乳がん体験ルポ

乳がんの発見から治療内容を自分の記録として保存し、それが誰かの役にたてたら嬉しい

桜の記憶

2016-06-09 11:28:40 | Weblog
録画してあった『海街Diary』を観終わりました。
生きる事、死ぬ事、そして残された人々の事
悲しい時も楽しい時も、その時間を止める事はできず、同じ長さで過ぎていく。
そんな話だと思いました。

だけど、時間が流れる感覚って、いつも違いますよね、速かったり遅かったりします。
産まれてからの20年間は、とても長いのに、大人になってからの35年のなんて短いことか。
2度の流産のあと、やっと授かった娘が、もう29歳になります。
その娘が産んだ孫が、もう3歳になります。
山も、深ーーい谷もあったけれど、おまけとして頂いた時間を、人生を、いま過ごしています。

映画に桜のトンネルを、中学生であるすずちゃんと、同級生の少年が、二人乗りの自転車で通るシーンがあります。
桜というのは、何故こんなにも印象に残るのでしょうか?
左胸の手術を6月に受け、ホルモン注射と薬による術後治療を受け、月に1回の通院をしていました。
翌年の4月の通院の時に、病院へ向かう道に桜が咲いていました。
お堀の土手の上の道なので、桜は頭のずっと上ではなく、すぐ横から斜め上まで、薄ピンクの花で私を覆っていました。
また桜を見れたことが、あんなに幸せだったのは、どうしてなのでしょうか。
他にも季節ごとの思い出はたくさんあるはずなのに、桜は深く心に染みわたりました。
日本人にとって、特別な花なのでしょうか。

ここ数年は、再婚した夫と桜を観ています。
飽きることなく、また来年も二人で桜を眺めて歩きたいと思います。
でも、人生で一番美しかった桜は、やはりあの時の桜なのでしょう。

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