9V-SJF通信

航空関係を中心としたコラムです。

VNの欧州便

2005-04-17 09:50:08 | 航空旅行
先日、格安太郎さんからトラックバックをいただきました。
ありがとうございました。> 格安太郎さん
格安太郎さんのブログでは格安航空券の諸事情について細かい説明がされており、なかなか興味深いです。トラックバックを戴いたのはこの記事ではないですが、今回紹介するのは同じブログ内にある別の記事です。

日本発欧州行きの航空券について、ツアー旅行、もしくはZONE PEX運賃では北回り(シベリアルート)を飛ぶ日系、もしくは欧州系の航空会社がメインなようでありますが、IT運賃、いわゆる格安航空券の世界ではアジア各都市を経由する、いわゆる南回りもメジャーであります(これから話をするのは、航空会社が指定され、かつ、日本から欧州まで通しで買える航空券の話である。また、自由にルートや航空会社選択のできるIATA PEXや普通運賃、各アライアンスで販売する世界一周航空券等は除く)。このような南回り便は経由地に拠点を置く、アジア系航空会社が運航していて、香港、シンガポール、バンコク、クアラルンプールなどが経由地(実際には拠点地で便を乗り換える)として知られています。アジア系航空会社が運航するこれらのフライトは、私達にリーズナブルな航空券を提供してくれる、日本発欧州便にはない、深夜運航便がある、といった点で私達の選択肢を増やし、大きな恩恵を与えてくれます。欧州に行かれた方で、これらの航空会社のお世話になられた方も多いと思います。

(注:ソウルを拠点とする大韓(KE)やアシアナ(OZ)もアジア系航空会社に含まれるが、IATAの運賃区分上は韓国経由の欧州行きは日本発欧州行きと同じ北回り(IATA区分ではTS:Trans Siberia呼ばれる)に含まれるので、この区分から除外した。)

ここ最近、かつてから知られていた都市の他に、新しい経由地がいくつか登場してきています。北京、上海と中国本土の都市も登場するようになりました。中国国際(CA)、中国東方(MU)の2社がフライトを提供しています。ですが、今回格安太郎さんのブログで紹介されていたのはベトナム航空(VN)の欧州便です。私自身、CAやMUの欧州行きがあるのは知っていましたが、VNは知りませんでした。

私自身、VNは知っていましたが、失礼ながら、欧州線に見られる長距離便を運航していることは全く知りませんでした。この記事を書くにあたって、ちょっと調べてみましたが、VNのルートマップを見ると
・フランクフルト(FRA)
・パリ(CDG)
・モスクワ(DME)
に就航しているのですね。

# 長距離という観点で見ると、VNは他にもシドニー、メルボルンにも就航しています。

VNの欧州便はB777を使用しています。777はご存知の通りエンジンが2つある双発機ですが、このところ日本発着のニューヨーク便など長距離フライトにも多く適用されるようになりました。SQ(シンガポール)がローマ線等、かつてA340-300を就航させていた路線に導入しているのもこの777です。私自身、乗り継ぎや経由も含め、ホーチミンもハノイも私は行ったことがないですし、VN自体にも搭乗したことはないですが、VNの欧州便はどんな味がするのでしょうか。
(もし、VN欧州便に搭乗したことがある方がいらっしゃったら、話を聞いてみたいものです。)

欧州線はホーチミン(SGN)とハノイから発着していますが、御参考までにここではホーチミン発着のパリ線とフランクフルト線を代表として紹介します(手もとにたまたまあったOAGで見てみました)。ホーチミン発に関しては、他のアジア各都市発のフライト同様、深夜発の夜這い便です。ご利用の際は、VNのWEBサイトや旅行会社等で実際のスケジュールを確認してくださいね。

パリ
VN533 SGNCDG 23:05 6:45+1 月、金、土(5/9までは水も)運航
VN532 CDGSGN 14:00 7:10+1 火、金、日(5/9までは木も)運航

フランクフルト
VN527 SGNFRA 0:35 10:40 日運航※
VN526 FRASGN 14:40 10:20+1 日運航※

※VN527/526はモスクワ経由
なぜか、いろいろなリソースで紹介されているVN527/526の格安航空券はモスクワまでですが;;;

