情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

数学は完璧な精密科学か?

2019-06-07 14:32:43 | 数学
数学は精密科学の王とされています。
確かにその厳密性、論理性を見ると誰もが納得できます。

しかし、数学のすべての分野がそうであるとは限りません。
集合論の歴史を見ればそのことが分かります。
集合論の誕生から様々なパラドックスが指摘され、その度に対応策が講じられて来ました。
クロネッカーらの直感主義者は、集合論の創始者であるカントールを厳しく糾弾して、カントールをノイローゼにしました。

20世紀数学の巨峰ヒルベルトは数学の価値は自由性にあるとしてカントールを擁護しました。
現代の数学者で集合論に疑義を挟む人はいないでしょう。
万が一、そのような主張をする数学者がいれば”色物数学者”のレッテルを貼られることは必至です。

しかし、当ブログの「非論理的な無限小数」「非論理的な対角線論法」において、無限小数には定義不能な無限小数が存在し、そのことが実数の非可算濃度の要因になっていることを示しています。

結局、集合論には不完全なところがあり、数学は完璧な精密科学とは言えないことが分かります。

詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!

非論理的な対角線論法

2019-06-07 09:13:09 | 数学
カントールの対角線論法は、自然数の濃度より実数の濃度の方が大きいことを証明する手段として今でも教科書や参考書に載っています。

しかし、この証明法には数学を専門にしない人を煙に巻くようなところがあるので、ネットを見ると多くの反論や疑問があります。

東大名誉教授で哲学者の野矢茂樹による「無限論の教室」(講談社現代新書)は、この対角線論法に対する疑問を中心に無限にかかわる話題を取り上げています。
大学での講義をまとめたもので、初心者にも無限の不思議さをさまざまな角度から取り上げています。
語り口も軽妙でとても読みやすくお薦めです。

当ブログも「非論理的な無限小数」について書きました。
結論は、「数字がランダムに続く無限小数は、非論理的である」ということです。

つまり、無限小数は、次の異質な集合に分けられます:
無限小数={定義可能な無限小数} ∪ {定義不能な無限小数}

カントールの対角線論法には非論理的な定義不能な無限小数も含まれています。
これは取りも直さず対角線論法自体も非論理的であることを示しています。
当然、その結果得られる連続体濃度非可算)も非論理的な概念になります。

因みに、定義可能な無限小数の集合の濃度は可算になることがゲーデル数を使うことにより容易に証明できます。
言い換えると、実数が非可算濃度になる原因は、定義不能な無限小数の存在にあるのです。
定義不能な無限小数を一つの確定した概念として認めて、それらを1個、2個と数えることにどのような根拠があるのでしょうか。
そのようなことが精密科学の王とされる数学で許されることなのでしょうか。

更に、実数が定義可能な無限小数だけかなるとしても何ら矛盾は生じません。
何故なら、定義不能な無限小数そのものを数学的論証に取り上げること自体が不可能だからです。

以上の分析は、連続体仮設の反例に応用できます。

詳細は、パソコンサイト 情報とは何か 情報と物質の関係から見える世界像 を是非ご覧ください!