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白井健康元気村

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後期高齢者が運転免許証を更新するには… 【村民の声⑯】

2025-04-23 05:30:47 | 村民の声

【村民の声⑯】

運転免許の認知機能検査

岩崎邦子

 

▲参考書も何冊か出版されている


「運転免許証更新のための講習等のお知らせ」と題したハガキが届いたのは、今年の2月の始めだったか…。75歳からが後期高齢者となり、まずは認知症検査が行われるが、その扱いも6月末の誕生日で10年になる私には、気が重いことだ。
 ハガキを手にしたのは夕方であったが、講習の予約のために、早速に鎌ヶ谷自動車学校に電話を入れた。3年ごとにこうした手続きをすることになるのだが、2月3月は学生が免許取得をする人が多いため、混雑している。 
 さらに高齢者の人口も増えていることもあって、予約がとれないこともあるとか。今までなら、3月半ばには予約が取れたが、今回は4月の半ば過ぎに予約が取れた。「やれやれ」であるが、認知症検査で行われるイラストの記憶テストのことが、気を重くする。 

 認知機能検査の方法の中に、少し前に見たイラストをいくつ覚えているか、が試される。 
 そのイラストとは、戦いの道具・楽器・乗物・体の一部・花・野菜・動物、衣服・果物・大工道具・電気製品・台所用品・昆虫・家具・文房具など16枚の絵で構成されており、A・B・C・Dの4パターンがある。 

 

▲認知機能検査には、A・B・C・Dの4パターンが▼

 

 実際のテストに際して、どれか一つのパターンで試されるが、それらのイラストを必死に記憶したとしても、そのすぐ後でランダムに並べられた数字に対する作業がある。たとえば、1と4をチェック、次いで5と8をチェック、といった2回の作業を指定されるのだ。 
(これ、真面目にやってはいけません、いやぁ、知らなかったぁ……) 
 次の作業が、「先ほどのイラストを覚えているだけ書きなさい」だ。初めての認知症検査で味わった痛い思い出がある。その3年後の検査の時は、多少そのことをわきまえたつもりで臨んだが、やはり16枚のイラストを確実に回答用紙に書き記すのに苦労した。
 以前に所属していたパークゴルフ仲間から「イラストは確実に覚えていくべきだ」と忠告というかアドバイスをくれた。これらのイラストには、ネットに絵入りで紹介されており、一種の攻略法も記されている。 
 経験された方はお分かりだと思うが、16枚×4パターンのイラストを見て、果敢に挑戦する人もいるだろう。出題されるのは、一つのパターンからで、どれが出題されるかは分からない。だから、覚えることをすっかりあきらめた私だが、心はずっと憂鬱な日々のままだった。 

 さて、つい先日に行った認知機能検査だが、私の経験した様子を書き記してみる。送られてきたハガキ、免許証、手数料(2000円)をまずは提出。もろもろの注意事項の説明を聞いたあと、苦手なイラスト記憶問題があり、次いでランダムな数字チェックを2回。
 だが、イラストを思い出しながら作業をした。それでも先ほどのイラストを書き出すこと苦労して、どうにか答案用紙16個のマス目を埋めた。 
 この後に、当日の年度や月日、曜日、今の推定時刻を書き記す作業があった。もちろん、腕時計ははずすことになっている。
 この何とも他愛ない質問にきちんと答えることが、とても重要だったらしい。 これらのことも、書けないと「認知に問題あり!」となる。
 採点結果を待ったが、イラスト思い出しの点数は、発表されない。認知機能検査が36点以上の人には、問題がなかったとして全員の合格が発表され、個々の点数は発表されない。 
 こうした発表なしは、私には初めてのことだが、もう2~3年前からのことらしい。 
受講者の一人から「なぜですか? 自分の点数を知りたいです。それによっては、自分の認知の度合いを知りたいです。点数によっては免許返納のことも考えなければいけない、いつから点数が発表されないのですが?」というしつこい質問が何回も繰り返された。 
「どうしても、となったら公安委員会ですかねぇ…」と、ぬるい返答のままだ。 
 こうしたやりとりに、少しの驚きもあるが、私のずるい頭は、
(あぁあ、必死になってイラストを覚えてこなくて、良かったぁ!)
 となり、憂鬱だった心がすっかり払拭された。 
 次の高齢者講習(運転'適性検査・講義・実車指導。8000円)を受ける予約を入れた。 
 高齢者によっての痛ましい、あるいは考えられないような事故報道が、大々的に報道される度に、心が大きく痛む。 
 過去に家族から言われて免許返納した人が、自由な行動半径が少なくなり、驚くほどの速さで認知症が進んでいくという、痛ましい光景も思い出される。 
「返納すべき」という自覚をまだ持っていないし、息子たち家族からもそうした言葉が私には届いてはいない。ありがたいことに、元気に過ごしているからだろう。そのことに、慢心しないことと、自重しながら今後も車の運転は続けたいと思っている。 

 

 

【岩崎邦子さんのプロフィール】 

昭和15(1940)年6月29日、岐阜県大垣市生まれ。県立大垣南高校卒業後、名古屋市でОL生活。2年後、叔父の会社に就職するため上京する。23歳のときに今のご主人と結婚し、1男1女をもうけた。有吉佐和子、田辺聖子、佐藤愛子など女流作家のファン。現在、白井市南山で夫と2人暮らし。令和元(2018)年春から本ブログにエッセイ「岩崎邦子の『日々悠々』」を毎週水曜日に連載(100回)。大好評だったので、令和3(2021)年5月から翌年8月まで「帰ってきたミーハー婆」(62回)も連載した。「パークゴルフ楽しむ会」の前代表。


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