古希行

七十までは歩けたい

りりィ「Stop」

2008-06-22 19:05:40 | 音楽
 「仮面ライダーキバ」、けっこうロックしているのですが、たまたま聴いていたiTunesで、りりィの「Stop」が流れてきました。りりィはどちらかと言えばブルース系のように思うのですが、中にはこんな「バリバリのロックナンバー」があります。
 
 クラシックとロックの交錯する「仮面ライダーキバ」ですが、りりィがゲストで出てくれないかなあ。
 きっと、スンゴイ、ファンガイアになると思うのですが、、、(30年戻せたら、クイーン役でも・・・)


 

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「死んだ娘が歌った」

2008-06-22 18:09:33 | 読書
 短編集「R62号の発明・鉛の卵」には安部公房若い頃の作品が収められています。

 ある失業者が犯罪者組織に<就職>しそうになり、逃げ出してただの犯罪者として警察に逮捕される「パニック」とか、これもある失業者が高給で、ある機関に雇われ、自分の盲腸を羊の盲腸と入れ替えられ、藁を食べて生活する「盲腸」といった、「もはや戦後ではない」以前の社会世相を舞台に描かれる作品群です。

 そんな中、面白かったのは「死んだ娘が歌った」。
 とある(実質)売春宿に、女中として転職した娘が、売春を強要されて自殺します。
 幽体離脱した彼女は、元の勤め先の工場に行き、昔と同じような女工生活をなぞります。それが、とんでもない<女工哀史>で、表向きの、それこそ<ISO取得>のようなキレイごとのスローガンと、現実の搾取のギャップが、お話としては楽しめます。
 そして、なんと、その工場には彼女と同じ道を歩んだ幽霊達が何人もいて、最後はみんなで歌をうたって楽しむのです。

 安部公房は、今日の基準では「ノーベル賞を取りそこなったSF作家」だと思うのですが、当時は小林多喜二と同じく、共産党員のプロレタリア文学作家だったのかな。
 でも、最近はあまり使わなくなった、「アヴァンギャルド作家」だったんだけれど。

 SFって、最近、肩身が狭いジャンルになったなあ。
 



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「R62号の発明」、再読

2008-06-22 12:59:38 | 蔵書再読
 小林多喜二の「蟹工船」が復活していますが、この安部公房「R62号の発明」も、今の時代を写していて、おもしろいと思います。

 ある工作機械製作所に勤めるあるエンジニアが、アメリカの技術を採用したため、リストラされます。
 彼は、「死ぬつらさより、生きるつらさのほうが、大きい」と、自殺を企てますが、あなたの死体を売ってくださいという貧乏学生に捕まります。
 ただし、生きたままで、と。

 エンジニアはR62号と呼ばれて、ロボットに改造されてしまいます。

 国際Rクラブという、右翼系の秘密結社があります。その会員というのは、自分たちは全人類から一握り選ばれた者たちで、この世界の支配者だと考えるセレブたちです。
 彼らはRシリーズのロボットを使って、多くの低級で安価なプロレタリアートを、効率よく動かし、自分たちは富を得ようと考えているのです。

 その、ロボットの最新型にして、究極型がR62号です。
 R62号は、もと居た工作機械製作所に派遣され、国際Rクラブの方針、信念を象徴、具現化した機械を作ります。

 そのお披露目の場で、R62号は自分をクビにした社長を、その機械の犠牲第1号にします。
 機械の主たる目的は、単純なことしかできない多くの人間たちに、その能力を機械の方から強制し、しかも、そのありあまる人間たちを消費するということでした。
 動き始めた機械は、社長を刃物で取り囲みます。本体にはたくさんの光るボタンが並んでいて、時には規則的に、時には不規則に点灯します。
 それを、2.4秒以内に押さないと、周りから刃物が飛んできて、指を切断します。
 指は10本あるので、10回までの失敗は許されますが、その後は胸を刺して、終了です。
 
 1本、また1本と、社長の指がおちるたびに、周囲のクラブの連中は逃げ出します。後に残されたのは、死んでることになっているR62号と、すでに7本の指を失った社長だけ。
 「何をつくる機械だったんだ?」と、社長は息絶え絶えにききますが、R62号はかすかに笑うだけです。

 何をつくる機械って? そりゃ、なにも作らない、それどころか、あまりあまった下級労働者を、たんに消費する機械だったんだな。

 ワーキングプアという言葉がありますが、働けども働けども下級労働者は豊かにならず、消費されていく。
 豊かなのは、勝ち組と称される一部の既得権所有者だけ。
 そんな現実に、この昭和28年発表の小説が、なぜもこうマッチするのだろう。

 きっと、僕たちは不幸な時代に生まれたんだ。

 
 追伸

 (アイルトン・セナの言葉)
 裕福な人々が孤島のようにして、
 貧窮の大海の中に存在する日々がこれ以上続いてはならない。
 僕たちは同じ空気を吸っている。
 チャンスも同じように与えられなければならない。
 少なくとも教育、食糧、そして医療を受けるチャンスだけは。

