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5の記憶

アトリエ5の「ヒト・コト・モノ」

日本の神話「やまたのおろち」

2010-07-02 | 小学生クラス
◎山内悠仁/小学4年生・2007年4月入会/小学生高学年クラス

赤羽末吉の画業に学ぶ機会になればと願い、「日本の神話全6巻」の模写に挑戦しました。始めは普段読む物語とはちょっと違うので、少し心配したのですが、顔料と墨の美しい色彩と洗練された線描に魅了され、興味を持って何度も読み込んでくれました。それぞれの物語を自分の表現にアレンジしながら、楽しんで制作をしました。

悠仁君は、昨年からぐ~んと表現力が付き自信を付けています。今回も鏡を前にして龍と戦う表情を研究していました。特に口元に工夫が見られ力強い感じがしますね。「龍は見た事が無いからわかんない!」と言いながら、一体ずつ個性的に表現しています。須佐之男の命(スサノオノミコト)の服装もTシャツと短パンにビーサン?というかなり軽装に変えていますが、リアル感があっていいですね。赤羽さんにもお見せしたい程の「現代版・日本の神話」になりました。

第1巻・くにのはじまり
第2巻・あまのいわと
第3巻・やまたのおろち
第4巻・いなばのしろうさぎ
第5巻・すさのおとおおくにぬし
第6巻・うみさちやまさち

◎赤羽末吉が満州から大切に持ち帰った「樹下美人図/正倉院」の印刷物について/画集巻頭より
私は若いときに、自分はどんな絵がかきたいかと自問自答したことがある。
まず深さがほしい。そして高さが、つまり格調の高さがほしい。
そして強さと、人間的なやさしさがほしい。
つまり、深く高く強くやさしいということになる。
たいへん欲張りだが、この「樹下美人」にはそれがある。(中略)
そして私は、絵本を通じて
「樹下美人」の持っているものの一つ一つを、
私なりにきわめていこうとしている。それが私の人生である。

赤羽末吉展ギャラリートーク
7/3(土)14:00~※参加自由・無料(入館料のみ) 会期は7月11日まであと1週間!お急ぎ下さい。

水のしぶき

2010-07-01 | 小学生クラス
小学生低学年クラスの聴想画が完成したので、今週はテラコッタの制作でした。私も仲間入りして一気に作りました。ひんやりとした土の感触と、両手で塊をぐぐっと大きく捉える手応えがたまりません。後半は、ひらひら状に手こずり、タイムオーバー!ちょっとやり過ぎたかなあ~。テーマは「水の音」だけどわかります?(笑)子供たちはみんな余裕で仕上げ、切り紙で楽しそうに遊んでいました。中家先生が一人ずつこだわりの角度で撮影をしてくれたので、後日お届けします。お楽しみに!

月の光-1

2010-06-28 | 小学生クラス
小学生低学年ー聴想画

◎制作のねらい
・音楽を聞いて感じ取ったイメージで色をつくり、抽象的な絵画の色彩感覚や構成感覚を身につける。
・和紙のにじみで音の柔らかい印象を表現する。
・黒の画用紙を使用し、円の並べ方で空間表現について考える。
・絵の具の水の運び方、三本の筆の使い分けを確認し今後の制作にいかす。

◎感想/講師:中家総子
今月は音楽を聞いて、イメージでお絵かきをする「聴想画」でした。選んだ曲はドビュシーの『月の光』です。

一回目に床に横になりリラックスした状態で音楽を聞いてもらい、イメージした色を絵の具で3色つくり障子紙を染めました。音から色をつくるのは難しいように思いますが、子ども達は「もっと鮮やかなピンクにしたい!どうしたらいいの?」「もう少し白っぽい紫かな?」と細かくイメージして混色していました。みんなのパレットが美しい色で埋まり、洗ってしまうのがもったいないほどでした。中には「もっと沢山の色を思いついた!作りたい!」というクラスもあり、子ども達の感じ取る力と色に対する興味に、私がおされ気味でした。(笑)

二回目は染めた紙のお気に入りの部分を選ばせて切り取り、音のイメージで黒画用紙に貼りました。大中小の丸い型紙を用意し、円の大きさや並べ方で絵の印象が変わることなど、構成の指導に力を入れました。重ねて貼ったり隙間を工夫したり、子ども達の中で絵づくりに対しての発見があり次につながったと思います。

三回目でまわりを仕上げました。みんなの作った色が引き立つように背景は金、灰色、黒のシンプルな色を選び、綿棒と割り箸を使い、筆では出せない独特の線や点々の表現で絵を飾っていきました。綿棒も割り箸も使い方のポイントを教えると、後は子ども達自ら描き方や面白い表現を発見して、さすがだな~と感心しまし た。

色も背景の表現も一人一人が個性的で、ドラマチックな『月の光』ができました!抽象的な絵に関して臆することなく向かっていき、素晴らしい作品をつくりあげることができたと思います!

蝶・再び!

