若いママたちへ

知り合いのお嬢さんが、男の子を二人育てています。
妊娠・出産を知った時には、私も自分の孫のように嬉しく楽しみでした。
その長男くんが、重度の難聴だったと聞いた時は、長男くん本人のことより、若いママの事が気にかかりました。
それは、何年か前に会社の後輩から、友達の子供が難聴だとわかって、その若いママがうつ状態になってしまったという話を聞いていたからです。
科学や医療がどんどん進んでいるのだから、今より優れた治療法ができると信じ、強い母となって、子育てが幸せだと感じてほしいと思いました。
しかし、私が心配する必要はありませんでした。
そのママは元々明るい素直なお嬢さんなのですが、そのあとに産まれた次男くんとお兄ちゃんとなった長男くんを、しっかり育てています。
彼女のフェイスブックには、その子育ての様子が可愛い写真と共につづられ、それを観るのが私の楽しみになっています。
現在長男くんは、ろうあ学校に通っており、ママはその様子を載せる事が、他の難聴児のパパママの参考になることを願っています。
補聴器の話を聞いた時に、心がとても温かくなり、前回それを『詩』にして掲載しました。

全国の子育て中のパパママ、みーんなが、幸せになりますよーに♡

ママへ

ママが大好き（ある若いママに捧ぐ）


僕はママが大好きなんだ

パパも弟も好きだよ

いっぱい遊んでお腹がすくと、ママがテーブルの前で呼ぶんだ。こっちへおいでって。

すぐに邪魔をする弟をぶつと、ママが怒るんだ。怖い顔で。

ヌルヌルした虫をあげたら、ママは見た事無い顔でちょっとの間、ぜんぜん動かないでいたから、僕は心配したんだ。
しちゃいけない事といい事が、時々わからないから、ママの顔をじっと見たんだ。

ママはすぐに、いつもと違う笑い顔で、僕に虫を返して、何度もうなづいてたよ。

きっとママは、ヌルヌルした虫はちょっとしか好きじゃないんだ。だから、中が見える箱に入れてくれたんだね。


おでかけして、知らないお店で、パパとママは僕の耳に何かを入れた。

知らないおじさんに耳を触られて、すごく嫌だから逃げようとしたんだ。

そしたら、とーっても優しい声が聞こえた。

ママが『かける』って言った。

初めて聴くママの声は、ママの笑い顔と同じくらい僕をあったくしたんだ。

それは補聴器っていう物で、僕のお気に入りだよ。