フランスの詩

宮之森享太 翻訳

追放

2013-09-30 | Weblog

            追放

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世間が興味をもったのは多くの場合、コノー君!・・・
征服者の伯父よりも、ちびの起き上がり小法師だ!・・
まったく正直な直感は、ひ弱な庶民から生じる!・・・
ああ!!では一体誰がぼくらの怒りを害したんだ!・・
そして子供らがバリ-バルとよぶ風に
もう差し錠をかけるのが、ぼくらにふさわしい!・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

        ナポレオン3世の韻文書簡の断片、1871



2013-09-29 | Weblog

             箒

   それはしがないシバムギの箒、固すぎて
   部屋にも壁の塗装にも使えない。
   それを使うとがっかりして、笑う価値すらない。
   根はどこか昔の草地で引き抜かれ
   生気のない毛は干からび、柄は色あせした。
   酷暑で赤くなった島の林のようだ。
   細紐は凍った三つ編みのように見える。
   ぼくはこの物の荒涼とした味わいが好きだ
   きみの大きな乳色の縁をそれで洗ってあげたいな、
   おお月よ、ぼくらの死んだ妹らの精霊が好んでいる。
   

                   F. C.







戒厳令?

2013-09-28 | Weblog

          戒厳令?

あわれな御者は、ブリキの小屋根の下で、
片手袋のなかの巨大な霜焼けをあたためながら、
その重い乗合馬車をセーヌ左岸地区に走らせ、
燃える鼠蹊部からカバンをどかす。
一方、憲兵らがいる穏やかな闇の
実直な内側は、深い空の月が
緑の綿の間に揺れているのを見ているのに、
勅令が出て、まだ難しい時刻にもかかわらず、
乗合馬車がオデオンに戻ると、けがれた
その放蕩者は暗い十字路で金切り声を出している!

              フランソワ コペ
              A. R.
 


老兵よ!

2013-09-27 | Weblog

           老兵よ!

     皇帝の百姓たちに!
     百姓たちの皇帝に!
     軍神の息子に、
     栄光の3月18日に!
     その日ウージェニーの神が母胎を祝福した。



ばかげたこと シリーズ2

2013-09-26 | Weblog

      ばかげたこと シリーズ2

           Ⅰ 酔った御者

           不潔なやつ
           飲んでる、
           真珠光沢
           見ている、

           つらい
           定め、
           辻馬車
           倒れる!

           女が
           落ちる、
           腰が

           出血、
           ―わめけ!
           うめけ。



ばかげたこと

2013-09-25 | Weblog

          ばかげたこと

             Ⅰ
            若い大食い

           鳥打帽
           モヘアの、
           一つ目小僧
           象牙の、  

           身なり
           とても黒い、
           ポールがねらう
           戸棚、

           投げ出せ
           舌
           梨の上に、

           準備せよ
           バゲット、 
           そして縁日だ。



             Ⅱ パリ

       アル ゴディヨ、ガンビエ、
       ガロポー、ヴォルフ-プレイエル、
       ―おおロビネ!-ムニエ、
       ―おおキリスト!-ルペルドリエル!

       カンク、ジャコブ、ボンボネル!
       ヴイヨ、トロップマン、オジエ!
       ジル、マンデス、マニュエル、
       ギド ゴナン!-パニエ

       優雅な下着! レリセ!
       べとべとワックス!
       古いパン、スピリッツ入り!

       盲人ら!-次に、誰が知る?-
       巡査ら、アンギャン水を
       ご家庭で!―クリスチャンになろう!

                   A. R.





[ ぼくが春に . . . ]

2013-09-23 | Weblog

         [ ぼくが春に . . . ]

ぼくが春に、きっと好むのは、野外酒場
そこで矮小なマロニエらを発芽するのはバゲット、
狭い公共の草地のあたりで、五月にだ。
子犬らは何度も追っ払われるが
やって来て、飲み助らのそばで花壇の風信子を
踏み荒らす。そしてヒヤシンス色の夕暮れまで、
1720年、ある助祭がラテン語の彼のあだ名を
彫った石盤のテーブルの上で、
教会のステンドグラスに向かう賛歌のように貧弱な、
決して彼らを酔わせない黒い酒瓶らの咳がある。

             フランソワ コペ
             A. R.