日系航空会社 WEBサイトのこんなサービス

2005-04-16 19:10:00 | 航空旅行
別件で調べものをした後、ネットサーフィンをしていましたらこんなものを見つけました。
JALとANAの機内サービス紹介ページを見ていたところ、機内食メニュー検索ページを見つけました。これまで、機内食をはじめとする機内サービスを自社のWEBサイトで紹介する航空会社はあまたありますが、ここで注目なのは日系大手であるJAL,ANAのサイトでは一歩進んでいて、機内食メニューが検索できる、ということです。ファースト、ビジネスといった上位クラスだけでなく、エコノミーも対象なところがいいです。

私はかねてから「ありとあらゆる情報がネットで容易に入手できるようになった時代。自分が乗る便の機内食メニュー検索などありそうなものだが、時刻表検索はあっても、それが何でないのだろう?あれば、便利だろうね」と思っていました。私が探した限り、航空会社自らがやっている、このような検索サイトを見たことはありませんでしたが、私と同じことを考える航空会社はやはりあったようです。JAL、ANAは私がイメージしたものにほぼ近いものを用意してくださっています(搭乗月、出発地、目的地、搭乗クラスをキーにして検索する。便名キーでは検索できないが)。ちょっと試してみましたが、JALのサイトでは日本発便については画像で確認できるようになっており、どんな食事になるのかイメージが掴みやすくなっています(但し、2回食事サービスのあるフライトでは1回目の食事のみ)。更に、JALのサイトでは往路の検索を行った後、復路の機内食メニュー検索をしたい場合、再度フォームに検索キーを入れなおさなくても、ボタン1つで復路のメニュー表示ができ(ブラウザによってはできない場合あり)、なかなか細かいところにも気が使われています。

私は以前、米国内線で機内食サービスのあるフライト(エコノミークラス)に乗ることがありました。その便では食事があることは航空会社のWEBサイトで確認できたのですが、軽食なのか、それともしっかりとした食事なのか、全然イメージがつかめませんでした。日本の国内線ではエコノミークラスではとっくの昔に食事サービスはなくなりましたし、欧州では近距離については、国際線も食事だけでなく、ドリンクサービスも有償のこの頃です。私にとってはこのようなことが頭にありますから、米国内線で食事サービスはないだろう、と思いましたし、仮にあったとしても、どんなものかイメージが湧かなかったのです。その便はニューヨーク-ロスという大陸横断線で、飛行時間は約5時間あまりでした(ほぼ、東京-香港と同じくらいの飛行距離・時間)が、あくまでも国内線なために、全く想像がつかないのです。機内食サービスがあったとしても、サンドイッチにおつまみ程度の軽食か、それともメインディッシュがつくきちんとした食事かによって腹もちの具合は全然違ってきますし、その後の行動を考えると、事前にどの程度腹をすかせておくか、ということも変わってきます。そのためにも、機内食がどんなイメージなものかは知りたかったのです。ところが、このような情報は航空会社のWEBサイトに出ていなかったのを覚えています。このような場合、もし事前にどんな食事サービスがあるのかWEBサイトなり何なりで知ることができたら便利だな、と思います。

航空業に限らず、日本のサービス業はきめ細かいサービスを提供するということで知られていますが、機内食メニュー検索もまた、日本のそんなきめの細かいサービスが現れているのかもしれません。

もうすぐGWを迎えますが、もし日系航空会社で海外へ出かける予定がおありでしたら、試してみてはいかがでしょうか。JAL,ANAの機内食メニュー検索サイトは以下の方法でアクセス可能です。
JAL
トップページ→国際線→空港・チェックイン・機内サービス→「機内食検索」ボタン

ANA
トップページ→国際線トップ→サイトマップ→国際線サービスのご案内にある「国際線サービスサーチ」

航空と陸上交通機関の連携(CXとSNCFのコードシェア)

2005-04-09 23:49:32 | 航空旅行
皆さん、こん××は。9V-SJF通信をお届けします。
前の記事を投稿した3月から4月にかけていろいろなことがありましたが、なかなか手付かずにいました。気がつけば、トラックバックもいただきました。どうもありがとうございます。

