昨日の停電事故には驚いた。現代の東京であのような事故が起こるのだ。しかも真夏の電力需要がピークに近い時に起きてしまった。不幸中の幸いは、世の中盆休みの最中だったこと位だろうか。
とは言うものの、単純に二次的な被害を思い浮かべてしまった。電車が止まったのは報道されている通りである。しかし電車である以上、電気が来なけりゃどうにもならない。こういう場合、JRは流石に強い。旧国鉄時代に作った直営発電所を持っているのだ。(確か、火力発電所を複数持っているほかに、発電用のダムも持っていたと思う。関越道だったか圏央道だったかを走っているとJRの送電線をくぐった記憶がある。)こういう対応は流石に民鉄(いまやJRも民鉄であるが)にはできない。もっとも電力自由化に関連して検討している会社もあるかもしれない。確かに鉄道会社の電力需要のピークは朝夕の通勤時間帯が中心だろうから、昼間の時間帯にも発電所を稼動させて、需要の高い時間帯に売電すれば何となくビジネスとして廻るような気もする。とはいってもそんなに事は簡単ではないだろうし、商用レベルの発電所を新たに建設するというのは、現代の私鉄のおかれた環境下では相当の決断がいるだろう。一方で、高圧の送電技術者は他産業に比べれば相当数抱えているだろうから、真剣に参入を検討しているかもしれない。
被害の想定に戻って、大規模ビルでは自家発電装置を備えてあって、あちこちのビルから発電機稼動に伴う煙があがる映像をテレビで見た。報道されてはいないが、放送局自体が大量の電力消費をして電波を飛ばしているわけで、当然ながら昨日の午前中は各局の発電機はフル稼働であったと思う。
石油高騰の折、昨日の稼動で燃料を消費した分の補填が必要だろうから、各ビルオーナーも予想外の出費となったものと勝手に心配したりする。
さて一次的被害者である東電も、運悪く発電所に近いところでの切断事故であったため、予想外の事態に追い込まれた。しかしこの状況で3時間で普及できたのは流石と見るべきであろう。普段の危機管理体制の賜物と思う。
一方で、今の世の中電気がなければ何もできんということを改めて突きつけられた。社会的影響の強さから、東電に更なる保全対策を求めるという論調が当然出てくる。こうなると、東電だけの問題のみならず全電力会社に波及する。
しかしである。別に電力会社の肩を持つわけではないが、先の電力自由化の問題も含めて、燃料費の高騰やら原発の管理やらで、近年の電力会社は決して楽な経営ではないと思う。こうなったとき過度の保全性能の向上を求めると、その電力料金に転嫁してくるしか方法はないような気がする。一方で電力自由化が進展すると競争が持ち込まれ料金が下がるからその文は吸収できるという意見もあるだろう。
しかし、今回の事故は送電線部分で起こった。電力の自由化は送電設備は既存のものを使うため、直接競争環境の導入によって解決できる問題でもないような気もする。
そういえば今回の件で多くのビルが自家発電を備えていることもわかった。この辺の設備を上手に利用することができれば、新規参入も可能なのではないかと思ったりもする。反面、CO2削減という環境問題を考えると、あっちこっちで発電機ぶん回してビルの屋上は黒煙だらけというのも時代に合わない。この辺の問題を無視したとしても、結局送電方法の系統を考えなければうまくリソースを利用することもままならないであろう。
う~~~ん。電力自由化という思いつきのテーマでうまくまとまると思って書き始めたら、考えがめちゃくちゃに飛散してしまった。いずれにしても、簡単にできる問題ではないということがわかった。(もしかしたら、すでに色んなスキームが決まっているかもしれないけど・・)素人が口出せる問題ではなかったかも・・
いずれにしても暑い中、迅速な対応された方々、架線にぶらさがって必死の修理をされた方々、本当にお疲れ様です。
(まとまりの悪さを反省しつつ・・・

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