兵庫県の尼崎市に、少し変わった仕組みを持つ「尼ロック」という水門があります。
自転車道のコースに入っているとの事だったので、どんな施設なのか、見に行ってきました。
◎工業地帯にある、異色のサイクリングロード、「尼っ子リンリン・ロード」
私は自転車に乗るのが結構好き(但しママチャリです)なので、しばしば1日に20Km未満位走ったりするときもあります。
最近兵庫県の尼崎市内の臨海部に、「尼っ子リンリン・ロード」という自転車道がある事に気づき、先日走ってみました。
尼っ子リンリン・ロードの紹介(PDFファイルのコース地図へのリンクがあります)
この自転車道は阪神尼崎駅を起点とし南西に伸び、武庫川付近まで達しています。
道は自転車道には珍しく木製のデッキの様な構造がほとんどで、運河や海に沿って伸びており、周囲の阪神工業地帯の景観と相まって、桟橋のような風情でした。
たまたま平日でしたので、工場の臭いや煙、トラックの往来がどうかな、と思いましたが、やはり多少はあったかな、位で、あまり気にはなりませんでした。それよりも、見渡す限りの広大な工場群は壮観でしたし、工場の躍動感とは対照的に、工業地帯を縦横に大きく区切っている運河はゆったりと流れ、穏やかなたたずまいが魅力的でした。
◎閘門(こうもん) -水位を調整し、船も通過できる水門-
この自転車道の中程を過ぎたあたりに、尼ロックという水門があります。
尼崎市は臨海地域の多くが海抜0m地帯のため、水害を防ぐ目的で運河の水位を一定に保ちつつ、外海との水位差を調整して船を通行させる水門=閘門(こうもん)があります。尼ロックがそれです。付近の景観はこんな感じです。


尼ロックのそばには、写真のような案内図と簡単な説明板があります。
案内図の下側が南(外海)です。


内陸(運河)側と外海側と二つの扉がついた短い水路が二本あり、この水路を通って船が行き来できる様になっています。
方法はパナマ運河と同じで、船が接近してくると船に近い側の扉を開けて水路の中に入れ、扉を閉じて水位を調節した後、反対側(=船の進行方向)の扉を開けて、船を通します。
日本国内ではこうした現役で稼働している閘門は数が少ないそうで、他のブログでも結構取り上げてあるのを最近目にし、それが「尼っ子リンリンロード」のコース内にあったので、早速来てみたわけです。
この日は残念ながら閘門に船が出入りする場面は撮れなかったのですが、閘門を通って運河に入ってきたばかりの貨物船を撮る事ができ、閘門が実際に稼働しているのを少し実感できました。
船の写っている写真でいうと、右端すぐのところに、運河側の扉があります。


尼ロックから少し内陸に入った運河沿いの工場の岸壁には、横付けして荷物を下ろし終わった別の貨物船が停泊していました。
この辺やもっと西側の今津港や西宮港、東側の大阪の淀川河口周辺では今でもおなじみの光景です。水運が盛んだった昔の風情を彷彿とさせるものがありました。
尼ロックはパナマ運河に比べると大変小規模ではありますが、機構的なおもしろさはよくわかりました。
近くには、トイレやベンチのあるちょっとした緑地公園もあり、工場地帯の近くということをしばし忘れさせてくれます。


ただ、この近くには高い位置から尼ロックを見下ろせるような場所がなく、周囲の眺めも含めて写真を撮るには、少し離れた橋の上(すぐ上の写真に写っている橋です)位から撮るしかないのが残念です。
尼ロック全体を明瞭に見渡すには高さも足りないですね。このため遠景だと、望遠つきのカメラで撮っても、尼ロックの位置がわかりにくい写真になってしまいます。
気づいたのですが、今回撮影した場所の向かい側にも自転車道のような道があるのが見えました。次回はそちらからの眺めを試してみようと思っています。
尼ロックの扉が開いて、船が出入りする光景が撮りたい…とは思いますが、地理的な制約でなかなか難しそうです。
◎尼ロック以外にも、付近には独特の魅力ある風景が・・・
この付近は、運河が縦横に走っているので、他にも普通の構造の水門と運河の風情ある眺めを楽しむ事ができます。