先日、東京のCX(キャセイ航空)発券カウンタに行く用事がありまして、そのときに最新版の時刻表を戴きました。そこに出ていた案内ですが、3月の夏ダイヤから、フランス国鉄(SNCF)とのコードシェアを開始することになったそうです。同社のパリ線であるCX261/260の利用客はSNCFのTGV(フランス版新幹線)をCX便名で利用できるようになります。このサービス、シャルル・ドゴール(CDG)空港駅とリヨン、マルセイユ等フランスの7都市に適用されます。SNCFは以前から、このような航空会社とのコードシェアサービスを行っていたようですが、アジアのパートナーはCXが初めてとのことです。
(ちなみに言っておきますが、日本で売られている一般的な「格安航空券」では、相手が航空会社・鉄道会社といった区分を問わず、コードシェア便は使えないケースが殆どなので、ご注意ください(アジア系航空会社の欧州線では、まずそうだと思う)。)

鉄道が発達しているヨーロッパではこのような事例は珍しくなく、私の知っているケースではスイス(LX)とスイス国鉄、ルフトハンザ(LH)とDB(ドイツ国鉄)(DBとのコードシェアはANAもやっていたかも)があります。昨年、ドイツに行った時ICE(DB版新幹線)を利用しましたが、フランクフルト空港駅のプラットフォームにある発着案内板にはICEの列車番号だけでなく、飛行機のフライトナンバーと同じようなLH便名が掲げられていたのが印象的でした。(列車自体は当然、普通のICEと変わりないですが。)

日本はご存知の通り、欧州同様鉄道網、そして陸上交通機関の発達した国です。
新幹線、特急列車、ありとあらゆる鉄道網が各都市を結び、高速バスもまた、日本の各都市を結んでいます。私自身思うに、今まで、日本の交通機関は鉄道は鉄道、航空は航空、とそれぞれの世界で独自にやっていたような感がありますが、もし、欧州がやっているように、これらの陸上交通機関と航空が連携して新たなサービスを提供することができたら...日本に来てくださる外国人のお客様、そして地方各都市から国際空港を利用して海外へ旅立つ方々にとってなかなかいいサービスになるのではないか、と思います。言葉に不慣れな外国人の方々は、もし、自分の利用する日本線の航空会社がこのようなサービスを提供していたとすれば、出発地の空港で日本到着後の地上交通機関のチェックイン(!)ができることになり、CIQを済ませたら搭乗券なり切符を持って、安心して乗り場へ向かえばいいことになります。どうやって切符を買おうとか、そういったことに悩む必要がなくなるのではないかな、と思います。

また、国内の地上交通機関の切符を別途買わないですむ、ということだけでなく、航空だけだと便の運航が難しい時間帯(夜間など)や場所へのアクセスも容易になり、以前の記事で触れたような成田と関空の連携と似た話、結果的にその場所へ向かうための便数やバラエティを増やすことで、乗客の利便性が高まるのではという期待もあります。もし、夜間高速バスと航空会社が手を組んだとしたら、夜、日本に到着してコードシェア便の高速バスに乗り、翌朝目的地に着く、ということもできるかもしれません。

但し、前に触れたスイス、ドイツ、フランスといった国々では国際空港に直接TGVやICEなど、長距離列車が直接乗り入れているのに対し、日本の場合は路線網は多いものの、国際空港に直接長距離列車が乗り入れているケースがなく、空港から国内各都市へ行くには一旦ターミナル駅 (例えば、関東圏の場合は東京や上野など)に出て、そこから各都市行きの長距離列車やバスに乗る形になるので、欧州のような航空と地上交通機関とのコードシェアの効果は低いのかもしれません。そのことが、航空と地上交通機関のコードシェア連携を難しくしているのでは、と感じました。現状の状態では、空港とダウンタウンを結ぶ形になってしまいますから。航空と地上交通機関のコードシェア連携がうまく機能するかどうかは、このようなことが鍵になるのかもしれません。

CXとSNCFのコードシェアを知って、こんなことを考えてしまった私でした。

ご参考
CXとSNCFとのコードシェアについての詳細は、英語版のシステムタイムテーブルに記事があります。
(日本語版タイムテーブルには掲載がありません。)
インターネットではSNCF WEBサイトの下記プレスリリースにあります。SNCFのWEBサイトは英語版(日本語版はない)はありますが、プレスリリースはフランス語版しかありませんでした(すみません。フランス語がわからないので、私も詳細な内容はわかりません)。
Cathay Pacific, première compagnie asiatique à proposer des billets combiné tgvair