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浜松の初盆 準備編1

2012-07-11 19:33:44 | 遠州あたり
今年は、我が家は初盆なのです。
今までは、他の初盆のお宅に毎年お参りに行っていたのですが、今年は迎える側です。

遠州の初盆は、他の地方では見られない風習で、びっくりすることも多いですので、記録に残しておこうと思います。

浜松の初盆は、基本的には7月に行われ、盛大なことで有名です。
前年のお盆の後から、今年の4~5月ころまでに亡くなった方の葬式に行った場合、初盆にはまたその家を訪ねてお参りしなくてはなりません。

ですから、浜松では7月13日は企業も半ドン、皆喪服を着てご近所や親戚を回ります。
ご近所以外は車で移動しますから、昼過ぎから「初盆渋滞」も起こって、市内の移動は困難を極めます。

皆、へとへとになって夜9時ころに帰宅します。

「初盆は大変だぞ。葬式よりも疲れるぞ」

と、家人からも、また他の方からも聞きます。
そうなのか~とただ聞いていましたが、準備を進めていくうちに、だんだん意味がわかってきました…。

まず、初盆は内施餓鬼から始まります。

内施餓鬼は、お盆の始まりですから、本来は13日のはずなのですが、この時期あまりにお寺が忙しいため、前倒しで行われます。
大体、お盆前の日曜日。親戚などに集まってもらい、供養を行います。
内施餓鬼については、後日詳述することにいたしまして、とりあえず今日は初盆準備のことについて、書こうと思います。

内施餓鬼の後、本格的なお盆の準備に入ります。

まず、初盆では大きな祭壇を飾ります。
大きさやきらびやかさによって、価格も違ってきます。

初盆には多くの方が来られますので、まずどの部屋に祭壇を飾るか決めます。

そして、部屋の状態に合わせて祭壇のサイズを決めます。
マンションなどのお宅では、あまりに大きな祭壇は置けません。
このごろはそういうお宅に合わせる小さなサイズのものもあるようです。

適当な大きさと好みの装飾のものに決定し、搬入の日を業者さんと決めます。

祭壇は業者さんによっても色々ですが、たとえばこんなのがあります。↓

http://www.hama-so.co.jp/works/bonkazari.html

内施餓鬼の前に祭壇を飾る場合と、後からの場合とあります。
そのお宅の都合によって決めます。

うちは、お葬式をお願いした業者さんに、初盆もお願いしました。
しかし、初盆のみを行う業者さんも、浜松にはあるようです。

色んな選択肢があることを知りました。

飾り付けの日、業者さんが来てくれて、幕を張ったり、祭壇を飾り付けてくれたりしましたが、これって意外に時間がかかるのです!

二人でぼつぼつやってくれて、3時間くらいかかりました。

提灯なども複雑にできていて、金の瓔珞など一つ一つつけて、その下にビーズ飾りを下げて…。
本当に大変なのです。
まるで七夕飾りのようです!
すごく綺麗!…なんですけれども…。

初盆の祭壇は、豪華な方が珍重されるらしく、電気のろうそくが沢山ついてます。
当日はそれをずっとつけますので、しっかりした電源も確保しなくてはなりません。

やっと飾り付けが終わり、業者の方が帰っていきましたが、その後色々気づきました!

まず、初盆にお参りしてくださる方には、会葬御礼を配ります。
大体お茶やそうめんなどのちょっとしたものに、缶やペットボトルのお茶をつけて、ビニール袋に入れて渡します。

ところが、その一緒に入れる缶入りのお茶は、こちらで準備してくれと言うのです。

「ええ~~??お葬式の時みたいにセットされてないの??」

と家人に聞きましたが、それをお願いすると、缶入りのお茶などはかなり高額になるということなのです。
こちらで準備した方が安いのだそうです。

ですから、ディスカウントストアでもいいから、お茶を数百個買ってきて、お礼の品物に会葬御礼の葉書を挟み込み、お茶缶と一緒にビニール袋に入れて、当日までに準備しなくてはなりません。

これって…これって、結構大変なんですけど…。

その上、玄関が混乱するのは見えていますので、スノコと下駄箱を貸して貰えないか業者さんに電話したら、それは貸し出せないという返事なのです。

ええ~~???なんで???
お葬式の時は貸してくれたじゃん!!!

…と思わず叫んだのですが、よく考えるとそれも仕方がないのです。

お葬式は時期がバラバラですが、初盆はいっぺんに同じ日に行われます。
葬儀やさんは、その全部をカバーできないのです、能力的に!
おまけに、このごろは家で葬式を行うお宅が減っているので、スノコや下駄箱などをあまり持っていないのだそうです。

なので、各家で準備することが、実は初盆では沢山あるのです!!
葬儀やさんにおんぶにだっこというわけにはいかないんですね~~。
というか、葬儀やさんは、飾り付けだけ!!
本当にびっくりです!

ここは大きなポイントです!

初盆は自宅で準備することが意外と多いので、殆どお任せの葬式よりも大変なのだと思われます。
勿論、お金を出せば結構色々やってくれる業者さんも沢山あるようです。

どのくらい自力でできるかを勘案し、予算とも相談して、業者さんを選ぶことも必要なのかもしれません。

スノコはホームセンターで購入し、下駄箱はたまたま家にあったボックスで代用させてもらうことにしましたが、それでいいのか確認も必要です。

そして、当日は沢山のお客様も来られますが、家の者と共に、お客様を接待してくれる親戚を、こちらが接待しなくてはなりません。
つまり、身内のための夕食も準備しなくてはならないのです!
身内の数もふくれあがります、この時は!

「夏は暑いから、生ものの寿司とかNGだよね~。助六とかならいいかな…。オードブルとかもあった方がいいよね…。」
などと、人数を確認し、状況を想定しながら準備していきます。
できるものから注文もしていきます。

「助六もいたむといけないから、クーラーボックスとかに入れておこうかな…。氷も必要だね。当日コンビニで買う?」

「そうそう、飲むお茶も必要だよね…。」

「そうだ、初盆の日に、喉が渇いたらすぐ出せる飲み物を冷やすため、冷蔵庫を空にしておかなければ…!」
などという細かい点もチェック!
どうでもいいことかもしれないけど、これ多分大事ですよね…。

そんなこんなを話し合ってその日は暮れましたが、次の日!葬儀やさんが、籠盛を持ってきてくれました!

初盆では、祭壇以外に、親戚とか、身内からの「籠盛」も飾ります。

http://www.hama-so.co.jp/works/kagomori.html

缶詰とか、オイルとか、鰹節とかジュースなど、色々なお供え物が籠に入っていて、台の上に載っていて、まわりに豪華な造花もついていて、なので背も高いし場所も取ります。

これを部屋の壁に沿って順番に並べなければなりません。

一番奥が故人に近い人順です。

いっぺんに持ってきてもらった籠盛で、部屋の半分が一杯になっています。
圧迫感も尋常ではありません!

祭壇だけでも6畳間の5分の3くらいは占領されますが、その部屋に籠盛を入れてしまうと、座る場所がありません。
続きの間に並べることにします。

我が家は古い家なので、間取りなど比較的こういう行事に向いていると思われますが、仕切りの細かい新しい家などだったら、どうするんだろう…などと思ったりもします…。

いよいよ部屋が狭くなっていきます…。

つづく