の危機
   管理についてどのような見解をお持ちですか?
 
関口:私が最も心配なのは個人情報の漏洩問題です。
   プライバシーマークについて現在は8000社以上が取得
   しているのですが、未だに個人情報の漏洩は毎日発生
   しています。
 
三潴:情報漏洩で考えられる一番の害は何ですか?
 
関口やはりそこの会社の信用が失われることだと思います。
   昔から情報漏洩の問題はありましたが、当時は今ほど
   シビアではありませんでした。
 
三潴:なぜシビアではなかったのでしょうか?
 
関口:そうですね、個人情報について社会的に重要だと
   考えられていなかったのではないかと思います。
   ところが、1980年にヨーロッパのOECDが8原則と
   いうものを提示しまして、内容は個人情報について法的な
   規制を正確にやっていない国とは取引しない、というもの
   でした。そこで日本でも個人情報についての認識と対策が
   求められるようになったのです。外圧です。
  
三潴:そもそも個人情報が漏洩するのにはどんな原因が考えられ
   ますか?
 
関口:一番は社員の意識が問題ではないかと思います。
   具体的には企業内でP2PやWINNYなどの情報共有ソフトの
   誤った使われ方がされているという現状があると思います。
   使える人ほど間違えることが多いのではないかと思います。
 
 
◆最も重要な課題とその対策「なぜそうなっている」
 
三潴:社員の意識の問題が出ましたが、どうしていけば良いの
   でしょうか?
 
関口:教育が必要だと思います。ですが、現状は単純に規則を守り
   ましょう、と言うだけになっています。
   ITについて詳しい人がかえって危ない可能性があるという
   ことをもっと強調していく必要があると思います。
 
三潴:根本的にはどういう対策が必要でしょうか?
 
関口:国としての仕組みをしっかり作っていくことが必要だと
   思います。区役所などで個人の情報を勝手に他人が持ち出す
   ことが実は今でもできてしまいます。つまり、個人情報漏洩
   問題について様々なことが論じられていますが、具体的な
   仕組みがないのが現状ですから、難しい局面になっています。
 
三潴:仕組みという面から見て企業はどうなのでしょうか?
 
関口:まずはプライバシーマークなどを取り、しっかり対応して
   いくことが重要だと思います。しかし、現状ではそれでも
   漏洩が発生しています。企業のトップが本当に重要なこと
   だと認識し、常々、社員の方々に言っていくことが大切だと
   思います。
 
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◆今後どうなるか、最も必要なことは何 「どうなる」
 
三潴:J-SOX法やプライバシーマークなど様々なものがありますが、
   今後についてはどうでしょうか?
 
関口:まず、プライバシーマークの取得は任意で、原則ではない
   ですから、やはり根本的に個人情報に対する認識を深め、
   そういった意識を持って取り組んでいくことが重要だと
   思います。
 
   また、上場企業はCSRなどのレポートについての対応が
   早いですから、個人情報などの問題意識が高いと言えるの
   ではないかと思います。
 
三潴:ITコーディネータの資格取得についてはどうでしょうか? 
 
関口:資格を取る方はいらっしゃいますが、それだけでは仕事には
   ならないのが現状だと思います。
   
   今まで「IT系応援隊」というものがありました。最近では
   ITC中部というものができ、ITに関わる様々な問題に対応
   していくために組織ができつつあります。
   本部のITCAもそういった動きが盛んになっています。
 
 
◆私達に出来ることは何 「どうする」
 
三潴:CSRについて、今後、企業やITに関わる人達ができること
   は何でしょうか?
 
関口:IT関連の企業では一昨年からISOに関しての取り組みが
   始まりました。企業がコンプライアンスに対する対応を
   始めましたが、まだまだ対応企業は少ないので、私達の
   ような組織が推進していくことが必要だと思います。
 
三潴:大企業、中小企業での違いはありますか?
 
関口:大企業ですと、法令についての部署などを設置して対応
   しているところがありますが、中小企業できるとそこまで
   対応している余裕がない、というケースが多いですね。
 
三潴:CSRなどについて大学では教育は進んでいますか?
 
関口:日本の教育機関や大学では、まだまだ少ないのが現状です。
   コンピュータ専門学校のHALなどではセキュリティに関して
   少しやっています。
 
   また、CSR関連の書籍なども少なく、社会的認知度がまだ
   あまり高くないという現状があると思いますので、それを
   視野に入れた対策と仕組み作りを進めていく必要があると
   思います。
 
三潴:CSRについて個人ができることはどういうことが考えられ
   ますか?
 
関口:やはり教育が大事だと思います。昔の農家を考えますと、
   畑仕事に出かける時はほとんど鍵をかけていなかったと
   思います。しかし、今は違いますね。私の知る範囲では
   昔のような安全性は無くなってきているのではないかと
   思います。
 
三潴:そうしますと、日本全体の状況や価値観が変わってきて
   いると考えられますね。
 
関口:日本で働く労働者の遷移なども考えると、今では昔とは
   様々なことが変わってきているという意識を一人一人が
   しっかり持って取り組んでいくことが大事だと思います。
 
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◆本日はお忙しい中、ありがとうございました
 

※敬称は略させていただきました。
 
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今回の対談をお聞きし、そして、記事作成をさせていただいて最も
感じたことは、CSRは自分が思っていた以上に一人一人の個人の
責任に関わってくるものなのではないかということです。
 
ニュースや新聞記事をただ見ている傍観者としてでは無く、社会の
一員として自分もその当事者という意識を持ち、具体的にどうして
いくか、という考えが必要なのだと強く思いました。
 
ISOやプライバシーマークと聞くと、何か難しくどうしていってわから
ない、と感じていましたが、根本にあるのは、個人の意識の問題や、
やってはいけないことをやらないというある種当たり前のことを
様々な状況になっても、周囲に流されずに、しっかり考え、行動して
いくことが大切なのではないか、と感じました。
 
そして、そういった意識の問題に関わる仕組み作りが大切だ、という
お話をお聞きして、今自分ができることはいったい何があるのか、
と考えるきっかけをいただきました。
 
今後、社会に一員として働くことを考えると、何が大切なことなのか、
どうすればいいのか、この視点をしっかり持ち、常に自分にそう
問いかけるいくことが本当に大切なことなのではないかと思いました。
 
今回の対談をお聞きし、働くこと、そして生きていくことについて
様々な視点を与えていただきました。本当にありがとうございました。
  
対談記事作成 水谷 翔 (起業家育成塾)
 
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