漢方薬はピンピンコロリに
貢献できるのか⁉
「人生100年時代」の健康寿命と漢方
▲熱気あふれる会場
白井健康元気村は7月2日、白井市文化会館 「かおりホール」で健康教室を開催しました。松戸市で「よこお薬局」を経営する薬剤師の横尾洋さんが講師。昨年7月に続き、今回で4回目です。
健康教室は午後1時30分に開演しました。講演に先立ち、東邦大学元教授の横山祐作さん(元気村メンバー)が、かつての教え子である横尾さんのことを愛情たっぷりに紹介、師弟関係の強い絆を印象づけました。
演題は「健康寿命と漢方――漢方薬はピンピンコロリに貢献できるのか」。本題に入る前に横尾さんは今の薬価制度が抱える問題点を指摘しました。
「ピンピンコロリ」の解釈から始まった講演ですが、横尾さんは心筋梗塞の例をあげ、「苦しむ人が多いので、要介護の時間を減らすことを目標にすればよいのでは」と提案。そのためにも、要介護状態になる前段階の「フレイル」を予防することが大切と強調。
その後、西洋医学と漢方医学の違い、未病(西洋医学では病気として扱われない)、五臓六腑の関係、気・血・水、そして症状ごとに効く漢方薬などについて具体的に、しかもわかりやすく説明しました。さらに腸内環境の改善にも言及、こう力説します。
「昔の日本は、毎食のように漬物や味噌を口にしていたが、今ではその食習慣がすたれてしまった。もっと積極的に発酵食品を摂取しましょう」
最後に横尾さんは、6月25日にさいたまスーパーアリーナで開催された「沢田研二バースデーライブ」にふれ、「生涯現役で頑張ることが大切です」と参加者に訴え、講演を締めくくりました。こうして予定されていた1時間半はあっという間に過ぎ、質疑応答に移りました。
▲講師の横尾洋さん
▲熱心に耳を傾ける参加者
▲横尾さんは毎年、元気村で講師を務める
以下は講師が講演で使った資料の一部です。
【講師との質疑応答】
横尾さんの講演の後、いつものように質疑応答が行われ、活発な意見が飛び出しました。
▲質疑応答に入る前、司会の平田新子さんがフレイル予防体操を広めている丹野和子さん(マイクを持つ女性)を紹介
▲篠原守宏さんが五臓の「脾」について質問
▲白井健康元気村の玉井秀幸村長が質問するだけで会場が明るい雰囲気に包まれた
▲ ゴルフ、パークゴルフ、果てはグリーンレンジャー活動に毎週精を出す岩崎利明さん(86)。元気すぎる悩みを横尾さんにぶつけたので、「ま、体のどこかに痛みが出ないなら、今までどおり運動を続けてください」と苦笑しながら答える一幕も
■横尾洋(よこお ひろし)さんのプロフィール
平成3(1991)年に東邦大学薬学部を卒業し、同5(1993)年には東邦大学大学院薬学研究科修士課程修了。その後、日本化薬株式会社、都内調剤薬局に就職。平成19(2007)年に独立し、よこお薬局(千葉県松戸市)を経営する。 現在、松戸市薬剤師会会長