2010-06-05 | 小学生クラス
6月に入り蝶の姿は見かけなくなりましたが、この蝶は力強く飛び回っていますね。作者は小学2年生の男子です。羽の繊細なデザインと、背景のダイナミックな線描が効果的です。この素晴らしい色彩感覚は大切にしたい!きっと大人になってもおしゃれな人になるでしょうね。
このように、子供たちが制作のめあてを良く理解し、興味をもって取組めば、素直に個性が発揮され名作が生まれます。全ては「導入」次第。。。魅力的な制作に繋げるために、いつも試行錯誤の繰り返しです。
◎制作のめあてと感想はこちら→春の空想画:風の中の蝶々

おおきなかぶ

2010-06-02 | 小学生クラス
「木」のスケッチの佐藤忠良さんは、とても有名な彫刻家ですが、教科書にも載っている「おおきなかぶ」の作者でもあるのです。子供たちは、その作風の違いに「へえ~!知らなかった~。」と、大騒ぎでした。そして、テーブルにド~ンと積まれたテラコッタで「おおきなかぶ」の「うんとこしょ。どっこいしょ!」のポーズを作りました。腰や膝、腕の曲げ具合を工夫しながら何とか形になってきました。最後に、一体ずつ繋げると「おお~っ!」と歓声が上がり、土だらけの手にいい笑顔!で応えてくれました。期待の新人講師・中家先生は、絵だけでなく彫刻も専門なので、これからも立体表現の楽しさを伝えてくれると思います。夏の工作にも粘土を使うかも???まだ内緒です。。。

キャベツとビー玉

2010-06-02 | 小学生クラス
小学生低学年クラス・春の観察画

◎制作のねらい
・「よく観て描く」とはどういうことか、佐藤忠良「木」のスケッチを紹介し、
  物の質感や量感、生命感を表現し描いている凄さを感じてもらう。 
・自然物のキャベツと工業製品のビー玉がもつそれぞれの美しさの違いを感じて描く。
・蓮根とビー玉を利用して背景の構成を考える。
・モチーフが美しくみえる背景の色を考える。

◎感想/講師:中家総子
今回導入で佐藤忠良さんの木の素描を紹介しました。自然物に敬意を込めて、真摯に向き合い表現を続けている忠良さんの姿勢を子ども達にも伝えたかったからです。作品を観た後、キャベツを実際に手に持たせ重さやみずみずしさを感じてもらいました。みんなスイッチが入ったようにキャベツの断面の細か い表情を真剣な眼差しで描いていました。モチーフの美しい色をクレパスで再現するため、何度も色をかさねている姿もとても素晴らしかったです!自然物のお野菜との対比で工業製品のカラフルなビー玉をアクセントに使用しました。ビー球の配置を考えることで構成についても学びました。ひとりひとりがよく観て描き表現する ということを学んでくれたと思っています。

みつばちマーヤの冒険

2010-05-28 | 小学生クラス
昨年の6月に小学生クラスで、細密画家・熊田千佳慕さんの白寿記念展を前に「みつばちマーヤの冒険」に挑戦しました。くじ引きで場面を選び、みんなで協力して素敵な紙芝居に仕立てました。完成後はお母様方もご招待して発表会も開きました。自分の番になると緊張しながらも大きな声で読み、堂々とした姿が素敵でした。子供たちの作品と発表会の様子(全83枚)はこちら→ギャラリー5

また、夏休みには松屋銀座の展覧会に、ご家族で鑑賞にもでかけて頂きました。関係者の方に、「千佳慕さんに子供たちの作品を是非お届けしたい。」と申し出たところ、ご病気で入院中との事でしたが、ご配慮により病室に届けて頂き、ご本人もとても喜んで下さったとの事でした。けれど、8月13日に永眠。。。それから間もなくの訃報に驚きと悲しみも深かったのですが、子供たちと共に手を合わせご冥福をお祈りしました。最後に見て頂けて本当に良かったと思います。こうした一連の取組みに、保護者の皆様にもご賛同頂き誠にありがとうございました。

あれからもう1年になるのですね。。。子供たちは今年も蝶や虫を描きました。千佳慕さんの様に自然界の美しさに気づき、楽しんでくれたらと思います。みんな昨年よりぐんと腕を上げていて感動しました。

〈虫は僕であり、僕は虫である。人間様がいちばん偉いような顔をしているけれど、虫から見れば、所詮(しょせん)は同じ生き物。根は一緒(中略)〉〈あせっても春は来ないし 忘れていても春は来る 自然はきわめて自然である〉

野菜スタンプ

2010-05-26 | 小学生クラス
子供クラスでは、制作進度に個人差があるため、早く完成した順に「おまけ制作」をします。絵の具がパレットに残っている時は、指先で点描が人気ですが、今回はレンコン・オクラ・ピーマンなど野菜のスタンプをしました。微妙に色を変えたり、構成を考えてリズムを付けたり、なかなか工夫していますね。また、ポストカードにして「いつもありがとう」のメッセージを添えたり「おまけ」とはいえない盛り上がりでした。

風の中の蝶々

2010-04-30 | 小学生クラス
小学生低学年・春の空想画

◎制作のねらい
・自然物のもつ美しい模様や形を参考にオリジナルの蝶をデザインする。
・イメージを膨らませ色々なバリエーションの線を描く。
・風の色を想像し絵の具で色をつくり、にじみの美しさを体験する。
・主役が引き立つような画面全体の構成を考える。

◎感想/講師:中家総子
オリジナルの蝶々をサインペンと色鉛筆を上手に使い分けて描きました。羽や胴体の細かい模様も集中して描き込み、クオリティーの高い美しい蝶に仕上がりました。画用紙に春風や背景を描いた回は、みんな楽しそうでクラス全体がやわらかい春の雰囲気でした。のびのびとした気持ちいい空想画に仕上がりました。