これは尼ロックより西側に伸びている、北堀運河と北堀水門の夕暮れの景色です。失礼な話ですが、尼崎でこんな叙情的な光景が撮れるとは思っていませんでした。春の夕日をバックにして立ち上がる水門のシルエットには、少し感傷的な気分になりました。
今まで尼崎市内、特に臨海地域は、工場の雑然とした雰囲気の印象しかなかったのですが、今回は叙情的なものを感じられたのは新発見でした。機会を作って是非また何度も来てみたいです。
自転車道のコースに入っているとの事だったので、どんな施設なのか、見に行ってきました。
◎工業地帯にある、異色のサイクリングロード、「尼っ子リンリン・ロード」
私は自転車に乗るのが結構好き(但しママチャリです)なので、しばしば1日に20Km未満位走ったりするときもあります。
最近兵庫県の尼崎市内の臨海部に、「尼っ子リンリン・ロード」という自転車道がある事に気づき、先日走ってみました。
尼っ子リンリン・ロードの紹介(PDFファイルのコース地図へのリンクがあります)
この自転車道は阪神尼崎駅を起点とし南西に伸び、武庫川付近まで達しています。
道は自転車道には珍しく木製のデッキの様な構造がほとんどで、運河や海に沿って伸びており、周囲の阪神工業地帯の景観と相まって、桟橋のような風情でした。
たまたま平日でしたので、工場の臭いや煙、トラックの往来がどうかな、と思いましたが、やはり多少はあったかな、位で、あまり気にはなりませんでした。それよりも、見渡す限りの広大な工場群は壮観でしたし、工場の躍動感とは対照的に、工業地帯を縦横に大きく区切っている運河はゆったりと流れ、穏やかなたたずまいが魅力的でした。
◎閘門(こうもん) -水位を調整し、船も通過できる水門-
この自転車道の中程を過ぎたあたりに、尼ロックという水門があります。
尼崎市は臨海地域の多くが海抜0m地帯のため、水害を防ぐ目的で運河の水位を一定に保ちつつ、外海との水位差を調整して船を通行させる水門=閘門(こうもん)があります。尼ロックがそれです。付近の景観はこんな感じです。


尼ロックのそばには、写真のような案内図と簡単な説明板があります。
案内図の下側が南(外海)です。


内陸(運河)側と外海側と二つの扉がついた短い水路が二本あり、この水路を通って船が行き来できる様になっています。
方法はパナマ運河と同じで、船が接近してくると船に近い側の扉を開けて水路の中に入れ、扉を閉じて水位を調節した後、反対側(=船の進行方向)の扉を開けて、船を通します。
日本国内ではこうした現役で稼働している閘門は数が少ないそうで、他のブログでも結構取り上げてあるのを最近目にし、それが「尼っ子リンリンロード」のコース内にあったので、早速来てみたわけです。
この日は残念ながら閘門に船が出入りする場面は撮れなかったのですが、閘門を通って運河に入ってきたばかりの貨物船を撮る事ができ、閘門が実際に稼働しているのを少し実感できました。
船の写っている写真でいうと、右端すぐのところに、運河側の扉があります。


尼ロックから少し内陸に入った運河沿いの工場の岸壁には、横付けして荷物を下ろし終わった別の貨物船が停泊していました。
この辺やもっと西側の今津港や西宮港、東側の大阪の淀川河口周辺では今でもおなじみの光景です。水運が盛んだった昔の風情を彷彿とさせるものがありました。
尼ロックはパナマ運河に比べると大変小規模ではありますが、機構的なおもしろさはよくわかりました。
近くには、トイレやベンチのあるちょっとした緑地公園もあり、工場地帯の近くということをしばし忘れさせてくれます。


ただ、この近くには高い位置から尼ロックを見下ろせるような場所がなく、周囲の眺めも含めて写真を撮るには、少し離れた橋の上(すぐ上の写真に写っている橋です)位から撮るしかないのが残念です。
尼ロック全体を明瞭に見渡すには高さも足りないですね。このため遠景だと、望遠つきのカメラで撮っても、尼ロックの位置がわかりにくい写真になってしまいます。
気づいたのですが、今回撮影した場所の向かい側にも自転車道のような道があるのが見えました。次回はそちらからの眺めを試してみようと思っています。
尼ロックの扉が開いて、船が出入りする光景が撮りたい…とは思いますが、地理的な制約でなかなか難しそうです。
◎尼ロック以外にも、付近には独特の魅力ある風景が・・・
この付近は、運河が縦横に走っているので、他にも普通の構造の水門と運河の風情ある眺めを楽しむ事ができます。

これは尼ロックより西側に伸びている、北堀運河と北堀水門の夕暮れの景色です。失礼な話ですが、尼崎でこんな叙情的な光景が撮れるとは思っていませんでした。春の夕日をバックにして立ち上がる水門のシルエットには、少し感傷的な気分になりました。
今まで尼崎市内、特に臨海地域は、工場の雑然とした雰囲気の印象しかなかったのですが、今回は叙情的なものを感じられたのは新発見でした。機会を作って是非また何度も来てみたいです。