お正月だし、映画ものんびりみられるなとミステリ好きの私は、オリエント急行殺人事件を鑑賞。
では感想を。
可もなく不可もなく、というのが私の正直な感想かなぁ。
オリエントは、古典的ミステリ。もう謎解きの部分より、どうやって多人数のキャラを個別に魅力的に描くかとか、物語に感情移入出来るかとか、名探偵ポアロの人間をどう表現するか、またオリジナリティを感じたかなどを鑑賞のポイントにした。
私にとってポアロは、テレビシリーズのイメージが強いので、どうしても主役のK.ブラナーがイギリス紳士にみえちゃうんだよね。ポアロはベルギー人なんですが、その葛藤が人種差別的なことにも絶対noという立場をとらせる。この作品では、黒人の医者が嫌疑にかかるなら、真犯人を見つけるというポアロの態度で表現したんだなと思ったけど、何か浅いんだな。
薄いというか。映画は時間の制約があるから、こういった細部にまで描くのは難しいだろうが。
おそらくこれがブラナーの考えた新しいポアロ象なんだろう、アクションも見せたし。
ポアロがデビッドになったかと思わせるほどのテレビポアロを見てしまうと、やはり、ブラナーがポアロを、演じている感。ブラナーの個性が前面に打ち出されたポアロでこれは、好みが分かれる部分かと思う。
12人の容疑者も、まぁ豪華出演者だが、ラストまで、なんかグッとこない。感情移入があまり出来ない。泣けたけど😃さらりとしてる。J.ディップ大好きだし、悪役もかっこいい、ただもっと脚本が良かったらより魅力的な悪人になってたかも。アクみたいなものがない、スッキリした作品。
自分にとって何が足りないのかなと考えてみた。
例えばアームストロング家の悲劇的なシーン、回想シーンが少なすぎかなと思う。
テレビポアロより、短かったように思う。また1974版のオリエントは、この悲劇の見せ方がとても巧み。だから謎解きとしての完成度、カタルシスが観客に伝わる。重要なシーンだけど、意外と短いなと感じた。
登場人物の描かれ方も、あっさりしていた。例えば伯爵、全てにおいて行動が単調過ぎるし(笑)。
もっと、12人、それぞれの複雑な心情や葛藤があったのに、それが台詞で描かれない。
食事シーンも当時のイギリス上流階級を再現した夢のような豪華さ。見ていて楽しいが、比べるとやっぱり浅いんだな。テレビポアロは45分でもしっかり味や香りまで表現するような脚本。
この作品で、一番素晴らしいのは映像美。豪華列車が走るその姿、そびえたつ雪山の自然の背景が迫力ある。スクリーン見てるだけで寒そう(笑)臨場感あふれる映像。
構図的に、狙っているかのような感じも気になった。それでいて、意外にワンパターンで。シャーロックじゃないので派手さは、不必要だが、古典的なミステリにあった手堅いものを期待してたのに。特にラスト、あの構図は今までにないオリエントで、新しさを感じるけれど、物語の整合性から考えるとあり得ないんじゃないかなぁ。
ただ、始めて🔰オリエント急行を見る人には、面白いかもしれない。あっさりしている分を分かりやすく、それだけアガサの結末が新鮮に感じるだろう。
若い人もこれを、きっかけに原作読んだり、ポアロ見て欲しいなぁ。素晴らしいから。
BSドラマ「オリエント急行殺人事件」泣ける~ - パソコン上達日記2
あーお正月休みが終わる。
結局PC は、治らないまま。
(。>д<)
今年もよろしくお願いいたします。
お正月、映画を観たいと思っていたのに
2,3日は仕事でした。
momoさんのブログ、楽しみにしている一人です。
続けてくれることを願っています。
感想や分析がするどくて面白いです。