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「さいごの戦い」、再読

2008-06-20 18:18:33 | 蔵書再読
 重苦しい展開の最終巻です。
 偽アスランによる災いがナルニア人を不幸のどん底に陥れます。
 しかし、アスランを信じる人々は、かえって、その不幸を受け入れようとします。
 受難、ですね。

 最後に、本物のアスランが現れて、一転、大団円、結論が導きだされます。
 この「ナルニア国ものがたり」はパラレルワールドからスタートしましたが、最後もパラレルワールドで締めくくられます。
 あるナルニアが生まれ、そのナルニアが滅ぶ。しかし、それはもうひとつのナルニアの写しでしかない。
 アスランを信ずる者は、次なるナルニアに招かれるが、それ以外は今までのナルニアとともに滅んでしまう。
 
 アスランとはキリスト。
 信ずる者は救われる。

 この巻の映画化は、きっと壮絶な世界の終わりを描くことになるでしょうね。
 

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ココン、ココン

2008-06-18 22:24:57 | 日誌
 今のテンプレートは狐なんですが、
 BGMは、谷山浩子の『秋ぎつね』ですね。

 たしか、この曲はレコードになってなくって、コンサートでしか聴けないナンバーだった、とか。

 一応、ある企画もののCDに入っていますけど。

 メディアの変遷も、もののあわれって感じで、
 アナログレコードがCDに替わり、今ではネット配信になっています。
 ちなみに、この曲、iTunes Storeではあまり人気ないですが・・・真の浩子ファンなら、特にメルヘンもののファンなら、この曲ははずせないでしょう。 
 

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「銀のいす」、再読

2008-06-18 21:33:16 | 蔵書再読
 こんどは地底世界です。
 
 タイトルの「銀のいす」は王子をしばる魔法アイテムなのですが、この巻ではなんと言っても「泥足にがえもん」でしょうね。

 ほんとうの主役は彼でしょう。

 これも映画化が楽しみ。泥足にがえもんがどう描かれるか。

 そして、いよいよ最終巻だ。





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クーミン

2008-06-15 20:14:19 | 日誌
 今日の「波瀾万丈」、大場久美子、よかった。

 若いよねえ。

 こないだ、えらくサバ読んで、結婚詐欺したケースありましたが、

 今だったら、大場久美子、20引いて、28歳ですと称してせまられたら、信用するよね。

 ああ、思い出すよ。

 昔、オールナイトニッポンに出たとき、つぼイノリオがクーミンの髪の毛を拾って、視聴者プレゼントにした・・・たしか、その毛は熊本に行ったんだっけ。

 いいともにゲストに出た翌日、パネルが盗まれて、それ以来、パネルは固定されたとか。

 いやあ、クーミンファン、続けます。

 ところで、僕のCDライブラリ、大場久美子、無いです。
 「大人になれば」とか、けっこう好きな曲、ありはするのですが、本人が自虐的な「スプリング・サンバ」など、わかっているので、CDは持っていない、と、確認できました。


 追伸

 マイライブラリをさぐってみますと、アナログ盤のデビューアルバムが出てきました。
 なんかあると思ってたわけで。
 だけど、わが家にはアナログプレーヤーがありません。
 現状、もはや聴くことないですね。
 今、いくらで売れるんだろう?

 

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「朝びらき丸東の海へ」、再読

2008-06-15 18:49:50 | 蔵書再読
 これ、いいですよ。

 映画化が楽しみ!!!

 「ワンピース」みたい!!

 ワクワクしますね。

 やっぱ、英ファンタジーの醍醐味は、海洋冒険物だなあ。



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「カスピアン王子のつのぶえ」、再読

2008-06-08 20:57:57 | 蔵書再読
 今回は、時間軸に沿って読んでるわけなのですが、そうなるとーーー

 テルマール人がナルニアにやってきた頃の話は、別の長い話になるので、ここでは話さない。

 と言われてしまうと、僕ら読者にとっては、作者が故人になっている以上、永遠に隠された物語ということか。

 この世界とナルニアをつなぐ扉はあちこちにあると言う。
 
 あった、と言うべきか。
 
 世界は、だんだん、閉じられていく、と言う事か。



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「馬と少年」、再読

2008-06-04 18:33:31 | 蔵書再読
 「ライオンと魔女」で、ラストに兄弟姉妹がナルニアから戻るまでの間に起こったエピソードです。

 舞台はナルニアではないので、これまでとは情景が異なります。
 ひとりの、不遇な少年の冒険から物語が始まり、それが紆余曲折をへて、合戦へと動きます。
 ルイスとトールキンは日頃から親しく、作品の批評をお互いにしていたこともあって、物語の展開が似ています。

 様式として、時代劇ばっています。
 騎士道とか、王権の正統性とか・・・でも、それは今日の英国においても生きているものなのでしょう。

 わが国では「南総里見八犬伝」が、世界文学史上に燦然と輝いているように思うのですが。


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